電塾 2005年4月定例勉強会レポート
 
 
「業界初の試み、PIE2005は成功だったのか?」
 
 
第一部 自己紹介&自己主張の時間 参加者全員
 
 

今回は鹿野Web部会長に代わって勉強会レポートを担当いたします湯浅です。電塾ウェブでは「tatsphoto」というハンドルネームで書き込んでおります。今後ともよろしくお願いいたします。
 4月の勉強会ですが、前回の勉強会が盛りだくさんだったという反省点から、少数精鋭の勉強会となりました。
第2部はアドテック株式会社岡田さんによる「そこが知りたい!コンパクトフラッシュの寿命は?」、第3部はエックスライト株式会社富川さんによる「X-Rite Pulse ColorEliteとプロファイル作成のコツ」、そして第4部は電塾運営委員による「業界初の試み、PIE2005は成功だったのか?」という構成でした。

 さて、恒例の自己紹介ですが、今回は電源のアースによるトラブルの報告が続きました。皮切りは電画の阿部さん。パソコンを使うのならアース付きの電源を使うこと、漏電ブレーカーが悪さをすることがあると言うお話に続き、アークスタジオ柳川さんからはMacとデジタルカメラ直結撮影の時にデータが転送されないトラブルがあり、シンクロを付けるとダメという症状で、ストロボ電源のアースを疑ったところ、解決されたとのこと。もちろん、自社のスタジオではストロボ電源は100%アースを取ることでノントラブルだそうです。
 アースに関しては更に塾長から補足があり、日本は片側接地なのでアースを取らなくても大丈夫なことが多いが、まれにそれが接地してないことがあり、その時は要注意が必要とのこと。自社スタが有るところは良いがロケでスポンサーの工場などで撮る時は気を付けたいです。

 また、アドテック岡田さんより、PowerBookG4のメモリー不具合が多発しているとのこと。たとえばPowerBooG4に付いていた純正メモリーを他のPowerBook、iBookなどに入れたところ、純正なのに動かないことがあるそうです。原因は未だ不明とのことで究明次第、また勉強会でご報告して頂けるそうです。

 そのあと、仕事の失敗談など、いつものように場が盛り上がるお話をいただけて、予定の1時間が経ってしまいました。
 僕などはこの自己紹介が毎回楽しみで、本日のようなトラブルの解決したお話を聞けると、すでに来た甲斐はあったと言うくらい有意義な自己紹介でした。

 
 
第二部 「そこが知りたい!コンパクトフラッシュの寿命は?」
アドテック株式会社 岡田宏昭 氏
 
 

サブタイトル

まず、memory cardの種類から説明がありました。大きくは「コンパクトフラッシュ」「SDカード「「マルチメディアカード」の3種類があり、「SDカード」は著作権保護機能が最初から付加されている構造になっているそうです。
 memory cardの仕組みとしては、大きく分けて「 制御コントローラー」と「メモリー部分」で構成されているそうです。
機能と性能はこのうちの「制御コントローラー」で決まり、各社、この部分は特許を取るなど秘中の秘になっているそうです。同じ内部メモリーを使いながらmemory cardメーカーによってその性能が違うのは「制御コントローラー」の出来いかんということです。
 データを記憶する仕組みですが、メモリーセルの酸化膜を通してデータの書き込み、消去という事をやっているため、酸化膜の劣化により、最悪データ破壊と言うことがフラッシュメモリーの特性上、避けられないということ。つまり、これがメモリーカードの「寿命」と言うことになります。メーカーの保証回数は10万回(セルへの書き込み、消去の回数)と言うことだが、これは最低の保障回数なので、実際にはもっとあると言うことです。
 また、CFカードはATA規格でハードディスクと同様に使えるので、耐環境性に強いということ。アドテックはTDK製の制御コントローラーを使っているそうで、その搭載機能としては、書き込みブロック分散化機能(一部のセルのみ使い続けると劣化が速いので全ブロック均一に使う機能)オートリカバリ機能(計時劣化や不安定なブロックを検出した時、そのセルを使わないようにする機能)などが入っています。

