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2012年11 月 定例勉強会レポート



午前中は例によってLightroom特集でした。鹿野、阿部、平尾の3人がそれぞれカタログ、現像、プリントに関してお話ししました。午後は第一部の新製品情報を山田氏、リーフの加藤氏から、そして特集は動画です。今回はマスターモニターに作業用のディスプレイを合わせるソリューションからノンリニア編集の歴史(これは面白かったですね)書き出し時のビットレートの理解法、更にゴープロやSONYから発売されたHDR-AS15を初めとするアクションカムの楽しさ、素晴らしい映像を堪能できました。

さっそくそのレポートをお届けいたします!

第1部 新製品コーナー

説明、担当  電塾運営委員 山田久美夫
         株式会社DNPフォトルシオ 加藤 武氏

 

 

 

 

レポート 電塾運営委員 山田卓

第2部 ノンリニア編集の歴史と各ソフトの紹介
説明 、担当 ソニー株式会社 デジタルイメージング事業本部 戒能正純氏

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Non Liner Editing (NLE)という言葉。動画編集に関心をお持ちなら一度は耳にする言葉だと思いますが、その意味をよく理解していないという方もいらっしゃるかも知れません。そもそもリアルタイムで再生、編集しそれをダビングで録画するテープありきの手法がLiner Editingです。それに対して、 Non Liner Editing はHDD内のデータを非連続な手法で編集、再生成すること、非テープベースの編集環境のことを指します。素材がHDD内にあればPC1台で作業出来、映像クリップの再利用も容易です。また同じくよく聞く言葉に「Offline編集」「Online編集」というものがあります。「Offline編集」は本番ではなく仮の編集、つまり軽い素材で編集をおこなうこと、編集リストを作成して作業します。別名、Proxy編集とも呼びます。元素材で編集、出力をするなら「Online編集」ということになります。

 今回ご登壇いただいたソニー株式会社デジタルイメージング事業本部の戒能氏は現在NXCAM(同社の業務用ビデオ)のカメラマーケティングをされていますが、それまではVAIOのビデオ編集をメインにした商品企画に10年携われておられたので、Premiereはバージョン4.2から全てのバージョンに触れ、また同様に各社の編集ソフトにも非常に精通されています。NLEの概念の説明のあと、映像のデジタル化とともに進化して来たNLEの歴史について、80年代〜2010年代までの様々なトピックをまじえて俯瞰的に興味深い解説をしていただきました。89年にHDD内での映像編集を可能にした世界初のNLE編集機Avid/1が登場。その少し前の87年にSONYがDI VTR、88年D2VTRを発売。映像のデジタル化が始まります。90年代に入ると、91年にAdobe Premiere登場、95年家庭用DVビデオ発売、97年になると放送局用にHDCAM発売、HD化が進行します。99年にApple Final Cut Pro登場。2000年代に入ると、04年には家庭用としてHDVが発売されハイビジョン化が進み、ブルーレイやAVCHDが発売されたのが06年でした。そして、2010代はどうか?4Kの登場です。SONYは先頃、XAVCという4Kを記録するフォーマットをアメリカで発表しました。

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次に オーサリングの解説。 Adobe Premiere ProとEncoreを使ったブルーレイ(BD)オーサリングの作例の紹介、実演デモが行われました。オーサリングとは映像をディスクの中に入れる作業を指します。それだけなら、単純な話ですが、その中でファーストプレイなど様々な設定を施すことが出来ます。今回はそれについてのお話です。例えば、Encoreを用いればブルーレイでチャプターリストのメニューボタンを動画に設定したモーションメニューにする、メニューとメニューの切り替わりのあいだに動的な動きをつける、リモコンを押した時チャプターのどこにとぶかを指定(チャプターポイント)することなどが可能です。実際にAdobe Premiere ProとEncoreを連携させたデモとして、チャプターのボタンナビゲーションの設定などがおこなわれました。また、予めPremiereでチャプターポイントを指定してから、Encoreに持っていた方が操作性が良い、などのチップスも披露されました。


本題とは別にタイムリナーなアナウンスとして、レンズ交換式の話題のフルサイズセンサー 搭載のNEX-VG900、Eマウントで初の電動ズームレンズを搭載したNEX-VG30、動画撮影時にも位相差センサーによるAFが動作するトランスルーセントテクノロジーを用いたα99、業務用NXCAMでVG30の画質に長時間撮影用のデザイン・プロの操作性・機能を追加したNEX-EA50JHなどSONYの新製品が紹介されました。

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レポート 電塾運営委員 染瀬 直人

第3部  ■動画編集の時マスターモニタや家庭用テレビのカラーマネージメントについて スパイダーのハイビジョンテレビ用デモ
説明 担当 イメージビジョン株式会社 廣田 充孝様  電塾運営委員 玉内 公一


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スティールカメラマンが動画を撮影する仕事が増えてきていますね。
スティールの場合は仕事に携わる全員がモニターキャリブレーションを行い、色再現を共有してきました。

映像の世界の色再現はどうでしょう?

