電塾 2007年6月定例勉強会レポート
 
 
富士ゼロックスショールームでの勉強会
 
 
第1部 自己紹介&自己主張の時間 参加者全員
 
 

いつものお台場の会場がとれず、非常に困っていたところ、関西電塾などでお世話になっていた、元FFGS、現富士ゼロックス株式会社の前田様のお心尽くしで、品川インターシティーにありますグループ会社「富士ゼロックス様;epicenter」のスペースをご提供いただきました。ただただ感謝です。この場をかりまして、お礼申し上げます
案内が遅れた事もあり、参加人数を心配しておりましたが、熱心な塾生がこれだけ集まってくれました。

今月はとある方の自己主張にフォーカスさせていただきます。
「iTunes Plus」高品質でDRMフリーの音楽とビデオをダウンロードできるサービスが始まりました。これがこれからの写真業界に関係あるのではと!その前に農業の話。ある時、農業の生産性が上がりました。それは機械化されたとかではなく、鉄道だとか冷凍技術だとか、遠くから食料が運べる事になって、生産性が上がったと。さてここで「iTunes Plus」が登場します。今までのiTunesはビットレートが128kbpsでしたが、それが2倍の256kbps AACエンコーディングになりました(お値段据え置きで!)この話をしていただいた方的には「128kのころでも、CDとそんなに遜色ないな〜」と感じられていたそうですが「256kになったら、CDよりも良いんじゃないか!」と、感じられたそうです。それをよくよく考えると、128kとか256kとか考える時に、CDをリッピングしてそれぞれのビットレートに圧縮すると想像しますが、「iTunes Plus」の場合には原音から圧縮をかけていると。そもそも、ripとは「はぎ取る」という意味があります。リッピングでは、デジタルデータのまま元のCDの音楽データを取り出すので、音質がまったく劣化しないという特徴があります。これに比べて、CDプレーヤーのアナログ出力端子から出力されたデジタル信号を、サウンドカードのアナログ入力端子に接続して再度デジタルデータに変換するという方法では、途中でノイズが入ったり、A/D、D/A変換部分の特性などにより、音質が劣化したりするので、オリジナルのCDとはまったく同じデータを再現する事は難しいのです。しょせん、リッピングの速度を下げたり(x2とかx4とか)CD-ROMドライブではなく、CD-R/RWドライブで読み出す事をしたとしても、音質を維持している訳ではなく、劣化を抑える程度でしかないのです。私は知りませんでしたが、iTunesというのは、CDからの「はぎ取った」デジタルデータだったので{デジタル(原音)}→{CD(DAtoADされた)}→{圧縮データ}が今までのiTunes 、という図式になるのでしょうか??Plusは、{原音→圧縮データ}だから「iTunes Plus」は、高音質なんですね!さて、かなり遠回りをしましたが、ではなぜ「これらが写真業界に関係してゆくのでは?」とこの方が感じたのか。「CDのようなメディアを使用して、デリバリーしていること事態に問題があると!デリバリーシステムを変えれば、非常に大きな革命が起こるはずだ!」と。「カメラが良くなるとかではなく、どうやって画像を流通させるかという仕組みが変わった方が、業界は「う〜んと」変わるはずだ!」と熱弁いただきました。
この話に関心のお方は、是非:第4部:をお読みください。あなたの仕事が「う〜んと」変わるかも!!!

 
 
第2部 『FUJI XEROX epicenterご紹介』
富士ゼロックス株式会社;
プロダクションサービス事業部;杉田 晴紀 様 前田 正樹 様
富士フィルムグラフィックシステムズ株式会社
営業本部;小林 健 様
エリアマーケティング部;増田 孝浩 様 岡 喜則 様
 
 

