電塾 2006年9月定例勉強会レポート
 
 
『フォトキナ事前予測情報』
今月もレポートを担当させていただく菊池斉(ひとし)です。前回のレポートは賛否両論(調査人数;4人)でしたが、塾長から続投とのお言葉をいただき今回も担当させていただく事になりました。よろしくお願いします。

この日もいつも通りシルバーとホワイトのクラウンを気にしながら常磐道をかっ飛ばし、ピカピカに洗車されたスバルB4ホワイトを追い越し車線から運転席を眺めると、その奥になんとバックミラーが2つ(教習車のような)?!「クラウン以外の覆面だっ」と思い、すかさずB4の後ろにまわり縦走。ナンバーを見ると、なんと5ナンバー。つ・ついに5ナンバーの覆面パトカー出現。すっかり秋の空になった青空を見ながら、今日はスローにお台場へ・・・。
 
 
第一部 自己紹介&自己主張の時間 参加者全員
 
 

テクニカルライターやデジタルフォト関連のトレーニング(教育)等を仕事にされている運営委員玉内さん。ネガの話からの流れで写真館の現状をお話しいただきました。わたくしごとですが、うちも写真業の中に写真館的要素(小さいスタジオですが)も持ち合わせておりますので、これにフォーカスしてみます。

>>写真館的現在のポートレートネガティブというのはラチチュードがかなり広い。オーバー側に関しては、プラス5絞りまで十分分離する。そしてシャドー側が3絞り。総合的に言うと8絞りのダイナミックレンジは確実に劣化なしにプリントアウトする為の情報を持ち合わせている。さらに劣化はするけどプラス2絞りづつシャドー側とハイライト側を捕まえてくる。よって、真っ黒の部分から真っ白の部分まで12絞りのレンジを持っている。実際使うのがそのうち5絞り。銀が少なくなっているおかげか、レーザー露光ペーパーが主になっているせいか、かなりフラットな状態の光を受ける仕組みなってしまっている。その為に、従来言われているライティングをそのまま行ってしまうと白の抜けが悪いなど、弊害が起きる。L値で言うとその抜けない白は85%ぐらいで止まってしまう。さらにバックグラウンドの抜けが悪いと白飛ばしの為にたとえば2絞りさらに露光する。それでもまだ抜けないと同じ事を繰り返す。現行の写真館さんで白バックで抜こうとすると、従来の理論値プラス2絞り半の露光オーバーにしないと背景がうまく抜けないという現在のネガの現状である。そのまんまそこにデジタルカメラを持ってくると、とんでもない事になる。
その為にやむなくフジはS2Proにポートレートモードというハイライトが滑らかになるモード付けたのではないかと玉内さんは言う。ネガの持っているパワー、デジタルのパワーは別物であって、まだまだネガの持っている本当の良さを知らないし、デジタルの持っている良さも写真館にはまだまだ知られていない。非常に曖昧な中、現在の「Pict_Bridge」や「Exif_Print」の方が遥かにうまくプリントできてしまうし、アマチュアの方が手軽に何にも考えずにプリントできてしまう逆転現象が起きてしまっているとのこと。<<
そう云った各メーカやプロのユーザーの橋渡し的活動をされている玉内さんの、耳がダンボになってしまったお話でした。

 
 
第二部 NikonD80のご紹介
ニコンカメラ販売(株)プロサポートセンター;中島 斉一
 
 

山田久美夫先生が紹介する予定でしたが、急遽Nikon中島さんに紹介いただきました。
お話を聞いていると、どうやらD70にD200の持ち味を盛り込んだものが、D80といったところでしょうか。もちろんD200にはないコンシューマーだけでなくプロにもうれしい機能も搭載。シンクロ接点がなかったり、記録媒体がSDカードであることなど少々不便はあるが、D200が金額的に買えなかった方やD200のサブ機を中古なんかで探している方には非常にお進めしたいカメラです。それとついついNikon_Captureに慣れてしまっているだけに、NXを避けている方にも、ムチを打つ為に良いかもしれません。なんせ、4.4.1からのバージョンアップはいいかげん諦めた方がよさそうなので・・・。

11点計距AFシステムを搭載
SDHCメモリーカード規格対応
もちろん大型液晶モニター
メニュー表示の向上
D70よりも軽い、585g
画像編集メニューの追加
自分好みにメニュー内容を設定可能

D70からすれば、画素数だけでない信じられない進化である。あまりD200と比較してはいけない。あくまでもD80はコンシューマー機なのだから・・・。キムタクだって、きっとそう思っているはず!