そこを探るべく、今回の勉強会にマスターモニタが初登場。
映像の制作にの仕事に携わる方はこのマスターモニタの測定値に合わせて、PCモニタを合わせていくのです。やり方としては、PCと繋いだスパイダーでマスターモニタの白点を測定し、その測定値をPCモニタのキャリブレーションの目標値としてキャリブレーションを行ます。
この作業によりPCのモニタがマスターモニタの代わりになるのです。

つまり、マスターモニタの見え方は絶対!全てのモニタは「俺様、マスターモニタに合わせろ!」なのです。エライのです!
スティール定番のモニタプロファイルの考えは無いのです。

私も動画を編集する時は何となく6500K° ガンマ2.2で作業をして自宅のハイビジョンテレビで確認。
まっ、こんな感じの仕上がりで良いねと自己満足。
でも、多数のテレビが置かれている量販店のテレビ売り場は明るさや色再現の異なる機種のオンパレード!
自宅のテレビでは良いが他の家のテレビではどう見えるか気になります。

藤原紀香に似ている愛しい彼女を撮影→編集→自宅のモニタで健康的な彼女を確認→彼女の家で再生→色が全然違いゾンビの様に見える→パンチを食らい失恋!→涙しながら酒をあおる。
そんな「負のスパイラル」に陥らない為の秘密兵器。
イメージビジョン株式会社様からのご紹介、その名も「Spyder4TV HD」頼もしいネーミングですね。
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この「Spyder4TV HD」はTVディスプレイに対応した高精度カラーセンサーで放送業界基準に合わせたキャリブレーションを行い映像機器の表示性能を最大限に引き出し、色再現の経年変化等を改善してくれるのです。
頼りになる色改善ツールなのです。
使い方も初めての方にも解り易く、ウイザード形式で進められて行き、調整項目は明るさ、コントラスト、色の濃さ、色合い、色温度等をキャリブレーションする事により、映像制作者の表現意図が自宅のテレビでも鑑賞可能となります。
通常のテレビでは見栄えを良くする為にコントラストが高めに設定されているのです。
これでは、黒の階調が潰れてしまい制作側の意図が伝わらないと言うお話も有りました。
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会場ではテレビを目視で調整するテストパターンが収められたDVDが無料で配られ、ご来場の皆様はラッキーでした!

早速、翌日に頂いたDVDで自宅のソニーブラビアを目視で調整を試みましたが、テレビの画質調整の項目が多く用語が解らず苦しくも断念。
調整は出来なかったものの、画面に映しだされるテストパターンは黒が潰れ気味。勉強会でのお話に納得です。

そうそう、映像の世界では同じ意味ででも用語が違うことが有るので注意して下さいとの事。
コントラストと同じ意味でもメーカーが変わるとピクチャーやエイゾーや明るさと呼び方が変わってしまします。ちょっと混乱してしまいますね。
その為にホームページには画質調整項目対照表をご用意しているとのことです。

また、「Spyder4TV HD」のシステム条件の一つにBlue-reyまたはDVDプレイヤー、テレビとプレイヤーのリモコンが必要と有ります。
ここはご注意ください。

「Spyder4TV HD」の標準価格は¥16.800-(税込み)

PCのキャリブレーションツールに比べるとリーズナブルですね。
テレビもしっかりキャリブレーションを行い映像業界基準に合わせ「負のスパイラル」に落ちいらない様準備いたしましょう!

                                                                       レポート・写真:電塾運営委員 北英樹





第4部 動画書き出しの際に絶対必要となる知識 [ビットレート]を理解しよう。
説明、担当  電塾運営委員  鹿野 宏


書き出した動画のファイルサイズの大きさはどうしようもないと思っていた私にとって、今回の話は目から鱗でした。

私でも考えられそうなファイルサイズをコンパクトにする方法として、まずフレームサイズを小さくする事!次に、フレームレートを下げること!しかし私の場合納品のフレームサイズは決められてるし、フレームレートも30以下に下げる事もできない。

そこで、鹿野さんは「状況に応じてビットレートを低くし、書き出してみてはどうだろう?!」というお話でした。

ビットレートをデフォルトの数値から下げる事により、確かにファイルサイズは格段に小さくなるのだが、はたして画像は荒れないのだろうか?答えは荒れるに決まっているのだが、鹿野さんの用意した激しく物が動いてるシーンを、いくつかの小さくしたビットレートで各々に書き出したデータを見せてくれた。なんということだろう、あるポイントまでビットレートを下げても、元々の下げていない動画と比べて、会場のスクリーンでは遜色無く観れたのだ!

