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2012年7月定例勉強会レポート「動画の基礎とハードウエア」

7月7日スタジオエビスで開催された「動画の基礎とハードウエア」 、今回は午前、午後という長丁場にもかかわらず、60名ものお集まりをいただきました。ご参加くださいました皆様、ありがとうございました。

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岩本朗さんの手作りドリーやスタビライザー…。見事な完成度です。いや、それよりもそのメイキングムービーの方がもっと素晴らしい!お昼を挟んで、SONYさんから「NEX-FS700J」と、「HXR-NX30J」の製品紹介と動画と音声の基礎。うーんこれも凄いな。音が何で構成されているのか、始めてき ちんと考えたかもしれない。そして圧巻は田中さんの「オーロラタイムラプス」。見事でした。これだけ綺麗なオーロラを見たことありません。感動でした。こ れらのレポートをお楽しみください。

 次回、8月4日は秋葉原にある東京都中小企業振興公社での開催になります。お間違いの無いようお願いいたします。

 

第1部:スタビライザーを徹底研究!
"カメラスタビライザー "と"モータードライブ・デスクトップドリー"のご紹介

説明、担当 写真家 岩本朗氏   電塾運営委員 染瀬直人

今日の電塾も熱いぜ!「動画の日」濃い内容のお勉強が一杯です!久しぶりの午前中からの開催です。
朝からの勉強会にも関わらず、動画や最新撮影技術について見聞を広めようと熱意のある方々が、スタジオエビスの8STに集結です。

さあ、本日最初のお勉強です。プレゼンターは優しい笑顔の写真家、岩本朗氏です。
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岩本氏は料理写真家、360°パノラマ、ステレオ写真など最新デジタル表現をこよなく愛する写真家の一人であり、自分の撮影スタイルに合わせて動画の撮影システムを作ってしまう「Mr.ものづくり日本」なのです。

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本来の撮影はスチール写真、そしてその流れの中で動画の撮影を行うには、素早いセッティングと持ち運び易さが撮影システムの製作のコンセプト。

みずから「完全主義」と言い「手がけたものはとことん作りたい」とおっしゃる様に、会場に持ち込まれたスタビライザーやドリーは幾度ものバージョンアップを重ねたものであり、その工夫には絶句…。凄すぎます。
そのドリーの最新バージョンがなんと!勉強会に登場したのです。
しかも、朝5時に完成して持ち込んだと言うのですから…。

そして、その全貌が明らかに…。

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これに、クレーンをつけてカメラを上下させるとの案も発表。
このドリーの中には、岩本氏のこだわりが満載、素早く正確に撮影が行われる仕組みが各所に見受けられます。

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凄ワザその1 レーザーで回転の中心を素早く得る

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凄ワザその2 このステアリングで安定した回転。

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凄ワザその3 とっても凄い事を笑顔で話す。岩本氏。

会場からの「特許の申請はしないのか」との声には、「私は皆さんに喜んで頂けるのが嬉しいのです」とのご発言。生産、販売は行わず。しかも、図面や重要パーツまで公開して「皆さんも作って下さい」とおっしゃいます。

なんと慈悲深いお言葉!
嬉し涙がポトリと出てしまうではありませんか。

でも、YOU TUBEでスタビライザーの製作過程を見てみると…。
先ほどの嬉し涙が、冷や汗に…。
作ってみたい気持ちは有るのですが…。

 

皆さんも、その凄さをYOU TUBEで体験してみて下さい。
http://www.youtube.com/user/PixelArtworx

レポート、写真:北英樹

第2部 「 恒例!良いもの・こと 探し」

参加者全員によるこのコーナー。
基本的にリポートは無いのですが、気になった話のリンク先を紹介します。

その1:SONY CX720Vの「空間光学手ぶれ補正」の威力が判るyoutube動画
   → 徒歩で1周しながら撮った首相官邸デモの状況(2012.6.22 18:50-19:00)

その2:パスデータを持っていくと気持ち良いぐらいに切り抜いてくれるカフェ
   → FabCafe ( http://www.fabcafe.com/ )

