電塾 2007年3月定例勉強会レポート
 
 
CMSの新しい考え方
 
 
第一部 自己紹介&自己主張の時間 参加者全員
 
 

久しぶりのホームグランド有明で行われました、定例勉強会。私としては、ここが一番ゆっくりできて好きです。

さて、モノクロ印画紙で一世を風靡しました「月光」が、ピクトリコ社からインクジェット用紙として復活。以前、本部定例会にて参考紹介いただきましたものが遂に商品化。なんと発売前にも係らず、ピクトリコ社様からのご好意で、
GEKKOブルーラベル<微粒面光沢>A3+
GEKKOレッドラベル<画材光沢>A3+
をそれぞれ、20冊づつお持ちいただき参加者にプレゼントされました。
モノクロ用ではありますがカラー出力もできるそうです。白と黒の光沢感が均一に表現されるように、通常の用紙とは異なる表面(トップ層)に施されている等、様々な工夫をされているそうなので、モノクロ用と記載されているのです。最近何に疲れているのか分かりませんが、「世の中のものが全て白黒に見えたらいいのにな〜」と考えてしまう事があります。そんな訳で、月光シリーズをいただいてからGEKKO Lifeで目を癒し楽しんでおります。浦崎様ありがとうございました。

話は変わりまして、来月4月21日に仙台で東北電塾キックオフセミナーを開催。これにより、日本全国8カ所で電塾定例会が行われる事になります。「1ヶ月に土曜日は4回しかないのに、8カ所で!」という大変な事態になっております。全国に飛び回る講師の方々、御愁傷様です(笑)

外野から「自己主張の時間は残り時間は8分」だとか「残り時間を使い果たす人」だとか、そんなヤジを飛ばされながらCanonの柳沢さんから趣味の話ではなく、大切なお知らせをいただきました。
Windows Vistaのお話。Canonの1Dまたは1DsでRawで撮影する方に、Vistaのexplorer上(フォトギャラリー)でレイティング等を付けることができるようになったそうなのですが、それをするとRawがぶっ飛ぶそうです。1Dまたは1Dsを使用した事のある方ならご存知でしょうが、昔のRaw-Tiffは本データの中に小さなサムネイルを埋め込んであります。Vistaはそのサムネイルを本画像とみなしてしまう為、本データをバッサリ切ってしまい、数百MBのサムネイルデータしか残りません。カメラ付き携帯以下になってしまいます(笑)Vistaをご使用で1Dまたは1Dsをご使用の方はむやみに新しいOSの機能を試さず、ZoomBrowser EX Ver5.8aを使用したり、新機能を楽しむならくれぐれもバックアップをしてからご使用ください。鉄則です!

 
 
第二部 「カラーマネージメントの新しい考え方」
担当者名アドバンテック研究所
代表 村上 彰
 
 

新しいデジタル時代を凌駕するための検討課題とそのソリューション

勉強不足な私にとって、非常にレポートしづらい講義でした。
この講義の結論を先に話しますと先生が伝えたかったことは「あらゆる画像処理ソフトは、色再現性というものを、測色的な方向でしか考えておらず、視覚的な方向で、色順応を加味したものをどうやって画像処理した時に反映させてしていくか、利便性だけを求めた画像処理ソフトだけでなく、そういったとことも研究していただきたい」ということです。

確かにそうなんですよね。例えば「あなたは完全なるCMS化をしていますか」との問いに、「はい」と言えますか?はいと答えた方のどれくらいが、クライアントに一発OKをもらっていますか?OKをもらえなくても、その責任がどこにあるのかちゃんとクライアントに伝えられますか?セミナーや本で勉強しているので問題ないと思っていたけど、ではCMSってなによ?!ってなことになりますよね。

照明光源を均一化し、ホワイトバランスをとって、G5とCGのモニターで標準光源下で作業し、ICCプロファイルをつけて、プルーフ用紙を付けたのに、OKがもらえない。まーここまですれば、普通はOKもらえるんですけどね(笑)
でも、現実的な話をすれば、フジのフロンティアレベルの話で恐縮ですが、うちのお店は、いろんな方の撮影データが飛んできます。同じカメラマンが、同じデジカメで、屋外の撮影の後に、室内でストロボを立てて、撮影したデータでは出力の際の補正量が違います(補正量=太陽光下<照明光源)別に、ホワイトバランスをとっていない訳ではないらしいのですが。問題は、作業環境のせいなのか、照明光源がばらばらなのか、なんなのかは分かりませんが、教科書通りでやると、そうなるんですよね。

ちょっと、乱暴な言い方ですが。
例えば、演色性の話。今更ですが、物の色は照明する光源が変わると、見え方が変わってしまうことを、光源の演色性といいます。光源の演色性評価方法は

JISに規定されている、15色(特殊演色評価数=Ri)の試験色のうちの8色について基準の光である完全放射体の光、あるいはCIE昼光化と試料光源下の色の見え方の差を求めることで、100を満点とする平均演色評価数=Raが求められます。印刷業会では、日本印刷学会推薦規格「製版ならびに印刷における色評価用標準照明」が定められており色評価条件の共通化が図られている訳です。簡単に言えば、照明光は相関色温度5000Kで、その平均評価数Raは90以上でなければならないと規定されています。ここで一つ、イジワル。

それがこの表↓

白熱電球・ハロゲン球
Ra100
蛍光灯(普通形)
Ra60〜74
蛍光灯(三波長形)
Ra88
メタルハライドランプ
Ra70〜96
水銀ランプ
Ra40〜50
高圧ナトリウムランプ
Ra25〜85

