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2014年 3月 定例勉強会レポート

午前の部「”2014CP+”に登場した新製品たち!第1弾」

担当 電塾運営委員 山田久美夫

第1部「4K撮影可能なシネマカメラ、一眼カメラたち」

「Blackmagic Production Camera 4K  解説と使用実感」

解説:ブラックマジックデザイン(株)杉村卓也様
    銀一(株)柏原一仁様  電塾運営委員 染瀬直人

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まずはブラックマジックデザイン株式会社の杉村様より、Blackmagic Production Camera 4K の概要をご紹介いただきました。

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EFレンズマウントの採用で、高級レンズから普通の一眼レフのレンズ、もちろんシネレンズ等も、幅広くレンズを変えて使えます。

http://www.blackmagicdesign.com/jp/products/blackmagicproductioncamera4k


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実際に撮影に使ってみて。販売する側として気がついたこと。それぞれの立場からレポートしていただきました。*

<染瀬さんによる使用感レポート>


<銀一株式会社 柏原様による販売側からのレポート>

 …など、単体でこのカメラだけ持って撮影に臨むのは難しい、あらかじめ周辺の予備機材や環境などを周到に用意して撮影に臨まなければならない

柏原さんの“F-1マシンみたいなカメラですね…” とのコメントが印象的でした。

 

「ソニー4Kハンディカム FDR-AX100 / FDR-AX1 解説と使用実感」

解説:電塾運営委員 染瀬直人

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染瀬さんより、まず冒頭で、バルセロナで行われたばかりのMWC2014で発表されたソニーの4K動画を撮影できるハイエンドスマートフォン Xperia Z2の実機と、それで撮影された4K映像をお披露目いただきました。*

その後、「4Kとは何か」「4Kを取り巻く環境」「4K最新事情」といった背景を説明されたあと、AX100とAX1の紹介へ。
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<FDR-AX100:デジタル4Kビデオカメラレコーダーについて>

http://www.sony.jp/handycam/products/FDR-AX100/

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AX100のコンパクトな取り回しのよさを活かして沖縄ワンマン・ロケで撮影された美しい映像を、ソニーのブラビア4Kディスプレイで鑑賞しました。*

<使ってみての使用感>

<ポストソリューション>

<パソコンの推奨環境>


応用として、

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<FDR-AX1:デジタル4Kビデオカメラレコーダー>
http://www.sony.jp/handycam/products/FDR-AX1/

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PXW-Z100(左) と FDR-AX1(右)の違い:


<PXW-Z100:XDCAMメモリーカムコーダー>
http://www.sony.jp/xdcam/products/PXW-Z100/
<BRAVIA 4K>
http://www.sony.jp/bravia/4k/

セッションの終了後には、240万円もするソニーの30型業務用4K液晶モニターで4K映像を拝見することもできました。
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Digital Cinema Initiativesが定めた4K(4096×2160)に対応、フォーカスアシスト機能も搭載しているPVM-X300
http://www.sony.jp/pro-monitor/products/PVM-X300/

「ミラーレス4K機 パナソニックGH4 CP+以外では世界初登場!」

解説:パナソニック(株)井上義之様 和田様 佐賀様
    電塾運営委員 山田久美夫

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まず、パナソニック株式会社 イメージングネットワーク事業部の井上様より、LUMIX GH4 をご紹介いただきました。

