電塾 2007年2月定例勉強会レポート
 
 
『2007年デジタル最新事情』
 
 
第一部 塾長挨拶 電塾塾長 早川 廣行
 
 

2007年、最初の勉強会は例年の恒例ですが、2月のPAGEのイベントと同時に行われました。レポートを担当いたします運営委員の湯浅です。

今回はPAGEの中でも電塾のブースを持っていましたので、運営委員は7日からの3日間、イベント運営もしておりました。お疲れ様でした。3日目のこの日は更に、APA(社団法人日本広告写真家協会)主催の「RGBワークフローガイド2007」の発表会も行いましたので、かなりバタバタしておりました。この午前の部に関しては特別編として後半にレポートいたします。

杉山さん
佐藤さん

秋葉さん

さて、この日の勉強会は電塾の支部の展開をご紹介いたしました。この1週間前に電塾九州支部が立ち上がりました。本部運営委員をはじめ、全国の支部から19名が九州、博多までそのオープニングイベントに参加しておりました。このイベントは130名ほどの規模になりました。今年は更に4月に東北地区に支部が発足いたします。この日、支部立ち上げのため、東北支部の運営委員の方がご挨拶されました。

4月には九州の時と同じように全国から仙台に応援に駆けつける予定です。

よろしくお願いいたします。

さて、これで北海道から九州までほぼ全国組織の電塾となります。

4月からは毎週すべての土曜日に、日本全国のどこかで電塾勉強会が開かれていることになります。

電塾の創世記にはハイエンドデジタルカメラを買ったは良いものの、なんの情報も無かったため、そんな仲間が集まっての勉強会から始まったのが電塾です。今年10年目になりました。10年目に全国規模になったのは感慨深いものがあります。

早川さんからは電塾3大原則を発表されました。

1:継続は力なり
2:教えることは教わることである
3:情報は発信するところに集まる

続いて「RGBワークフローガイド2007」のご紹介がありました。

、この本は基本的にAPA会員には送付されます。それ以外の方で希望者の方はAPA事務局にお問い合わせ下さい。この日の勉強会に参加された方には全員お持ち帰りいただけました。

 
 
第二部 「アドビのDigital Imaging領域における研究活動の紹介とデモ」
Adobe Systems社 DI/Web製品群開発責任者 Dave Srory (デイブストーリー)
「Photoshop」の父 トーマス・ノル
 
 

来日していらっしゃるAdobe社、デイブストーリー氏からのAdobeが研究開発しているデジタルイメージの近未来の紹介とデモンストレーションを行いました。

上の写真、右からデイブストーリー氏、そして、トーマス・ノル氏、左側は通訳の方です。

なお、レポート役の僕ですが、マイクを持つ係となっていたため、満足な写真とメモが出来ませんでした。一部、不手際が有ると思いますが、ご容赦ください。

主にデイブストーリー氏からAdobeが行っている研究開発の説明を頂きました。2,3の例を挙げましょう。

下の写真はギガpixelのデジタル画像の例です。

引きでこれくらいの遠景の画像ですが、その一部を拡大、クローズアップしていきます。最後はガレージに停まっているクルマのナンバーまで判読できます。しかも、その動作は軽やかです。左側のマッピングでお分かりのように、いくつかの解像度の画像データを持っていて、拡大率に応じて最適な解像度のデータを表示するというもののようです。

このように、現在よりも更に高画素の要望の高まりとともに、それを快適に操作する要望も高まっていくと予想しているようです。

さて、上の写真は角度を変えた何枚かのレンズを束ねたものです。

これをデジタルカメラに取り付け、シャッターを切ると、被写体に対して、いろいろな角度からの撮影が一度に出来ます。それを合成、加工して1枚の写真に仕上げます。通常、写真は二次元の表現ですが、この撮影技術を使うと、距離情報を加味できます。1シャッターで撮影した画像を、後から任意のポイントにピントを合わせることが可能になるのです。