先ずは、小林様より富士フィルムのグループ会社のご紹介をいただきました。知ってました?!今やFUJI XEROX様も含め231社(2006年末現在)もグループ会社があるそうです(驚)社員の皆様も把握するのが大変です…。ここで改めて。富士フイルムホールディングス株式会社は、2006年10月1日付けで「富士写真フイルム株式会社」から商号変更し、「富士写真フイルム株式会社」の事業は事業会社「富士フイルム株式会社」が継承しております。
次に、増田様より印刷業会のお話しいただきました。今業界で、重要視していることの一つに「情報管理」が取りざたされているそうです。DM等の個人情報を扱うケースが増え、ニュースでご存知でしょうが某企業の『データの流失問題』が正にそのことです。業界も印刷だけでなく、WEBも含めたマルチユースに展開してゆかなければならなくなり、油と水を使用した印刷だけでなく、コンセントと用紙とトナーがあれば印刷できてしまうものから、UVインクジェット、それからHomePageまで、あらゆるお客様のニーズに対応、変貌してゆかなければならなくなりました。確かに、印刷機がよくなりそれを導入する会社が増えれば「いったいどこで差別化するか」の競争なんですよね。本当にどこも大変です…。紙だけでなく、WEB等の電子メディアの対応がどんどん進み、顧客毎のプロモーション効果を高めるようなメディア作成システムの構築に今後追われるでしょう。
「富士フィルムの新しい取り組み」と題しいろいろご紹介いただきました。その1つがこれ↓

厚み3cmまで乗せられるそうで、塩ビのトタンとか、ロールスクリーン、亜鉛板、コルク、タイル等に直接プリントできるそうです。UVなので前処理材もいらず、即乾です。因に、写真では分かりづらいですが、かなり大きいそうです(モデルの女性がかなり大きいので・笑)

さて次は、FUJI XEROXの前田様からご案内いただきました
フラッグシップ機であります、上の写真が「XEROX iGen3」1億円弱するそうです。特徴としては、こちらを見ていただければ分かりますが、エンボス調等の凸凹した紙もちゃんとインクがのります。この手のものでは珍しくB3まで出力可能だそうです。
それから、イメージバリュアブル。こちらのイメージを見ていただければ分かるのですが・・・イメージ1・・・イメージ2・・・画像の中に名前が入っているのですが(Hitoshi Kikuchi)いかにも書いてあるものを撮影したような加工、それがイメージバリュアブル(可変)です。これを一枚単位で出力できるところがデジタルプリントの良いところですね!
それからカラーカンプの話で、独自のチャートを利用し、お持ちのプリンターを診断をしてくれるそうです。カンプとは「comprehensive」からきた言葉と考えれば、多くが単なるカンプとして利用しているだけで、カラーカンプじゃないんですよね!カラーカンプを略してカンプ〜カンプ〜って言ってますが「本来のカラーカンプとしてお使いできているのか!?」ということを診断してくれるサービスを「XEROX製品」意外のメーカーのプリンターも含めて診断いただけるそうです。これでお悩みのデザイン事務所様等、是非ご相談を!

こちらの写真は、社内を見学させていただいている時の写真です。こちらでも、やはり個人情報の話になりました。DMを送る際の個人情報が取りにくくなり、代わりに最近ではこのようなサービスがあるそうです。例えば「東京都港区1丁目の皆様へ」とか「浦安市の皆様へ」のように、宛先をエリヤ別に指定して、従来の「何丁目-何番地-宛名」が必要ないのです。もちろん「日本全国のみなさまへ」というのも可能なのです。一番良い例では、某メーカーのファンヒーターの回収のはがきが皆様のご自宅にも届いた方がいらっしゃるのではないでしょうか。このマーケティング商法が流行りつつあるそうです。こういったことも、オフセット印刷ではなく、小ロットまたは個別に内容が違うもの(例えば、クレジットカードの明細書)に対してデジタル印刷ならではの特化した部分が感じられますね!

残念ながら、一般に公開できる印刷機のコーナーが丁度その日引っ越し中だったので、ガラス越しではありましたが「XEROX iGen3」を遠目に見ることができました。お客様の相談に分かりやすくご説明できるスペース、RGBワークフローコーナーも見学させていただきました。因に、ちゃんと写真が撮れませんでしたが、これも「イメージバリュアブル」お酒のボトルの中の写真に文字を入れてあります。全てはレポートできてませんが、スペースまでお貸しいただき、約1時間強の講義&見学をさせていただきました。改めまして、ありがとうございました。

 
 
第3部 『2007〜2008版カラーマネジメント秘話』
MD研究会会長・電塾運営委員;郡司 秀明
 
 

えーっと、秘話だらけでレポートできません。
と、言う訳には行きませんよね(笑)一方で、私には本当に郡司先生のレポートができないという話もありますが・・・。少しでも、マスター郡司に近づこうと先生の書籍を先日購入しました。いや〜大変。片田舎の写真屋が買うものじゃないですね(笑)ここまで書いてナンですが、ちょっとはまりそうな自分もいます。