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<LUMIX GH4:DMC-GH4について>

  1. 高品位写真画質:高い解像力/自然で立体感のある描写力/忠実な色再現力:新ヴィーナスエンジン、ダイナミックレンジを25%拡大、超高速&高精度オートフォーカス:新・空間認識技術(Depth From Defocus)、空間認識AF>4Kに適している:高速連写性能、フル画素AF追従連写 約7コマ/秒、フル画素メカシャッター 約12コマ/秒:~1/8000秒シャッター、カメラ内RAW現像、Wi-Fi/NFC
  2. 一眼最高峰動画:4K動画記録/空間認識AF搭載、高品位フルタイムオートフォーカス/長時間連続記録(放熱設計/省電力):バリアブルフレームレート、インターバル撮影、輝度レベル設定/高ビットレート フルHD動画 200Mbps(ALL-Intra),100Mbps(IPB)、多彩なファイルフォーマット、グローバルフレームレート対応>全世界対応のコンテンツを作れる
  3. 圧倒的機動力
  4. 安心の堅牢性:防塵防滴/マグネシウム合金ボディ/シャッター耐久回数 20万回
  5. 充実の拡張性:新ACアダプターDMW-AC10 4K記録でも使用可能な大容量ACアダプター:新インターフェイスユニット:高性能ステレオ/ガンマイクロホン:動画系業務用アクセサリー対応


GH4の4K動画撮影にはU3カードがベストマッチ 
 U3カード※:最低書き込み速度保証 240Mbps(30MB/s) 
  ※UHSスピードクラス:3   
   UHSスピードクラス:1=スピードクラス:CLASS 10 80Mbps(10MB/s)>フルHD動画

http://panasonic.jp/dc/gh4/


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事業開発センターの佐賀様より、タフパッド4Kのご紹介がありました。

<タフパッド4K:タブレットパソコンについて>

http://panasonic.biz/pc/prod/pad/mb5/

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LUMIX GH4で撮影された、山久美さんらしいレンズの持ち味を活かした4K参考映像を鑑賞しました。

<山田久美夫さんによるLUMIX GH4を使ってみての感想レポート>

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以上のように、実際に各機種で撮影された映像を様々な4Kディスプレイで拝見でき、4Kで撮影された映像の美しさや臨場感、没入感を体感、4Kのこれからの裾野の広がりの端緒に触れることができました!

各社の皆様、たくさんの実機やディスプレイをお持ちくださり、熱のこもった4Kカメラと関連製品のご紹介をありがとうございました。

写真:電塾本部運営委員 柳川 勤 / *のみ 林 道子  レポート:林 道子

 

第2部「4K表示可能なディスプレイ NEC LCD-EA244UHD-BKほか」

解説:NECディスプレイソリューションズ(株)荒井豊様

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第二部は、2月のCP+で発表になった24型4KディスプレイMultiSync LCD-EA244UHDを、NECディスプレイソリューションズの荒井様よりご紹介頂きました。
 LCD-EA244UHDは、5月30日出荷予定だそうですが、NECディスプレイソリューションズのサイトには、もう詳細が出ております。

MultiSync LCD-EA244UHD 

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NECのディスプレイは、グラフィックモデルとしてPAシリーズがあるのですが、今回の24型4Kディスプレイは、EAシリーズに属します。
 PAはProfessional Advancedであるのに対し、EAはEnterprise Advancedで企業向けモデルの位置づけのようですが、今回のLCD-EA244UHDに関しては、かなりグラフィック向けにもチューニングされているようです。

24型で4K(3840x2160)となると、画素ピッチは0.137mm(同サイズのPA242W 1920x1200では、0.270mm)、dpiにすると185dpiという密度になり、それによって得られる奥行き感や没入感を開発のテーマとし、グラフィック関係や設計関係などのユーザーをターゲットにしているとのことでした。

4Kとして定義されている解像度は、4096×2160、アスペクト比1.9:1という規格があるのですが、EA244UHDは3840×2160、テレビと同じ16:9のアスペクト比になっています。
 それは、テレビと同じアスペクト比の部材を使うことによって、コストを抑えるためだそうです。
(サイズが同じではありませんが、EIZOのFDH3601(36.4型)は解像度4096×2160ですが、1,995,000円もします。)

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3840×2160ピクセルは、画素数で言うと8,294,400画素になります。
 かつての800万画素のカメラというと、EOS20D、EOS1DMarkIIあたりがそうですが、それらのデータであれば拡大せずとも等倍表示されることになります。
 それ以前の600万画素クラスですと、フルスクリーンになりません。
 今までの30インチディスプレイでも、解像度は2560x1600、約400万画素ですから、倍以上の表示領域を持っていることが分かります。
 最近のカメラは2,000万画素オーバーですから、例え約830万画素の表示領域があると言ってもやはり縮小表示されることになります。
 しかし、2,000万画素から830万画素に間引くのと、200〜400万画素に間引くのでは、やはり絵の精細感が違います。
 従来の200万画素クラスのハイビジョンディスプレイでは、縮小表示されることによってシャープネスが低下したり、微細な欠点を見落としがちになりますが、4Kディスプレイではそのあたりも確認出来ることが期待されます。