ただし、今のところ、この計算をコンピューターにやらせると何時間もの計算が必要になってしまいます。将来的にはもっと速いコンピューターが出ることにより、更に複雑な計算が瞬時に出来るようになり、ユーザーが求める理想のPhotoshopになっていくかもしれない。Adobeのラボでは写真は今後どんなことが可能になるのかを研究していると言うことです。

また、その影の部分として、デジタル画像の改ざんの問題も指摘されました。

報道分野ではデータの改ざんは今でも問題になっています。Adobeでは改ざんされたデータを解析、そのデータの特徴を把握しています。イメージ改ざんを検知できる技術も開発しています。

最後にどんなに技術が発達しても、写真の捉えている真実を保持していくことの重要性を語っておられました。

トーマス・ノル氏に質問がありました。

これだけの人がPhotoshopを使っているという現実の感想を伺いたいという質問で、「これだけ多くのユーザーが使っていることに感動している。最初、弟と一緒にソフトを作り始めたときには想像も出来なかったことだ。」とおっしゃっていました。

デイブ ストーリー氏に対しては今後の展開を質問いたしました。

画像を中心とした展開はFLASHの展開、そして携帯電話への展開、そしてWEB方面はApolloを展開していくとおっしゃっていました。

別の質問では「人間的に色をとらえる方向性」についての質問がありました。PhotoshopCS3では一つの解決策として簡単なダイアログにするという方向性を出しています。ベスト・プリント・エクスペリエンスと呼んでいるそうで、多くのプリンタメーカーと共同開発を行っているそうです。CS3にはこれに対応した新しいプリンタドライバが各社から出るそうです。

LightRoomでは、見かけとして満足を得る方向として、バイブランスという調整方法で、肌色はそのままで他の色の彩度を上げるという技術を入れています。

Adobeでは様々なニーズに対して様々なソリューションを用意していて、それを具現化したものの一つがLightRoomです。

これだけテクノロジーが発達していくとカメラマンがいらなくなるのでは?と言う質問に対して、「我々が提供しているのはあくまでもツールであり、新しいツールにより、表現のレベルが上がっていくのであって、決してクリエイティビティがなくなると言うことではない」と結んで終わりました。

 
 
第三部 「Adobe Photoshop LightRoom 日本語版」
アドビシステムズ マーケティング本部 宮川 富美子
 
 

次の部は同じくAdobe社のソフト、LightRoom日本語版のご 紹介です。

すでに電塾では何度かこのソフトに関してはデモをしておりますし、 Adobeからはベータ版を公開されていますのでおなじみの方も多いと思 います。この三月に満を持して製品版が発売になります。本日はそれの
お披露目で本邦初公開になります。なお、LightRoomはベータ版 でバージョン4.1まで行き、製品版は「Adobe Photoshop LightRoom 1.0」が正式名称になり、Photoshopファミリーの一員 という位置づけになります。(なお、パブリックベータ4.0日本語版が出た時点で「Adobe Photoshop Lightroom」というネーミングになりました。このレポートでこれ以降はLightRoomと略します)

ベータ版のダウンロードは100万件以上 ユニークユーザー数は50万人以上とカウントされています。アメリカ本国では8000人がオンラインフォーラムで意見交換しており、そのユーザーからの要望はAdobeの開発につたえられていました。日本ではユーザーからのフィードバックを本社に伝えると言う方法で、要望をくみ上げていました。ここまで大規模なベータテストは、デジタルフォト分野では初めてではないでしょうか?