他にも楽しいエピソードやグッズの紹介もあったのですが、今月はこの二つをピックアップしてみました。

レポート:本田

第3部SONY「NEX-FS700J」と、「HXR-NX30J」のご紹介

説明、担当 ソニービジネスソリューション株式会社  後藤 俊様 運営委員 染瀬直人

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今年4月に米ラスベガスで開催された世界最大級の映像コンベンションNBAにおいても大注目された、新開発4Kスーパー35mmCMOSセンサー搭載 NXCAMカムコーダー『SONY NEX-FS700J」の登場です。

このカメラの特徴は何といっても大判センサーと、ハイスピード撮影。動画撮影用に最適な設計が施されたセンサーにより、ローリングシャッター、モアレ、偽色の影響を抑え高感度でも低ノイズを実現しています。
そして、フルHDで10倍、SDで40倍のスーパースローモーションが可能です。

こちらが実機で私が撮影したスーパースローモーションの作例です。
http://www.youtube.com/watch?v=VDKzwcE6aB8

スーパースローモーションの最大連続記録時間は8~16秒(HDの場合)ですが、記録開始方法が3通りありシャッターチャンスの難かしい被写体には「エンドトリガー」を用いるなどすればタイミングを逃すことがありません。
従来の一体型ハイスピードカメラの価格が数百万円していたものが、その数分の一の値段でこのようなハイレベルな機能を手に入れることが出来るようになった訳です。

また「S&Qモーション」でTime Lapseの撮影を行った場合も、インターバル撮影した素材がそのままAVCHDの動画ファイルとして保存され便利です。レンズ交換については標準のEマウント以外にも、マウントアダプターを介して様々なレンズを装着することが出来ます。サードパーティー製のMETA BONESを使用すれば、CanonEFレンズのアイリスを本体から制御可能になります。

スチルカメラマンを意識していることが見受けられる点は、ガンマをISOとしても操作できること、またヒストグラムを表示させられることなどがあげられるでしょう。Picture Profileも使用可能で、αに近い画作りが出来そうです。またNDフィルターが3ポジション内蔵されているところも、被写界深度のコントーロールにおいて使い勝手が良いと思います。

今後は4K記録(4096×2160)に対応した外付けレコーダーが販売されるとのこと。
もうひとつの拡張用機能としてグリップにズームレバーがついている点も非常に気になります。
将来の発展も楽しみな高機能カムコーダーです。(発売は6月13日。)

 

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次に業務用として初の「空間光学手ブレ補正機能」が搭載されたNXCAMカムコーダー『HXR-NX30J』 の解説が行われました。

そもそも、NXCAMとはAVCHD規格&ファイルベース業務用カメラのブランド名です。
そして、このカメラは民生機「HDR-PJ760V」がベースとなっていますが、追加機能として特殊手ブレ補正「FIXED SHOTモード」を搭載しています。

「空間光学手ブレ補正」とはレンズユニット全体を稼働させることにより手ブレを補正する機能ですが、さらにその可動範囲を最大限にまで拡げ、同じ構図で撮影する際に補正効果を高めたものが「FIXED SHOTモード」です。
歩きながらの撮影、長時間に渡る手持ち撮影の強い味方となってくれそうです。
パンニングについては、これをOFFにしていても補正の精度は向上しています。
ですから、 撮影状況に応じて「FIXED SHOTモード』のON/OFFを切り替えることが使いこなすコツと言えそうです。

その他、編集やHDMI接続時のマルチ撮影に役立つタイムコード / ユーザービット設定に対応、グリップの大型化、内蔵マイクに加え業務用(XLR)マイク端子を装備、LPCM音声記録、1080/30P,720/60P 記録、また業務用として初の最大100インチの投影も可能にするプロジェクター機能などが備わりました。
(発売は6月7日)

カタログや、映像制作の基礎知識、撮影の手引きとなるハンドブックは以下からダウンロード出来ます。http://www.sony.jp/nxcam/products/NEX-FS700J/
http://www.sony.jp/professional/support/catalog.html

また、ソニービジネスソリューション開催のセミナーや新商品の案内をしているメールマガジンは、以下のサイト右側の「コンテンツクリエイションニュース」になります。
http://www.sony.jp/professional/newsmail/index.html

 