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4Kディスプレイの広大な表示領域を実感してもらうために、Excelだったらどこまで列が表示されるかを、横1920ピクセルのフルハイビジョンディスプレイと比較していました。
 キャプチャ画面ではつぶれて見にくくなってしまいましたが、1920ピクセルではZまでだったのが、3840ピクセルではBA列の半分くらいまで、つまり52.5列くらいまでスクロールすることなく表示できるそうです。

ただし!ディスプレイが24型では、文字が小さくなりすぎて実際には読むのが困難だそうです。(笑)
 これはPhotoshopを使った場合も同じで、ツールパレットは非常に小さくなり、24型の4Kディスプレイでは使うのが困難だと思います。
 このあたりは、ソフトのUIが4Kに対応していないと、画像は精細に表示されても実際の作業はやりにくいでしょう。
 PhotoshopのUIがはやく4Kに対応して欲しいですね。
 CP+でデモをやっていたときは、Lightroomで表示していました。
 LightroomのWindows版は、文字の大きさが自動的に変化する設定があり、24型では多少文字が小さいかな?とは思いましたが、作業できないことはないと思いました。
 同時に展示していた32型のほうでは、ほとんど違和感がなかったです。IMG_4992.jpg

(この画像は、CP+2014で平尾が撮影したものです。写っているのは参考出品されていた32型のほうで、24型ではありません。)

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4Kディスプレイに対して、フルハイビジョン1920x1080のデータは画面の約1/4程度の解像度しかありません。
 従ってそのままでは小さく表示されてしまうことになりますが、EA244UHDはアップスケーリング機能により補間拡大して表示することが出来ます。
 スクリーンキャプチャでは違いが分からないので、サイトの説明を見て頂きたいのですが、アップスケーリングしても解像感を損なわないような補正がされるそうです。

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NECのグラフィックモデルとしてはPAシリーズが知られていますが、昨年第2世代のモデルが登場しました。
(私事ではありますが、私も27インチと24インチを購入いたしました。)
 PAシリーズのキモは、「工場でいかに1枚1枚(のパネル)を精度良く追い込んで出荷するか」というところだそうです。
 今回のEA244UHDはEAシリーズではありますが、PAと同じ生産ラインを使い、PAと同じように追い込んで出荷されるそうです。

ハードウェアキャリブレーションにも対応しています。

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主に外国製のモデルだと思いますが、ハードウェアキャリブレーションが出来るタイプでも、価格が比較手的安いものも出回るようになりました。
 それらのモデルにもムラ補正機能は搭載されていることが多いのですが、NECのグラフィックモデルは64ドットごとに調整されているそうで、4Kディスプレイならおよそ1,000ポイントのムラ補正がなされているそうです。
 液晶のムラというのは、液晶層の何ミクロンというギャップのムラに起因し、そのためムラは画面のポイントポイントで発生するそうで、そのためには細かい調整をしないとムラは解消できないそうです。
 調整するための測定器も高価なものを使わなくてはならないので、そのためのコストがグラフィックモデルの価格に反映されているようですが、シビアに画像を追い込む仕事をしている方は、投資する価値のあることだと思います。

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解像度が高いことを生かして、様々な画面の分割が出来るそうです。
 ただ、やっぱりこれは、24型ではちょっとどうかと・・・(笑)

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入力のインターフェースは、DisplayPort x2、HDMI x2、DVI-D x2と全部で6系統もあります。
 そのうちDisplayPortはVersion 1.2に対応しており、1本で4K/60Pが出せるので、メーカーとしてはDisplayPortを使うことを推奨しています。
 最近の1.5万円くらいのグラフィックボードでも、DisplayPort1.2に対応しているものがあるので、静止画ならその程度のもので十分だそうです。
 しかし、動画の場合はもう少し性能が高いグラボを使う必要があるそうです。