100に近いほど演色性が良いと判断されてるなら、白熱やハロゲンを使え?ってことにはなりませんからね(注)色温度の高低差により基準光が異なるため、色温度差のあるランプ間でRa値のみの比較は間違いのもとだし、色の好ましさを表していないので単にRa値が低いというだけではそのランプの実用的価値が低いとはいえないのでくれぐれもご注意。
因に、演色評価数を計算する方法があって、
100ー4.6xΔE=演色評価数
これも今更ですが、ΔE(デルタ・イー)っていうのは、2つの色の違いを表す数値を色差といい、ΔEで表します。色空間の中に位置づけられる2つの色の間の直線距離を色差といいます。

色差値(ΔE) 感覚的表現
0〜0.5 識別できない色差
0.5〜1.5 わずかな色差
1.5〜3.0 感知できる色差
3.0〜6.0 目立つ程の色差
6.0〜12.0 大きな色差
12以上 違った色の色差

それから、4.6という係数は演色性が許容される限界だそうです(ΔE=1のときの演色評価数が4.6変化すること)
な〜んて、書くと分け分からなくなる方、少なくないと思うんですよ。書いてる私もですが。
この辺りは印刷業会の場合、作業環境を常用光源であるD50(演色AAA・昼白色蛍光灯/N-EDL)にしておいて、演色性検査カードで一番良い場所で、色見本を見ればこのような事は、考えなくてもよい道具が売ってるわけです。
ただし問題なのは、先に話したOKを決断するクライアント様を含むすべての人間の目は、色恒常性が働くため、測色的に正しい画像再現を行っても、実際にその環境下での色の見えとは異なることがあり画像処理をする上で問題となります。村上先生が言う、画像情報は視覚的にも一致していなければならない。さらには、カメラの色センサから得られる情報を利用すべきであると。大阪電子通信大学情報工学部では、美術絵画の記録保存は、絵画をデジタル画像として取り込んだ形で、映像再現する技術が基本となる「順応効果を加味して絵画の高画質化再現の実現」ならびに「物体の形状、分光反射率(色情報)、光沢成分といった物理特性を抽出して色再現性を向上させる」研究が行われているそうです。

もっと突き詰めてゆけば、人間の眼の話。眼球には、黄斑(おうはん)というフィルタ(黄色い)の役割をはたす重要な場所があり、これは年齢によって劣化してゆくそうです。OKを出すクライアント様が年齢的に高齢者に近づくほど、黄色に感じやすくなるそうです。黄色でモメたことがある方は、疑う必要があるそうです(逆に私は社長に黄色が足りないと言われます?!)

ここまでゆくと、現象的色彩論まで突き詰めなければならない訳です。実際には講義いただきましたが、ここでは書きません。主観色現象や反転図形がその例です。

ただ、ここまで書いといてなんなのですが、キリがありません。明日も明後日も仕事はあるわけで、いまある中で勉強しOKもらえるデータを納品すればよいのです。理想と現実を見極めて例えばRGBワークフローガイドを読破し、理解した上で、各々が判断してゆけばよいのではないかと思います。
この眼で見えているようで、はっきりしないあたり(色の話)を、各画像処理ソフトの開発に上乗せしていただきたいですね、という話でした・・・?

上記以外にも、こんなお話
レンダリングインテントの話から
知覚的でもなく、相対的色域を維持でもない、
>>部分的色領域の圧縮<<
※あくまでも、理想です

まだまだ実用的ではないが、Microsoft Windows Vistaから新しい色空間の出現。その名も、scRGB。WCS(Windows Color System)として、確立し、WMP(Windows Media Photo)という高品質で、高効率圧縮をを達成した、新しいフォーマットも出現。標準化に期待されています。scRGBは浮動小数点で階調情報を持ち、露出範囲の輝度レンジだけでなく、カメラセンサーが捕らえたすべての全ての輝度情報を保存できるそうです。また、scRGBはCIE可視色域より遥かに広い範囲を細かく表現できるため、輝度だけでなく色情報に関しても、後々の修正で彩度が飽和して情報が失われたりといったこともないそうです。

みなさま、熱心に記録!

 
 
第三部 RGBワークフローガイドについて
運営委員;鹿野宏
    ;永嶋サトシ
    ;湯浅立志
 
 

念のため、RGBワークフローガイドと云うのは、カメラマンに向けてAPAという団体から発行されている、カメラマンの為のワークフローガイドブックです。この本に記載していることを、みんなで統一化していこうと云う、今後のスタンダードになるお話です。この辺りが大変重要です。一匹狼のカメラマンさんも、共通化しなければ、仕事が減る訳です。ガイドブックは社団法人日本広告写真家協会事務局から購入することができ ます。勉強している人は当たり前のことしか書かれておりません。気になる方は、購入してください。

 
 
午前の部 RGBワークフローガイドについて運営委員;鹿野宏
    ;永嶋サトシ
    ;湯浅立志
 
 

来月も、ガイドブックを制作された、こちらの先生方がRGBワークフローガイドについて講義する予定ですので、是非たくさんの質問をこしらえて、お越し下さい。来月も第1土曜、有明で開催いたします。これをレポートすると、ガイドブックの意味がなくなりますので、レポートは控えさせていただきます。来月のレポートに、その質問された内容などをレポートできればと考えております。

 
 
今月の一枚
 
 

ライブビュー
S5Pro

文: 菊池斉