D80がコンシューマ機だからと気を使われたのか、サラリとお話しいただき、余った時間で電塾では初めてのCapture_NXをご紹介いただきました。私もそうですが、まだまだNikonのRAW現像をCapture4でしている方が多いのか、正直使い切れていないのが現状かと思います。

今回は簡単な特徴などをご披露いただきました。カラーコントロールポイントや選択範囲が結構細かく選択できるところは、正にフォトショップです。確かに使い慣れていなければ、フォトショップの方が操作しやすいですが、これも慣れです。D2xsを皮切りに一先ずニコンはNXで走り続けるでしょうから、せっかく覚えたCapture4なのにと思わず新アプリに立ち向かいましょう。まだまだ完成版ではないと、中島さんは言っております。ツールパレットがいちいち閉じてしまう事で折角のデュアルディスプレイ環境で使いにくいなど、いろいろと改善依頼を開発者には伝えていただいているようです。

キムタクのパンフは掲載すると代理店から注意されるのでご注意を!ということで・・・
自称、安くて生きのイイカメラマンのtatsphotoさんを勝手に掲載

 
 
第三部 EOS_KissXのご紹介
担当者名;山田_久美夫
 
 

コストパフォーマンスに優れた、1000万画素超デジタル一眼カメラ

アマチュアの方も来られておりますが、電塾は写真を仕事にしている方々の為のセミナーを開催しております。コンシューマー機に対して全てとは言いませんが、この辺りの機種にはかなり厳しい意見が飛び交います。特に新機種の紹介を山田先生にお願いすると、非常にレポーターとしては書きづらいです。(笑)なにせ、3機種(Canon Kiss_Digitalx_/Nikon_D80_/SONY_α100)それぞれレンズキャップを付けて撮影(ISO1600)したデータをフォトショップのレベル補正でハイライトを30まで落としたデータを比較して見せるんですから。(驚)

演出の仕方が上手なCanonさんらしい画作り。背面パネルが2.5インチになり、表示サイズも大きくなったので、老眼が入ってきた山田先生にとってもうれしいとのこと。また背面パネルの色再現もこの3機種では一番良いとの事。連射もRAWで10枚切れる。ただし、ファインダー視野率が低いのと倍率が低いのが難点。でもなぜかオリンパスのマグニファイヤー(E-330用)が付き、気分は30Dになるそうです。まだまだいろいろお話いただいたんですが、今回の検証は撮りっきりのJpegのみの比較ですのでこれぐらいでご勘弁ください。やはりこの辺りの機種は、RAWで撮影し十分理解した上でならプロでも使用できるカメラです。一応言っておきたいのが、10万円を切ってこのスペックは凄いという事です!なにせ、1ヶ月1万円と考えたら、1年で償却できるのですから・・・。

 
 
第四部 山田久美夫のフォトキナ事前情報
電塾運営委員;山田 久美夫
 
 

サブタイトル

「女だらけの水泳大会」の次にポロリが楽しみな山田先生のお話。
フォトキナは2年に1回ドイツのケルンと云うところで開催される世界で一番大きな写真器材のイベントです(9月26日〜10月1日まで開催)さて、今回のフォトキナはナント・・・あ〜やっぱりこれは、参加者だけの秘密ということで・・・。山田先生はもちろん、他に電塾から2名現地入りするとの事なので、来月のセミナーまでのお楽しみという事で、これにて・・・。

 
 
午前の部 「やさしい電塾」
デジタルフォト入門講座2006年版第七回
電塾運営委員 阿部 充夫
 
 

フォトショップ救済講座第2回

必要なファイルが行方不明になったり、フォトショップを使っていて「何かのショートカット」ボタンを押してしまっているらしく「思い通りに作業が進められない!」などと、正に「迷子」になってしまう経験がおありの方がいるのではないでしょうか。いったいその時、どこが迷子の原因になっているのか!そして迷子にならないようにするには!?今回はそんな話を、阿部先生と途中から永嶋先生の豪華キャストでご講義いただきました。

「別名で保存をする」の癖をつけましょう
バッチ処理で後から統合作業をするからと、レイヤーを重ねたPSDやTIFFをついついコマンド+S(セーブ)しますよね?!でも、いつもの流れとは違った作業をしている時、オリジナルを統合後「コマンド+S」しかもそれを閉じてしまい、履歴で戻れな〜いなんてことにならないように「別名で保存しましょ」というお話。因みに早川塾長は上書き保存と別名保存のショートカットキーを入れ替えているそうです。阿部先生の場合、例えばWEBデータを生成する場合など、開いたファイルを複製してから処理し「別名で保存する」そうです。
Bridgeのお気に入りフォルダと連携した、Adobeダイアログで保存しよう
アドビダイアログ???結構知らない方、少なくないのではないでしょうか。私もそうでしたが知らない方は、OSダイアログを使っています。CS2から保存する時に使用できる機能で、「Adobeダイアログを使用」をクリックする事で切り替えることができます。Bridgeのお気に入りに追加したフォルダが反映されたり、アイコンの表示方法を変えられたり、保存先のフォルダの中に削除したいデータがあればその場で削除可能であったりと、私なんかは慣れてしまえばこっちの方が好きかもしれません。もちろん、OSダイアログでも似たようなことはできますが、できない機能もあります。どっちのダイアログを使うにせよ、Bridgeのお気に入りやウインドウのお気に入りはそれぞれ追加と削除が容易なので、近々の作業フォルダなどをどんどん追加してしまうのも、迷子にならなくて済みます。
ファイルの階層は3つぐらいまでにしよう&名前の付け方は、半角英数8文字までにしよう