その他の入力端子、HDMIもDVIも規格としては2本つなげば4K/60P出力は可能だとされていますが、NECさんで確認したところでは、まだ2本で4K/60Pをまともにカバーできるものがないので、HDMIかDVIどちらかを変換して、4本でつなぐことを想定したために、このような入力系統になったそうです。

その他の特徴としては、コントラスト1000:1のIPSパネルであること、輝度は350cd(通常使用は200cdくらいだと長持ちする)、スピーカー搭載、省エネに配慮したECO MODE搭載などという点だということでした。

さて気になるお値段ですが、オープン価格になっていますが、おそらく30万円程度であろうかと・・・。
 店によっては26〜7万くらいかも?という話も出てますが、まだ出荷前なのではっきり分かりません。
 パネルサイズ29.8インチのPA302W(解像度2560x1600)は安いところで23万円台ですので、24型ですがEA244UHDはそれよりも高くなりそうです。

4K動画を扱う人には当然4Kディスプレイは必要なわけですが、パネルサイズが大きくなれば高価になるわけで、24型のEA244UHDはそのグラフィック性能から考えると、現状ではリズナブルな価格かも知れません。
 ただ将来的にはPA242W(10万円台)よりちょっと上くらいの価格になってくれると買いやすいと思います。

しかし、高精細な描写による奥行き感や没入感が得られるのは、やはり物理的に大きい4Kパネルのほうが有利でしょう。
 静止画を扱う場合でも、パネルサイズが大きい方が作業がしやすいです。

CP+では、24型のほかに32型、84型の展示もありました。
 先に画像を乗せましたが、やはり目を引いたのは24型よりも32型のほうでした。
 電塾の会場にも32型も持ってきて下さいました。

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32型の方はグラフィックモデルのフラッグシップPAシリーズに属するようです。
 解像度は24型と同じく3840x2160ですが、画素ピッチは0.182mmになり、24型よりはもう少し文字表示が大きそうです。
 本来は4Kなので長辺4096の仕様の案もあったそうですが、冒頭にも書きましたが汎用的なパネルサイズにして価格を抑えることにしたそうです。

さてその使われているパネルはというと・・・
 IGZOとのことでした。(IGZO技術に関しては、こちらをご参照。)
 会場には染瀬さんがお買いになったDellのUP3214Qという、やはり32型でIGZOパネルを使用したディスプレイが持ち込まれていたのですが、PA32のほうはDellとは少し違う処理を施し、画質面で良くなったので採用したとのことでした。
 その結果視野角を振っても黒の締まりが保たれていて、その性能は業界トップレベル、写真などのグラフィックを扱う方には絶対お勧め出来るとのことでした。

筐体が24型よりは大きいので、HDMIについてはなんと4ポートも装備しているそうです。
 動画系の場合重要になるSDIに関しては、標準搭載はしていないが後ろに追加ボードが差せるオプションスロットが設けてあるそうです。
 ただ、SDIのボードは、モニタと同じくらいお高いかも・・・ということでした。

発売はちょっと先ということで、今のところ秋、それも若干寒くなった頃の秋(笑)を予定しているそうです。
 気になるお値段は、DellのUP3214Q(30万円前後)の倍以下には抑えたい、50万円台くらい?ということでした。
 NECさんは、競合するメーカーの中でも「価格面で風穴を開ける役割を持っていると思っている」とのことなので、高品位なモデルはまだまだ高価な中、価格性能ともリズナブルなものとして登場することを期待したいですね。

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最後にはディスプレイの近くによって観察しましたが、32型に表示される絵は、やはり精細感奥行き感があり、見た人から は「これは(試作機だから)はめ込み合成ですか?」という冗談が出るほどでした。

 

レポート  電塾本部運営委員 平尾 秀明

第 3部 パネルディスカッション「プロカメラマンはどう4Kに対応すべきか?」      

 