さて、同じ悩みの方、ご自分のPCでやってみましょ♪image.jpegレポート 電塾運営委員 菊池斉

第5部 アクションカムの可能性~機動性とアイディアと!GoProとSONY HDR-AS15
説明、担当  電塾運営委員 染瀬 直人
銀一株式会社 柏原一仁氏
ソニービジネスソリューション株式会社 伊賀勇介氏 

 

_1.jpg「アクションカム」と言われる、最近注目されているジャンルのビデオカメラの紹介です。

「ウェアラブルカメラ」「スポーツカム」「オンボードカメラ」「マイクロカムコーダ」「アクティブカム」などと呼ばれるいろいろな身に付けられるほど超小型のデジタルビデオカメラが登場しています。

 特徴は超小型、軽量、高画質、超広角、多機能(動画、静止画、スローモーション、3Dなど)、防水、対衝撃、防塵、耐低温、など。さらに多くのアクセサリーで様々な機能の拡張も出来、GPSやWi-Fiの機能を内蔵したものもあります。

 用途はマリンスポーツ、ウィンタースポーツ、モータースポーツ(車載カメラ)、マウンテンバイク、ロードバイク、スカイダイビング、ロッククライミング、カヌーやカヤック、ドキュメンタリーなどで被写体にカメラを意識させたくない場合や、自分撮り用、USTREAMの配信用など、撮影の場所を選びません。

 アクションカムの代表的ともいえるのが「GoPro」。最近登場してきたのがSONY「HDR-AS15」、JVCケンウッド「GC-XA1」。 

 この他、海外に「Contour」「DRIFT」「Replay」_3.jpg

「Cam One Infinity(レンズ交換ができる)」「Yeho」「UDCM310」「V.I.O PDV.HD(米軍が大量に導入しているらしい)」などがあります。_4.jpg

 これらアクションカムのメリットは、

 ・フリーポジション。ヘルメットやゴーグルに装着して迫力のある、臨場感のある映像が手     

  ぶらで撮れる。主観映像が撮れる。

 ・持ち運びが容易。超小型であるにもかかわらず、多機能、高性能、高画質。(フルHD、

  中には4Kが撮れる物も!)

 ・アイデア次第でいろいろな可能性がある。今まで見たことの無いアングルで撮れる。

 

ソニーアクションカム HDR-AS15

 ソニーマーケティング(株)伊賀勇介氏  

   http://www.sony.jp/actioncam/products/HDR-AS15/index.html

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商品コンセプト

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商品概要

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このカメラ、これだけの豊富な機能や拡張性持ちながら3万円。

ひとつポケットに入れておいても損は無いと思いますね!

 

GoPro

 銀一(株)柏原一仁氏

 http://www.ginichi.com/products/list.php?name=gopro

   http://gopro-nippon.com/

プレゼンターは電塾の人気者、最年少のカッシー。

このスタイルで登場。

影が良いですね!

11.jpgアクションカムとして流行ったのはGoProが最初だったのではと思われますが、誕生は2005年。GoPro社の社長はサーファーであり、サーフィン中に自分の写真を撮るために開発し、Kodakの400のフィルムを使う「写るんです」のようなカメラを防水ハウジングに入れただけのスチルカメラで登場。その後2007年にデジタルヒーロー3、2008年にデジタルヒーロー5が静止画+動画の機能で登場したがトイカメラ的なレベルだった。

2009年にエポックメイキング的に登場したのが「GoPro HD HERO」フルハイビジョンに対応した。2011年、「HERO 2」、画質、感度性能が向上。2012年、「HERO 3」発表。

日本での発売は未定。4Kで記録できるらしい!

 

現行品「HERO 2」のスペック

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映像撮影解像度:1920 x 1080 30P 、静止画撮影解像度:1100万画素、タイムラプス:0,5、1、2、10、30、60秒間隔、耐衝撃、耐水圧 60m、圧倒的に小さい、パンフォーカス、露出のコントロールは不可、シャッタースピード設定不可、絞り固定、など。

 2台のカメラを「3Dヒーローシステム」を使用し、編集は「CINE FORM STUDIO」をダウンロードすれば簡単に3D映像が作れます。

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13.jpg (写真 アクションカム13)

最新の「HERO 3」は

映像撮影解像度:4K 12P、2,7K 30P、1080 60P、WVGA 240P

静止画解像度:1200万画素、WiFi内蔵、リモコン付き、感度向上、筐体サイズ縮小、マイクロSDHCカード採用など。

日本での発売時期、価格未定(399,99米ドル)

近々、日本でも登場するであろう「HIRO 3」、目が離せません!

 

レポート、写真  運営委員 柳川勤

 

今月の一枚

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