第67回九州電塾セミナーレポート

九州電塾13-06

6月16日九州電塾セミナー
 梅雨ですが、雨の降らない福岡、ロケにはありがたいのですが、水の心配な天気が続いています。
 今日は久しぶりに東京から上原ゼンジさんをお招きしてのセミナーです。今回は宙玉レンズ等の面白い写真の実験を若い人にも聞いてもらいたいと思い、広い教室をお借りしてのセミナーになりました。

まず最初は実験写真、宙玉レンズのお話です。最初はいろいろな透明球を利用して実験を繰り返していたそうです。時には気泡の入ったレトロなビー玉、水晶、模様の入ったビー玉、クリスタルガラス等々。このクリスタルガラスちょうど直径が50mmでGRのレンズアダプターにぴったりはまるそうです。これで面白い絵がとれたのですが、撮影中にカメラから煙がでてきたそうです。なぜかというと太陽の焦点があってしまい黒いレンズリングが発熱し煙がでてきたそうです。その他吸水ポリマー等透明で丸いものを探しては色々な工夫をされて実験を行っているそうです。そして現在の形になって行ったようです。自分でも制作できます。いろいろ試して自分だけの宙玉を作ってみませんか。むずかしいと思ったらゼンジさんのホームページでもレンズの販売されてるそうなので、覗いて見てはいがですか、今年中にはiPhone用の宙玉レンズも発売されるそうです。
その次は万華鏡、これは古くからある鏡を3枚使用したものですが、売ってるものでは、レンズを向けると口径が小さすぎるために周りがけられてしまいます。そこでポテトチップの筒を使用して、そこにステップアップリングをつけネジで固定できるように作られていました。
この万華鏡近くのものを覗くのにはいいですが、風景を万華鏡で覗くのには?それにはテレイドスコープというものがあるそうです。万華鏡に透明球をつける、これで風景の万華鏡イメージがカメラで撮影できます。
上原さんは最初からこのような実験写真をしていた訳でなく、最初は出版の仕事などエディトリアルの仕事をされ、超芸術トマソン(作者はいなく発見者がいる芸術)で街のいろいろなものに目を向け、なんと森山大道氏や荒木経惟氏などの路上写真勉強会などにも参加され、面白いものに目を向けて観察されてこられたみたいです。超芸術トマソンは今も発見して撮影されているようです。エディトリアルの仕事をしていて自分の思いどうりに印刷で色が出ないのが嫌で、印刷の勉強もされて、カラーマネージメントの本なども執筆されることになって行ったようです。その他ぶれ写真・ボケ写真・カメラトス写真、Photoshopを使用したLittlPlanetなど文章では表現難しいですがそのままブラシたりぼかしたりするのでなく面白い偶然が生まれるような装置を手作りで工夫され撮影を重ねているそうです。普段目にするものも、ブレやぼけを加えることで別の綺麗な風景になる、やっぱり写真は面白い。これが今日はセミナーをお聞きしての感想でした。学生のみんなさんも興味深く触っていました。これが何かのきっかけになればいいのですが。最後に時間がなくなってきたので短い時間でしたが、Lighroomのハイライトと白レベルの違い、シャドウと黒レベルの違いをトーンカーブで表すとどうなるのか、また露出を補正した時の動きなどデータでの説明をしてくださりました。Lightroom3とLightroom4ではハイライト側の動きやシャドウのトーンが大きく変わっていて面白いグラフを見せて頂きました、また明瞭度をトーンカーブで見た時の変化などなるほどこんなことなのかと、勉強になりました。

レポート 河口清秀 写真 河口・佐口正章