あまりフォルダの階層を深くしない方が良いそうです。winの場合は256文字まで使えるが、頭のフォルダーネームから全部使ったファイルネームが長ければ長い程、それも含めて文字数の制限にかかってくるそうです。macの場合は一個のファイルごとにできるが、winとの互換を考えると、できればフォルダの階層は3つぐらいまでにして、そして名前も長くしない事だそうです。名前の付け方はOS9時代まで「英文字だと36文字、漢字だと15文字まで使えますよ」ということを考えて、さらに文字数を多く使えるOS10でも、OSごとの互換も考えて文字数を長くしない方が良いそうです。これらを考えて「英文の16文字までが限界ですね」と言いたいところですが、winの事も考えて8文字プラス拡張子にするのが良いとの事でした。なぜかと言うと、winの場合ファイル名をコピーすると「コピー〜」と文字が増える為だそうです。特に、mac からwinにデータをメールで送る時は英文8文字までにした方が確実だそうです。また付けてはいけない文字があるので注意しましょう→(¥ ・ / ; : * ? ” < > ー 半角スペース)。「ー」ハイフンはUNIX系には認識するが他のOSであると認識しない場合があるなどと、OSやバージョンが違うだけで認識しない事が多々あるので確実な名前を付けましょうとのことでした。
ブラシの行方不明
ブラシツールだけではないが「左手小指の根元辺りで誤ってcapslockを押してしまい、ポインターが行方不明になる」な〜んていう迷子の話。先ず行方不明になった場合は、capslockがON状態になっていないか確認する事。永嶋先生曰く、スペースキーを押して「手のひらマーク」に変わる事で、ポインターの場所を確認できたりする時もあるが、誰しも「この辺にあるはず」と思い込んでしまったり、特に二画面や大画面などの時にはスペースキー(手のひらマーク)で見つける事は困難との事です。気をつけましょう。
選択範囲でも迷子
例えば「全体に調整レイヤーをかけたいのに、どうも全体に適応されていない。よくよく確認して見てみたらやってもいない選択範囲が適応されていた!」な〜ていう迷子の話。選択範囲が広ければ分かりやすいが、範囲が狭ければ狭い程、迷宮入り・・・。そんな時の解消方法として、ショートカットキーの「Q」。1ピクセルでも選択されていれば「クイックマスクモードで編集」ボタンを押した状態になることで確認できます。ご存知でしょうが、選択範囲が指定されていない時は「クイックマスクモードで編集」ボタンを押した状態になるだけなので、見た目は変わりません。合わせて、気をつけましょう。
移動ツールで迷子
これは私も帰宅後確認してみましたが、なるほどでした。これは迷子というよりも機能としてお話します。例えば合成処理などで、ある特定のレイヤー(aレイヤーとします)に対して生成した調整レイヤーがあるとします。通常、aレイヤーだけを移動したい場合、その上にかかっている調整レイヤーをOFF状態にしないと、その調整レイヤーが移動してしまいます。しかし、その調整レイヤーがONの状態でも、aレイヤーをアクティブにし、コマンドを押しながらドラックすればaレイヤーを移動することができます(因に私は十字キーでトロトロ作業していました)。おそらく、高層ビルのようなレイヤーを積み上げている永嶋先生ならではの迷子ではないかと、少々憧れさえ感じる移動ツール迷子話でした。気をつけましょう。
10キーの恐ろしさ
これは、PowerBookでは起きにくい事ですが、キーボードを使用している場合の注意。これも、逆に機能としてお話します。レイヤーはもちろん、不透明度を決められる各ツールは、不透明度の量を10キーで変えられます(知らない方は各自やってみてください)。迷子の角度から話をすると、例えば重ねたいレイヤーがアクティブ状態の時に誤って10キーのどれかを押してしまい、「統合後、合成したレイヤーがなんだか透けて見える!?」な〜てことにならないように、手の大きい方は特に気をつけましょう。
上記の他に、ディフォルトのショートカットが意地悪する迷子の話
ブラシツールで(shift)+(+)で、モードが順番に変化してゆきます『因に、(shift)+(各モードのショートカット)もありますが、(+)の方が覚えやすいです』これも、可能性としては誤って押してしまい、迷子になるので気をつけましょう。
(option)+([)or(])で、アクティブになるレイヤーが変わります。これも誤って押してしまう事を考えて、気をつけましょう。
最後に質問から・・・
同じデータを複数プリントしたい時、希望枚数が入力できない!!!実はこれでお悩みの方、結構多くありません?方法はただ単にメニューバーをドラックしてちょっと動かせば枚数を入力できるそうです。どうやらこれは、OS 10のバグとのことです。
 
 
今月の二枚
 
 

カンパ〜イ・・・から数分で、ノートパソコンを囲んでお勉強!

文: 菊池 斉