 「4Kって何?」「どういう風に仕事に関わってくるの?」「4Kの画素数は800万画素だから、昔のイオス20Dクラスのサイズの絵が動画カメラから切り出せるということ?」「となると、スチールカメラマンの仕事がますます脅かされることになるの?」………


電塾運営委員 玉内の司会でパネルディスカッションのスタートです。
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□4Kをハンドリングする最低限のマシンスペックとは?
02.jpg 電塾運営委員 山田久美夫
「”黒いゴミ箱”を買うのが一番の正解!かとも思うが、ウィンドウズで組んだほうが良いかも。マックを使っているならやはりMac Proか次世代のMacBook Proかな。」
03.jpg 電塾運営委員 鹿野宏
「4Kには否定的な立場をとっていた。膨大なデータをハンドリングするなんてまず無い。ほとんどの仕事がHDでしかもショートムービー。だから今のマシンで何とかしていられる。4Kでとなったらたまったものではないと思っていた。が、この先の4K、8Kの進捗やパナソニックのGH4を考えると、やはり4Kってすごいなアと…。」
04.jpg パナソニック 井上氏
「最低限で揃えるには、GH4を1台とHDMIケーブルを1本買ってもらえばOKです!GH4はHDMIケーブルをフルHDのモニタやテレビに繋ぐと自動的にダウンコンバートし、フルHDの映像になります。これは通常のフルHD映像より遥かに奇麗です。まずそこで体験してもらうことが一番良いのではないかと思っています。」
05.jpg 電塾運営委員 染瀬
「自分はギガピクセルとかを扱っているのでその経験上、やはりMac Proの最上位機種をさらにカスタマイズしたものが必要かと。電塾で試したいですね、Mac対マウスコンピュータとかで。」
08.jpg(エンジニア/ディレクター/プロデューサー 谷口直嗣氏 1月の米国でのCESのリコーのブースで、360°パノラマカメラ・シータの画像をコントロールするデモを行ったそうです)
「機材の話は染瀬さんと同じ意見で、アップルのMac Proが良いと思っています。」
07.jpg 銀一株式会社 柏原一仁氏
「ボクが触ったことのある4KのカメラはGoProしかないので(笑)…。編集もしたことがないので…。今後カメラの価格が下がってくればというところを楽しみにしています。」

06.jpg ブラックマジックデザイン 村杉卓也氏
「4Kのマシンスペックですが、最低限の再生、編集ならMacBook Proが最適だろうと思う。ただRAWの動画やリアルタイムの編集とかだったらグラフィックボードを2枚以上積んでるマシンが良いと思うので、Mac Proか本当にいい環境ということなら最上位のウィンドウズマシンが良いと思う。」
10.jpg 玉内 「そのグラフィックボードに必要なメモリーはどのくらい必要なのですか?」
06.jpg 村杉氏 「最低でも6GBは必要かなと思う」
10.jpg玉内「そうすると普通のウィンドウズの本体位の値段になってしまいますね!初期の静止画を    やっていた時のグラフィックボードという認識を持つと良いのかなという感じですね。」
09.jpg NECディスプレイソリューションズ 荒井 豊氏
「モニター屋という立場から見ると、接続するケーブルをみても現状の物では問題が出てくることに    
なると思う。フルHDと同じケーブルではダメだと思う。対応するケーブルはそれなりに高価な物になってくる。」

中略

□4Kで、臨場感や没入感を得ることが出来るのか?
02.jpg「モニタを見る時、スクリーンの高さと同じ距離で見る、これは視聴距離[1H]という言い方をする。これで見るとスゴく没入感がある。フルHDの場合、視聴距離は3Hで見るという規格がある。
4Kの場合は1.5Hで見るのが良いと言われている。これは動画の場合で、静止画は1Hが良い。ただし、1Hの大きさが自分の身長の半分以上ないとダメ。84インチのテレビを1Hの距離で見ると、これが没入感だと体験できる。」
08.jpg「Oculus VR というヘッドマウントディスプレイ。今のバージョンはあまり解像度が高くないが、4Kになると圧倒的な没入感が得られる。ジャイロセンサーが付いているので頭の向きに追随して画面が動く。この分野でも4Kや8Kの画像が大いに生きてくると思われる。」