 メモリーカードのラインナップで「倍速表示」というのがありますが、CDROMドライブの速度を目安にしていて(倍速1倍速=150KB/sec)アドテックの製品の場合、他社製品よりやや遅めの表示なのですがデータの信頼性を優先した設計になっているそうです。
 使用時の注意事項としては、アクセス中は抜き差ししない(当たり前だがあわてているとやってしまうことがありますね)、もしデータを間違って消去した時はデータまだカード内にあるのであわてずにレスキューサービスに相談すること。決して深追いしない。そして、当然ながらバックアップが基本だということです。また、メモリーカードのメーカーではすべてのカメラで動作保証をしているわけではないので事前にチェックをすることなどが伝えられました。

 質問タイムになってだが、寿命などの質問が相次ぎました。一つ言えるのは、いつトラブルが起きるのか?車の事故と同じで、いつ起こるか分からないと言うこと。その予防策として少しでも信頼性の高いメモリーカードを使うことが良いのですが、その選択基準としては、、、CFはコントローラーがすべてと言っても過言ではない商品なので、メーカーの指名買いが良いのではないか?ということです。アドテックは信頼性の高いTDKの制御コントローラーを使っていると言うことで、カード全体の信頼性向上になっているそうです

 
 
第三部 「X-Rite Pulse ColorEliteとプロファイル作成のコツ」
エックスライト株式会社 富川丈司氏
 
 

第2部では富川氏が新しいX-Rite Pulse ColorEliteの紹介と実機によるデモを行いました。
 ソフトはモナコ、ハードはエックスライトによるものです。今までよりも高度なプリンタープロファイルを作成するために今回X-Rite Pulse ColorEliteと言うシステムを発売しました。
 特徴としてはハードの内部にメモリーと電源を内蔵していて、コンピューターなしで計測が出来るようになっています。UVカットフィルターのあるモデルと無いモデルの2種類が発売されていますが、使い分けとしてはインクジェットのプリンター用紙など蛍光材が入った紙を計る場合、UVカットフィルターのあるモデルを使った方が良いかもしれないと言うことです。

ソフトウェアはプロファイル作成とギャマット表示が出来るものの2個からなっています。ハードウェアはパスファインダーと言う名前の計測ガイドのボードと本体からなっていて、オフラインで測定できることもあってガイドに沿って計測がしやすくなっています。モニター用の計測器はXR2のデザイン変更で中身は同じ物と言うことです。個人的にモニターキャリブレーションツールではモナコのXR2を使っていることもあって、この部分が変わらなかったことはありがたい事でした。。
ちなみに、パスファインダーと本体が入るバックは別売りだそうです。

 さて、実際の計測ですが、ウィザード形式でその通りに進めていくだけなので、初心者でも簡単だと思われます。また、コードが付いていないので非常に動かしやすい。アイワンでプロファイルを作ったことのある人ならお分かりでしょうが、かなりコードが邪魔になります。コードがないと言うことだけでも十分アドバンテージになるでしょう。出力プロファイルを計るのはA4パッチ(300色以上)で5分くらいで出来ます。計測もある程度速度は自由で向きも双方向のトレースに対応しています。1000色以上のパッチも用意されていてそれを使うことで更に高精度なプロファイルも作れますが、実際の使用上では300色のパッチで十分ではないか?と言うお話でした。

 入力プロファイルはマクベスのカラーチェッカーを撮影してそれを読み込み、プロファイル作成できます。 プロファイルの作成はICCバージョン4に対応しているので環境光を選択できます。ギャマットワークスというソフトで、作成したプロファイルのギャマット表示を立体的に表現して、プリンターでどのあたりの色が表現できないのか?視覚的に理解できるがあります。8色インクまでのプリンターに対応しています。 アクセサリーキットに同梱されている「 カラーショップX」ではプロファイルの中身を見ることが出来るほか、スポットカラーを計り分光値からLab値の表示が可能になります。