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ソニービジネスソリューション株式会社 後藤 俊様によるご紹介、検証、作例動画は染瀬直人、鹿野宏が担当しました。

レポート:染瀬直人  写真:北英樹

第4部 スチールカメラマン向けの動画のワークフロー基礎編

『デジタル動画の基礎知識とワークフロー』

説明、担当 ソニービジネスソリューション株式会社 後藤 俊様

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まず最初に後藤様から動画の基礎編について解説をしていただきました。

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記録フォーマットはほんとにいっぱいありますね。AVCHDとかXDCAM、SRMASTERなどはソニー系のコンテナフォーマットですが、これもそれぞれ がカバーする範囲を押さえているようです。コンテナフォーマットの中には圧縮された映像形式(コーディック)と音声データ、そしてメタデータが格納されて いますが、これらは多くは自由に設定できますが、ソニーはそれぞれをある程度指定しているようです。例えばAVCHDであれば映像はH.264で、音声は AC3というようにです。

さて、そのコーディックですが、これにも様々あるようです。映画の世界などでは「MPEG4 SSTP」220Mbpsものデータ容量があるようです。ただ、現在一眼レフの多くは「H.264」に落ち着いてきたようです。コンパクトで高画質です が、これまではハンドリングに大きなCPUパワーを要求していました。この問題をコンピュータ側がより高速なCPU、さらにGPUを導入することで,解決 してきたようです。

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そしてその映像を取得する際に決め なければならないのが映像のビットレートとサンプリングレートです。ビットレートは「単位時間あたりのデータ容量」であり、通常はbps(bit Per secondo)が使われます。一秒間に何ビットのデータが流れるか、ですね。実はこれは圧縮後の容量であり、無圧縮であれば約1.2Gbps(フルハイ ビジョンで30pの場合)になるのだそうな。AVCHDの場合はこれを24Mbpsに圧縮しているので、約1/50ということになるのだそうです。さて、 今度は30pという言葉がでてきました。これがフレームレートです。fps(frames per second)でこちらは一秒間に何枚の画像を表示するかを規定します。30pの場合は「一秒間に30枚の画像をプログレッシブ方式で表示している」訳で す。実は「30fps且つプログレッシブ」という意味だったのですね。ちょっとびっくりです。

その他、Take系と Make系カメラというお話もありました。これ、報道用と番組制作用という区分けだったのですね。初めて知りました。これまでよりは大判のセンサー(カメ ラマンに取っては普通のサイズですが…)を搭載したデジタルムービーカメラのトレンドやら、ハンディカムの高性能化で業務用機器との機能差が減少してきた ことなどを受けて小規模オペレーションがトレンドになってきた、というお話もいただきました。すなわち「ワンマンオペレーションに習熟したスチルカメラマ ンは有利」ということで、なんだかうれしくなってきました。

『写真家のための動画音声のABCと、SONY製品ラインナップのご紹介』

説明、担当 ソニービジネスソリューション株式会社 石井錦一様

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音声編は石井様がお話しくださいました。

特 に「現実に存在する音をマイクを使ってデジタルに記録するとどのような音になるのか」をわかりやすく解説してくださいました。 まず、指向性と周波数特性 がマイクの使い方を決めていくのだそうです。でもどちらも出力レベルが非常に低い。そのままではスピーカーを鳴らすことが出来ないため、パワーを上げるプ リアンプが必要になる。その際に問題になるのがラインレベル。統一規格はないが、-20dBuから+4dBu程度の電圧が用いられるらしい。マイクのレベ ルはかなり低いため、それをラインレベルまで引き上げる訳ですね。ここまで来て、やっとやっとミキサーなどの回路に音声をデータとして届けることが出来る ようになりました。データとしてはこれで良いのですが、スピーカーを鳴らすためにはさらにメインアンプが必要になるそうです。また、入力側と出力側の抵抗 を合致させることが最も効率が良いそうで、「インピーダンス整合を取る」と言われるのだそうな。

…で、マイクにはダ イナミック型とコンデンサー型に大きく分けられます。ダイナミック型はバッテリーがいらないが、コンデンサー型はファンタム電源が必要。そして私たちが今 後使用していくマイクは間違いなくコンデンサー型になるだろうということでした。その電源をファンタム電源といい、コンデンサーの変化や、直後のアンプを 駆動させるために電源が必要なのだそうだ。

なるほど!

