九州電塾セミナーレポート

九州電塾09-10



10月17日土曜日今回も九州産業大学様の協力で、第29回九州電塾セミナーを行いました。今回はハンズオンセミナーということで九州産業大学画像処理室のiMac30台を使用してセミナーを行いました。
最初に(株)DNPフォトルシオの川口氏、小山氏にきていただいて、CapturOne4.8の紹介、操作を学んでいきました。CapturOneはPhaseOneカメラバッックはもちろんのこと、Canon・Nikonのデジタル一眼レフのほとんど(旧製品はのぞく)で連結撮影をサポートしています。この機能はCanonやNikonの用に別のアプリケーションを立ち上げることもなく、USBもしくはFireWireに接続するだけで撮影スタンバイになる簡単さです。
処理もツールの左から順に設定を行えば簡単にすむように考えられています。
まずCapturOneはファイルからセッションを選択することから始まります。これは仕事ごとにホルダーを作ることだと考えれば良いと思います。
セッションを作成すると自動的にRAWデータを保存するCaptureホルダー、セレクト画像の移動用のMoveToホルダー、現像画像を保存するOutputホルダー、いらない画像を入れておくTrashホルダーが作られます。基本はこのホルダーで作業を行うのですが、その他のホルダーをCapture,Outputにすることもできます。
これを作成してしまえば後は撮影してピントを確認、ホワイトを合わせて、露出をヒストグラムで確認、現像を行うことで作業はおわりです。
基本的には4つの基本を押さえればスムーズに納品データが完成します。現像データも納品形態によって、ファイル形式、各種プロファイル、大きさ、解像度、シャプネスまで一度の現像でいくつもの現像を同時に行えます。
作業になれてくればもっといろいろな機能が待っています。ハイライトシャドウ、部分的な色変換、各種スタイル、パープルフリンジ除去、収差補正、解析によるレンズの色収差補正などなど、さらにモアレ除去機能もついています。今回これらの機能をiMacを使用して操作し説明をしていただきました。そして新情報、今月の下旬にCaptureOne5.0が発表されるそうで、これには3カ所同時ピント確認、ゴミ取り、人肌に特化した色修正機能など、大幅な機能強化が図られているということでした。そして今回電塾特価販売も行われ、休み時間に早速購入されていました。


次の講義はハンズオンではないのですが、(株)セコニックの大堀氏にセコニックカラーメーターC-500、デジタルマスターL-758Dの紹介および機能説明を行っていただきました。まずカラーメーターC-500、今までのミノルタなどのカラーメータと違う所はデジタルカメラのセンサー特性にあわせたデジタルモードを表示できるところです。表示も現像ソフトでの入力に便利な色温度とCCが表示されます。また照度測定機能を備えているので、モニタールームの環境光の色温度とルックスまたはフートキャンデラでの表示が行え、作業環境の設定を簡単に行えるそうです。
次に紹介されたのがデジタルマスターL-758D、この機種もデジタルカメラ用に作られた初めての露出計で、カメラのダイナミックレンジを測定し、3台まで露出計に登録、デジタルカメラのラチチュードの警告をヒストグラムではなく、露出計の画面に表示してくれます。このメーターで興味が湧くのはやはりデジタルカメラのダイナミックレンジの測定機能ではないでしょうか。今回は実際に測定しながらの紹介ではなかったですが、ターゲットを露出を1段づつ、11枚撮影してウイザード形式で簡単に測定することができるみたいです。それをUSBケーブルを使用してメーターに取り込むんですが一度に3台まで登録が可能ということでした。このソフトはWindows OS,Mac OSともに無償でダウンロードして使えますがターゲット(プロファイルターゲットで¥12,600、プロファイルターゲットIIで¥18,900)を購入する必要があります。今回の講義終了後、大堀さんからプロファイルターゲットのプレゼントがありましたので、皆さんでじゃんけんとなり女性の方がゲットされました。今撮影の時にメーターを使用しない方も多くなってます。でも自分の撮影のライティングのコントラスト比を知ることは重要だと思うのですが。それからデジタルカメラでの動画撮影も増えてくると、今までのようにRAWで撮影して後でホワイトなどできませんので、カラーメータによって自分の色を作ることも重要になってくると思うのですが。
最後に私河口が、Photoshopの選択範囲についてハンズオンセミナーを行いました。最初に紹介していただいたCaptureOneもそうですが、いま私たちが使用している現像ソフトは、昔のようにホワイトと露出だけではなく、カラーコレクション、収差、モアレ、グラデーションなど画面全体での修正機能に関しては、もうPhotoshopは必要なくなってきています。ではPhotoshopで何をするのか!それは部分選択した修正や合成です。これには選択範囲の取得が絶対条件です。自分が考える画像を作る為には、自分の考えた部分を選択してそれに手を加えることが必要です。つまり自由自在に自分が思ったところを選択範囲にできることが最も重要なことです。それさえできればPhotoshopはどんなにバージョンアップしようと問題ありません。
もちろんバージョンアップするたびに自動選択の精度が向上し簡単にはなっていくでしょうが、基本さえわかっていればすぐ自分のものにできます。
その為に今回は基本の基本、楕円選択ツール、長方形選択ツール、多角形選択ツールを使用していろいろな形のものを選択するこつを、実際にiMacを使用して行い、つぎにその応用で2本の指輪をつながったようにする作業手順をまず悪い例(単純に移動して消しゴムで消してつなぐ方法)から、良い例(レイヤーマスクでの作業を行い、自由に指輪を動かし、影もそれに連動して動く方法)を実際に皆さんと行いました。いろいろチュートリアルデータを作っていたんですが時間が押してしまい、最後に風景での合成は少しスピードを上げたので皆さん申し訳ありませんでした。最後の風景の合成手順はこちらの動画でもう一度ご確認ください。

初めてのハンズオンでしたが皆さんいかがだったでしょうか。来月はfotonの村山輝代様を講師にレタッチセミナーを行います。今年最後の講義となりますので皆さんぜひ参加してください。

写真 河口清秀
レポート 河口清秀