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http://www.engadget.com/2014/01/09/the-oculus-rift-crystal-cove-prototype-is-2014s-best-of-c/

□プロフォトグラファーは、どのように4Kに取り組むべきか?
03.jpg「動画を始めてしまったら4Kはマストだと思う。普段はHDやフルHDでの仕事であっても、4Kで撮る、素材として使うことが他のカメラマンに対して大きなアドバンテージになると思う。」

□カメラ、ディスプレイ、メディア、ネット、静止画、動画の各分野での4K状況は?
04.jpg「メーカーとして話は上記のテーマがヒットするのかと思う。
カメラは今日示した通りで、4K仕様が常識化していかなければいけないと思う。
ディスプレイは面積が大きくなればなるほど価格が上がっていってしまうと言った製造上の問題があるのでこれをどう克服するか。
メディアに関しては、保存媒体ということでしょうか?この保存媒体が一番遅れている部分なので、メーカー責任で解決していかなければいけない分野でしょう。
ネットに関して、すでにYouTubeで4Kはスタートしている。
静止画は現在10メガ超えはあたりまえ、16、20メガあたりで飽和状態、30メガ超えるあたりでも飽和してきている。静止画カメラとしてはこれだけ大きなセンサーを持ち、装置が整っている。これを後はどうやって動画にしていくかという所がポイント。」
06.jpg「ネットの分野で、YouTubeですが4Kをドンドンやって行きたいのだがネット回線が弱い、環境が整わないとどれだけユーザーがつくかわからないという話がある。ユーストリームとかも同じような話があるようだ。コンテンツがあっても環境が整わないとまだ難しいということもあり、一般的に浸透するにはもう少し時間がかかるのかなと思う。
ただ、少なくとも一年以内には環境が整ってくるはずなので、先にドンドンコンテンツを出していくことが大事だと思う。」
09.jpg「ディスプレイ屋、表示デバイス屋として高解像度の動画に向けてのお話。
実は4Kの画像を見て静止画に感動した。残念ながら動画になるとそうでない。この理由の大きな一つは、見ているのが液晶だということ。液晶ディスプレイを売っている者が言っていい話では無いかもしれないが、液晶はミリ単位の応答速度。動画を映すと尾を引く。この尾引きの幅が1画素以上になると解像度が半分になる。フルHDから4Kになると1画素のサイズが半分になる。4Kテレビを見てもすぐにこれを買おうと思わないのは、その辺りに理由があるのでは?と思っている。動画を映すと高解像度を感じられないのが実態。改善を図っているが液晶はある程度限界がある。
Sonyさんの話にも出ているが、期待しているのは[有機EL]。非常に応答速度が早く、フルHDの画像でも液晶の4K動画より奇麗だと思う。なのでそういう方向で取り組まなければいけないと思う。こういったデバイスの変化がないといけない。」

10.jpg「いろんなお話をいろんな立場の方から伺って大分ヒントを貰いました。
静止画を扱うプロフォトグラファーとして動画をどうするかということを、ここ2~3年電塾でも採りあげてきた。他にもタイムラプスやパノラマなど、ビジネスとして成り立つ提案をしてきた。
今、4Kって、今日の結論的に言ってどうってこと無い、見たことも無い世界を見たという程のことではないと思う。ポイントになることは、プロとして何を見ているか、何を表現するのかという本質を捉え直さなければいけないのではということではないか。その上で動くのか、止まっているのか、どういうメディア、媒体に出すのかによって、生業とすることをもう一度捉え直すチャンスだろうと思う。
4Kなり8Kになればなるほどフォトグラファーとして、自分の何を見て、何を表現するのか、という本質の部分に立ち返ることが必要だ。」

写真、レポート  電塾本部運営委員 柳川 勤

 

 

 

 

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