LightRoomを知らない方はここをお読みの方でいないと思いますが、、、念のため。。。

LightRoomは多様な画像フォーマットに対応(140以上のデジカメのRAWデータに対応)した、フォトグラファーのワークフローに沿った製品です。画像を貯める、選択する、調整する、出力する(プリント、WEBなど)と言った一連の作業がシームレスに行えます。

よくPhotoshopのBridgeとの違いを問われますが、Bridgeは単体ではなくPhotoshopとの連携ソフトです。LightRoomはよりフォトグラファーのワークフローに沿っているというもので、ライバルと言うよりも選択肢が増えたと言うべきでしょう。

ベータ版と製品版の違いは主に、ゴミ取り スポット修正ツールなどが新たに機能として加わりました。

更に、読み込みファイルの検索が強化されました。絞り込み検索が出来るようになりました。日付はもちろん、何日から何日までの間で、と言う期間を特定したり、更にメタデータブラウザで撮影したカメラ(機種)からも検索できる様になりました。

セレクト時でも、クィックコレクションと言って、いらないカット必要なカットをクリックで選別出来る機能を盛り込んだり、必要な写真をひとまとめにするスタックを追加しました。

表示に関してもズーム表示が細かくなりました。拡大率は1100%まで。

便利な機能としてはキーワードスタンプと言って、メタデータをスタンプツールで入れられます。たとえばコピーライトなどをクライアントに手渡す前に手軽にデータに埋め込むことが出来ます。

現像、調整などをプリセットとして保存も出来ます。いつも画像に施す作業はそれほど多彩なわけではありません。何種類か登録しておけば以後の作業は楽になります。

新機能を使いこなすことにより、日常の作業は飛躍的に楽になるでしょう。

新たに付いたゴミ取りですが、スポット修正ツールを使って同期を掛けることにより、CCDに付いたゴミを取るパラメータを複数の画像データに掛けることが出来ます。キヤノンのDPPなどのソフトには付いている機能ですが、ブツ撮りなどをしている方には便利な機能です。

ヒストリー機能も秀逸でフォトショップとは違い非破壊保存ですから、元データをいじることなく調整、修正を行っています。ヒストリーはその作業を逐一記録していて、いつでもどの段階まででも戻ることが可能です。更に スナップショットで途中経過を記録しておけば、必要なだけのバリエーションを、HD容量を気にすることなく保存することが可能です。

また、新機能としては監視ホルダーを作ってLightRoomが自動読み込みが出来る機能も追加されました。カメラ直結で撮影したとき、撮影ホルダーを監視しておけば、撮影後にはライブラリーが出来ているという次第です。

機能を紹介し始めるときりがないのでこの辺で終わりますが、お使いになればかなり便利だと感じる機能が多々あります。使ったことがない方はぜひお使いになってみることをお勧めいたします。

なお、製品版のテスト版が発売後にダウンロード可能になるそうです。ベータ版との違いを確認してから購入を決められますのでお楽しみに。

 
 
午前の部 「RGB入稿セミナー」
APA(社)日本広告写真家協会
 
 

電塾勉強会と同じ会場で午前中に「RGBワークフローガイド」の発行に合わせて「RGB入稿セミナー」が開かれました。

この本はAPAからの発刊ですが、内容を手がけているのはほとんど電塾のメンバーです。監修の早川さんをはじめ電塾の総力をあげたと言っても過言ではないでしょう。(ちょっと大げさですが、、)いろいろな紆余曲折がありながら本日の発刊になったことは、スタッフ一同、感慨深いものでした。

ここでは簡単に写真だけご紹介いたします。

司会進行役のBOCO塚本氏

制作スタッフです。

APA会長の安達洋次郎氏
制作スタッフ 伏見行介氏
制作スタッフ 郡司秀明氏
制作スタッフ 鹿野宏氏
制作スタッフ 上原ゼンジ氏

そして監修 制作 早川廣行氏

写真はありませんが制作スタッフに永嶋サトシ氏、村田成仁氏、そして湯浅立志が制作いたしました。

 
 
今月の一枚
 
 

変わったMacだな〜と思ったら、、、ThinkPadでした。

そして、更にもう一枚。僕とトーマス・ノル氏とのツーショットです。

職権乱用という説もあり・・・

しかも撮影者は日本のPhotoshopマスター永嶋さん!スゴイ組み合わせです。

文: 湯浅立志