第52回九州電塾セミナーレポート

九州電塾11-11

今年最後の電塾を、今回も九州産業大学の教室をお借りして行いました。(講義風景の撮影を忘れていましたので今回、講義風景の写真はありません)。
まずは、私河口が前回の選択範囲に引き続き、Photoshopの肝となるレイヤーについて講義を行いました。今回の講義では実際に皆さんに例題となる画像を私と一緒に合成を行い一つ一つ完成してから次のステップに移っていきました。
レイヤーはPhotoshop3.0から加わった機能で、それまでは選択範囲の操作だけで画像合成・修正を行っていた為に修正の途中保存をいくつもしなくてはならなかったのですが、レイヤーにより1枚の画像に複数の画像を重ね合わせ、後からの修正が簡単に行えるようになり、合成・修正作業が格段に進歩しました。レイヤーとは複数の画像を重ね合わせることで、そのマスクを作成したり透明度をかえる事によって、1枚の画像として完成させることができます。前回の選択範囲を自分のものとできれば、様々な画像の一部を自由に切り取り、画像に重ね合わせていけます。この切り取りに使うのがレイヤーマスクです。レイヤーマスクを使用することにより、いつでも選択範囲の修正が行え間違って切り取ったものを後から付け加えたり、不要なものをさらに切り取ることが後から行えます。又レイヤーには描画機能という下の画像との合成を濃度や、色を利用して重ね合わせる機能も持っています。
大きく分けて乗算の項目はポジをライトボックス上で重ね合わせたところのシュミレーションです。画像の黒いところは透けませんが、明るいところは下の画像が透けます。この場合画像は暗くする効果もある訳です。またスクリーンの項目は画像の上にプロジェクターで画像を投影したところのシュミレーションです。画像の黒いところは下の画像が透けて白い所は下の画像と重なり明るくなります。この場合は画像を明るくする効果が生まれます。又その下のオーバーレイの項目は、128のグレイを透明として考えそれより暗いところは乗算のようにそれより明るいところはスクリーンのように振る舞います。これをうまく利用するとコントラストを調整できます。またレイヤーは複数の画像をあわせるだけでなく、1枚の画像でも調整レイヤーというトーンカーブやレベルなど画像をコントロールするツールもレイヤーとして使用できます。この調整レイヤーにより実際の画像を変更することなくコントラストや色の修正を行えます。また調整レイヤーにはマスクもレイヤーマスクとして加えることができ、部分的な修正も行えるのです。このほかにもまだまだ色々なことが行えますがまずは今回、レイヤーの基礎ということで、以上の機能に絞って、実際に私と一緒に画像の合成、色の修正を行っていただきました。今回は人数もそう多くありませんでしたので、皆さんが理解して自分で作業が完成するまで待って、次に進む方法をとりましたので、理解していただけたと思うのですがいかがでしたでしょうか。


 次は支部長の佐口さんが今年の総括で。カラーマネージメントの重要性、モニタのマネージメントとあわせて重要な環境光の設定、RAWデータの重要性と現像ソフト、デジタルカメラの仕組み、特に今回PhaseIQ180とSigmaSD1を使用してのテスト撮影もできましたので高画素8000万画素のすごさとレンズの重要性、ベイヤー配列ではない垂直配列ファビオンセンサーのモアレのない、ローパスフィルターを使用しない、画像の解像度のすばらしさをもう一度皆さんにお見せしました。
今年度のセミナーはこれで終了となります。今年は新幹線全線開通の日に大震災が起こり、九州でも原子力発電は人ごとではなく、東北の人々とは比べものにはなりませんが、大変な1年でした。来年が良い年になれば良いのですが、何もしなくてよくなるはずがありません。今まで以上に勉強して新しい技術を自分のものとして、新しい表現を行わないと生き残っていけません。来年も基礎からまた勉強し直し基礎を固めて新しいことを学んでいける場にしたいと思います。皆さん今年もありがとうございました、来年もよろしくお願いいたします。

レポート 河口清秀