2004年 電塾7月のレポート
 
 
第一部 2000万画素超デジタルカメラバックの紹介・午前の部
 
 

スタジオエビスさんのご好意で、一番広い1スタを借り切っての7月の電塾は2000万画素超のデジタルカメラバック大集合となった。さすがにこれだけの画素数を誇るデジタルカメラが並ぶと実に壮観。1スタが重さできしむようだ?。今回は自己紹介をしているよりもさっさとカメラバッグを見ていただこうと、自己紹介を飛ばして塾長の挨拶後、いきなりカメラバックの紹介に突入した。


日本シーベルヘグナー株式会社
SinarBack54M

もちろん噂のジナーバック54M、なんとお値段198万円(本体価格)という驚異的なお安いデジタルメラバックから登場です。1画素あたり900円というお値段。しかもこれが定評のあるSinarBacKというからこたえられません。この値段でシングルとマルチショットの切り替えは期待できないが、シングルショットだけでもかなりのもの。これまた定評のあるソフトウエアーCaptureShop5はベータ版ながらさらに柔軟になり使いやすくなったようです。ハードディスクに書き込みながら、次の撮影に移れるようになったのも使いやすさを大いに助けています。また、近々Photoshop CSにも対応するようです。アクションモジュールやジナーmをセットする事で超簡単ロケセットを組み上げる事も可能です。もっとも本体以外のアダプターなどは相変わらずかなりのお値段がするようです。

コニカミノルタ株式会社
PhaseOne H25、P25

すでに発売されているH25はもちろんですが、最新鋭機P25・20が遅れて到着、早速拝見させていただく事になりました。メディアやバッテリー、300MBのバッファ、小型ディスプレイを装備した特にモバイルを意識したデジタルカメラバックです。当初の予定より遅れてしまったようですが、7月にはマミヤ645モデルを出荷できそうだとの事でした。また、RAWデータのロスレス圧縮も行い、2200万画素のデータを25MBにまで圧縮する事が出来、また1100万画素のモードでの取り込みも可能になるそうです。H25で拾得したRAWデータもキャプチャーワン3.5を使用して圧縮可能です。ソフトとハードはいつも追いかけっこしながら進化するものですね。P25が440万円、P20が300万円となるそうです。実は明日(7月6日)スタジオエビスさんで午後1時からPシリーズの発表会だそうです。

株式会社テイク
イマコンエクスプレス132C

カメラバックタイプとしては後発ながら健闘しているイマコンエクスプレスです。カスタムホワイトバランスを拾得できるようになった事がもっとも嬉しいことでしょうか?。ライブプレビューが可能であることと、色むらの少なさが売りだそうです。またプレビュー画像を単独で撮り出せ、それによるコンタクトシート出力などが可能です。ハードなロケでは威力を発揮しそうですね。もちろん温コードの状態での実力も問題ありません。一番の売りは対応するカメラボディがもっとも多くて容易だという事です。
今なら(7/15〜9/30)ハッセルブラッドH1の標準セット(H1body+HV90x+H1アダプターキット)とセットで420万円だそうです。

クレオジャパン株式会社
LeafValeo 22Wi

カメラバックタイプデジタルカメラの老舗、リーフ社はワイアレスで攻めてきました。本体とDP-67(コントロールモジュール)の接続がブルートース対応になり、ワイアレスでシャッターを切ったり、プレビューを確認する事が出来るようになったのです。次はワイアレスでライブプレビューが出来るようになるのでしょうか?(もっとも現状のブルーツースでは限界があるでしょうけれど)またカメラ本体内部に512MBのバッファメモリを内蔵しています。フルデータの画像記録レートがもっとも早い(一コマ0.8から1.2秒)のが売り。もちろんマシンに直結してライブプレビューも可能です。スピードにかけるのならこの一台といえるでしょう。22Wi単体で398万円、ライブプレビューモジュール付きで420万円です。

市川ソフトラボラトリー
SILKYPIX

エプソンのカラリオプリンタにバンドルされているディジーシリーズを作っている会社。いまのところ知名度は低いが、画像処理に関しては日本において黎明期から携わっているという経歴を持っています。特に高彩度境界に置ける色分離、高周波から低周波までの空間周波数にまんべんなく対応する事で、より解像感の高い画像を生み出す事が出来るとしています。もともと分解能を上げると偽色ガ発生し、偽色を押さえると分解能が下がるというシーソーのような特徴を持っているデジタルデータに対して高いレベルでこれを両立させる事が出来るというのはおどろきです。食わず嫌いはしないでさっそくダウンロードして見ましたが、残念ながらいまのところWindows版のみです。http://www.silkypix.com/ 記憶色や肌色仕上げの部分は今後の展開に期待するとして、シャープネスに関してはとてもよい作りをしていると思いました。7月末にはもっとも廉価版のコンスーマー用ソフトが1万円前後で発売されるという事です。