長いマイクの場合指向性が強く、短いものが指向 性が弱いそうです。指向性はカメラレンズの画角に似ていると言います。指向性は拾いたい音声の質に合わせて選択するべきものだそうです。つまりクリアーな 音は音源の近く(ONマイク)反響音も拾いたければ離れて収録(OFFマイク)する。うーん真実です。

周波数特性はカメラの味付けに似ていると言います。そしてこの味付けによってマイクの性格が変化していくのだそうです。個人的には色味の強いガラス越しに撮影を行う場合のホワイトバランスの考え方に似ているなと思いました。

指 向性だけでなく、遠くの(小さい)音でも拾えるかどうかという問題もあるそうな。これはレンズのF値に例えてお話しくださいました。なかなかうまい例えで す。で、これはそのまま金額に反映してくるみたいです…。正面感度は数値が小さい方が明るいレンズに例えられる…その通りです。

実 際に10万円弱のマイク、3万円弱のマイクと、そしてビデオカメラに搭載されたマイクの3パターンで同じ音源を聞かせていたのですが、値段の順に臨場感、 音量、「音の割れ」に優劣がついていました。特に安いものでは「記録されない音」さえあることに、びっくりしてしまいました。それと同時に「きちんと覚え れば、それなりの対応が出来るはず」と思ったのは、私だけではないでしょう!

私たちがこれまで知らずに通り過ぎてきた「音の世界」を垣間見せてくださった石井様に感謝です。

レポート: 鹿野 宏

第5部 古くて新しい表現Time Lapseの世界と、
 3軸移動モーションスライダーのご紹介

説明、担当 写真家 田中雅美氏 運営委員 染瀬直人

時間の経過を微速撮影で記録し、それらを繋ぎ合わせた映像が今回のTime Lapse(タイムラプス)。
電塾運営委、染瀬さんの作品「http://www.nippon.com/ja/images/j00007/」を見れば、きっとみなさんも真似したくなるはず!

フリーソフトで「Time Lapse Assembler」というのがあります。
Photoshopでも作れますし、Lightroomをお持ちでない方も、これならだれでも簡単に繋いでくれますので、是非一度やってみては?!

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さてさて田中雅美さんが見せてくれたオーロラのタイムラプスはそれはそれは素晴らしいものでした。プロジェクターで見れたのもさらに良かったデス!

いくつか見せていただいたタイムラプス作品、田中さんはもう次のステージに・・・なんとオーロラのMotionVRまで作られていて、そちらも見せてくれました。
もう、ずーっと口が開きっぱなしデスヨ(驚)

カナダの極寒の地での撮影、-40°を超えるとカメラの液晶は機能しなくなり壊れるとの経験談も話していただきました。最近は(温暖化)気温もそこまで下が らず寒さで壊れる事が無くなったそうですが、そのかわりカメラのミラーの修理は絶えないそうです(数日でウン万カットを切るの為)。プロサービスに行くと 何を撮影しているかバレるとか・・・笑。

インターバルの時間で品質が変わるという田中さん、インターバルの時間と露光時間を考えると、オーロラのタイムラプスが可能になったのは、高感度撮影が可能になった最近のカメラからだとか・・・

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モーションスライダーも大変興味深いものでした。今回お持ちいただいたレールは直線で2m程のものでしたが、繋ぎ合わせると30mまでお持ちだそうで、最近完 成した曲線のレールでは、簡単にマトリックス(ご存知のあのシーン)みたいなのが撮影できてしまうそうです。他にも、タイヤと動力をつけた自立スライ ダー、それから下の写真は水中でMotionVRが可能なGoProとそのオリジナル雲台。

今後も田中さんの作品に目が離せません!!!

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レポート、写真:菊池 斉

今月の一枚

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早川塾長は既に作る気満々で見ていました。

 

今月のもう一枚

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第5部中の写真!これぐらい面白かったのですが、PhotoShoper〜・・・それにしても食いつき過ぎです!