 なかなか盛りだくさんなシステムだが、それでもライバル他社製品よりもお値頃という点が最大のウリでしょう。

 質問タイムでは、入力プロファイルの使い方でデジタル一眼レフ系のカメラでの運用はむずかしいとのこと。扱い、運用には注意が必要だし、使う上では自己責任でと言うのが基本です。また、モニタープロファイル作成時の注意としては、CRTは発光体なので経年変化などで明るさが落ちていても、人間の目には意外に明るく感じられるそうです。CRTとLCDの種類の違うモニター2つの見た目を揃えるのは難しく、結局は目視でやるしかないとのことでした。

 
 
第四部 「業界初の試み、PIE2005は成功だったのか?」
参加者全員による座談会
 
 

 先月に行われた「フォトイメージングエキスポ2005」についての座談会になりました。電塾の運営委員でも多くの人がこのPIE2005に講師などとして参加いたしました。今回、昨年までの各写真関係のショーを一つにまとめて開催というエポックメイキングな開催となりましたが、果たしてPIE2005は成功だったのか?を電塾として話し合おうという企画です。

 主催者発表では4日間で10万5755人ということです。ただこれは入場パスの登録者人数のカウントなので実質延べに直すと15万人位になるのではないかと思われます。 フォトキナでも15万人の入場者数という事もあり、世界的に見てもフォトキナに並ぶ写真関連のショーとして育っていく可能性があります。


 会場では 、アマチュア向けの1Fはひどい混雑、プロ向けの4Fは閑散としていたという意見もあり、プロ、アマチュア混在、ターゲット、コンセプトが明確でないなどの疑問提起から、今回の座談会を開催いたしました。

以下、ショーに参加されていた各運営委員、メーカー、ショップからの意見です。

 「 コンパニオンが多くて良かった。」
 「コンセプトが固まっていなかった。IPPFが割を食った感じを受けた。時期的に良くない。」


 「各写真団体のショーを統一する開催は夢だった。フォトキナを超えるショーになってくれればいい。写真文化を高めるショーになってくれればいいという気持ちがある。 フォトキナはバイヤー対象と明快だが、このショーはどうなのか?海外のショー(PMA)の直後という事もあり、新製品発表などがない中身がないショーだった。時期的に例年フォトエキスポがこの時期だったこともあるが、卒業シーズンとぶつかり営業写真業界の人が来れなかった。今後の課題としては各業界をまとめるコーディネーターが必要ではないか?」

「各メーカーでもターゲット、コンセプトが不明。ブースの配列が良くない。」
 「プロへのプレゼンテーションが足りない。」
 「来場者が多いのは良かった 1Fの客を4Fに上げるのはむずかしかった その現場でしか得られないニュースが必要だったと思う。」
 「カメコしか来てないのはつまらない。出展メーカーとしてもタイムスケジュール的にむずかしい時期だった。この時期はショーが多いので最後のPIEが割を食ってしまった形。」

「コンパニオンを追いかけるカメコもメーカーから見れば大事なお客である。高い機材を売っておいてそのままと言うよりも写真を撮りたいという欲求を満たすようなショーも必要」
 「写真文化全体を高めて行くようなイベントを。」
 「期間を5日間にして、バイヤー用で2日間 一般ユーザー用で3日間と分けたらどうか?」

この件については電塾BBSでディスカッションと言う意見も出ましたが、立場上言いにくいというご意見もあると思われるので、電塾フロントページよりご意見募集という形を取りました。一定期間、広く意見を募集してそれを電塾から各方面に働きかける資料として活用されます。
 また、電塾のブースを出そうと言う意見もあり、来年以降、更にすばらしいショーとして育っていくことを電塾としても願っています。

 
 
今月の一枚
 
 

キヤノン金原さんがお持ちになった同社のRAW現像ソフトDPPのガイドブック。金原さんは腰を悪くされているそうだが、それを押して段ボール箱で持ち込まれた。25冊というのは金原さんの「限界」だったそうだ。そんな各自の「ご厚意」で成り立っているのが電塾かな。


文: 湯浅 立志