・さて、郡司先生が先日中国に行った時の話「実は中国ではDTPのエキスパートの先生を育成しています。日本の印刷を狙っています」同じような話で、ヨーロッパの印刷って、東欧に流れていること知ってました?!
・プロファイルの話「とあるJpegデータを2回再保存したデータと元のデータの違いは分からないが、プロファイル変換を2回したデータは、確実に分かる」そうです。つまり劣化・・・。
・「JMPAをJapanColroにするのは言語道断!」という話。「JDFなんてのは、印刷業会決めたフォーマットなんてのは使いませんよ〜」とのこと。あくまでも、JMPAはトヨタが決めたから普及するのだと。トヨタがJDFを採用すれば普及する。因にJDFというのは、印刷物制作・製造の全工程を包括的に定義・記述し、管理・制御するXMLベースのファイル形式)の略称です。参考までに、こちらと、こちら
・プロファイルってダブルクリックしたことあります?先生曰く、ダブルクリックをすると「そこに世の中が見えてくるそうです(笑)プロファイルと対話できる」そうです(驚)
本人からも「レポートはしない方が良い」と言われてましたから、これぐらいで…。とりあえず、みなさんもプロファイルをダブルクリックしてみましょう!「ナ・ニ・カ、が見えてくるかも!!!」分からないことがあれば、電塾でマスター郡司がお待ちしております。『ということでございました』

 
 
第4部 『日本ワムネットAFPファイルサービスご紹介』
日本ワムネット株式会社
営業部;高松 昌紀 様
 
 

はじめに鹿野先生からのお話。以前は、メディアを使用した納品もあったそうですが、現在99%がサーバーを使用した納品だそうです。それに伴い、クライアントがその納品形態に慣れ親しんでいるため、もしサーバーの不具合等で納品が完了できない場合の心配から、現在よりもより良い方法論、またはサービスを探していた時に、日本ワムネット様のサービスを知り、今回高松様にいらしていただくことと相成りました。
『デジタル版バイク便のようなサービス』お客様のデータを安全確実にお届けするサービスです。独自のインフラを持ち、音楽、印刷、出版等でよく利用されているそうです。
特徴
大容量のデータを送る事ができます;メールやFTPは容量制限がありますが、
「WAMNETサービス」は送るデータの容量に上限がありません。
独自のインフラを持ち、グローバルに使用可能です。ワムネットのネットワワーク網はインターネットに公開されていないネットワーク網なので、他社のインターネットに公開されているサービスと違い、セキュリティー面にも特化しております。
他社のサービスでよくある、とある容量を購入しなければならないところ、ワムネットはすべてレンタルの為、よりよいサービスを探す際の初期投資額を考えれば、導入が非常にしやすいです。そのことにより、サーバーの保守・管理が不要になる訳です。
それから、24時間365日の障害管理とコールサポート(技術のスタッフ)もうれしいです。

サービス 内容 金額
データ伝送サービス 「送った」「届いた」「受け取った」などの確認が可能。リモートプリント的な事も可能。詳しくは、ホームページをご確認ください。 15円
/1MB
ファイル共有サービス 無制限にアカウントを発行し、双方にやり取りができます。OS9.OSX.windowsXPにも対応。また、任意にフォルダを作成する事ができ、さらには個々のフォルダにIDやパスワードを付与することができるので、違うクライアント同士は一切他のフォルダはみえないのは、非常にありがたいですね。また、契約容量を超える場合でも、送る事が可能です(超過容量料金を支払うことで回避)
インスタントファイル共有というのがありまして、アカウントをもたないクライアントに送る場合でも、メールでURLを送る事ができますので、そこからダウンロード可能(この場合、メモ書きは現状1バイト文字のみ)
12,000円
/1GB

24,000円
/2G

33,000円
/3G

(それぞれ1ヶ月の使用料金)

なんといっても、利用者全員がこのサービスに契約する必要がないのは良いですね。
操作は簡単で、Macならメニューバーから移動でアクセスすることによりデスクトップにマウントされ、ローカル上のディスクのように使用することができます。デモンストレーションをしていただきましたが、本当〜に簡単です。アクセス速度も、鹿野先生の報告ではストレスないそうです(かなりファジーな言い方ですが)
こちらから(http://www.wamnet.jp/index.php)サービスの体験ができます。是非、お試しください。

 
 
今月の一枚
 
 

終電まであと30分、まだまだデジタル談義は続いてます

文: 菊池 斉