 
 
第二部 2000万画素超デジタルカメラバックの紹介・午後の部
 
 

富士写真フィルム
FUJIFILM DBP for GX680

ご存知国産唯一の2000万画素オーバー機、富士写真フィルムのDBPです。今回は純製品ではないもののNEXUS社製の外部バッテリーに専用のケーブルを紹介していました。山田氏はこれを持ちだし、横浜港、渋谷の定点観測を行ってきたそうですが、これを三脚に乗っけて撮影するのはなかなかあやしいものです。しかし今まで「ヒモ」、あるいは「ロープ」だと思ってたものが拡大すると実は「チェーン」だッた、という事がわかってびっくりです。これらのデジカメはA1程度の大きさではまだ足りないのだという事を思い知らせれました。また、このクラスで唯一ローパスフィルターを装備しているという事も特筆ものです。和服のポートレート撮影にはかかせませんね。DBPもハイパーユーテリティの改良でRAW圧縮を装備したようです。
定価は税込みで249万4千円。

Epson PX6000 ,7000,イー・アイ・エフ・株式会社ベストカラー

今回お隣の部屋でラージフォーマットのプリントアウトを一手に引き受けてくださいましたエプソンさん、ありがとうございました。大きく延ばした時にその威力が良く解るものです。PX6000は私も使ってますが実に頼もしいプリンタです。シンボリックコントロールの伊藤氏も会場まで足を運び、ほとんどのデジカメ(もちろん、2000万画素超のデジカメにも)に対応できる準備がととのいつつあるとの古都で、これも楽しみです。また、EFI(クオークエクスプレスを使用していた方でしたらご存知でしょう。この会社も古くからカラーマネージメント業界で第一線を走っている会社です。)のカメラマン用ソフトウエアーリップであるベストフォトエディションもリップにしてはカメラマンが手を出せるようなお値段で発表されていました。ビビッドな色彩の変換結果についてはかなりの精度を持ち、Photoshop のCMYK変換に比較して CMYK上でもかなりの彩度を保つようです。サーバーとして動くのでクライアント機を早く開放する事も可能で、おまけにCMYK変換した画像データをそのまま吐き出す機能もついているのでこれでお値段6万五千円はお得感があります。

 
 
第三部 実写検証デモ大会
 
 

それでは今回一同にそろった2000万画素超のデジタルバックをまとめてご覧ください。これだけの種類が一堂に会するチャンスはめったに(いや、ほとんど)無いでしょう。いずれも非常に高い性能を誇ります。

第三部は自由に触り、テスト撮影し、データを持ち帰るも、エプソンさんのブースでその場で大判出力するも思うがまま、という皆さまお待ちかねの時間でした。

エプソンさんのブースには阿部氏がテストした各デジカメ1ピクセル単位の解像力比較チャートがひっそりと張り出されていた。各社の特徴がわかる人には一目瞭然!こんな恐ろしい事をしているなんて!

約2時間にわたって好き放題、触りまくれた。結構真剣に比較している方がいらっしゃったが、やはり購入を考えているのでしょう。

二次会

600万画素クラスのデジカメが400万円で並んでいた頃それは、つい4年ほど前だったように思います。やっとデジタルデータが実用的になってきた時代ですね。しかし今は画素数でその約4倍、値段は同じか半分程度になってしまったのです。この事実を目の当たりにする検証会だったのではないでしょうか?。運営委員の永嶋氏のお父君が前日に無くなるというハプニングで早川氏らはお通夜に行ってからの二次会になりました。(合掌)

 
 
今月の一枚
 
 

実は今日は朝、いつもの電塾時間だとのんびりしていたのが、ふと気になってメールを調べると、10時半スタートになっているではないか?。靴下を履くいとまもなく、サンダルに半ズボンで飛び出してきたのです。実に情けない。(おまけに中目黒まで乗り越してしまいました。うとうとしてたら急に周りが明るくなって気がついたのです。中目黒からは地下鉄じゃなくなるんですね。おかげさまで時間のロスは最小限ですみました。)今月の1枚はリーフのライブ機能を使ってピント合わせをする私。コンピューターが離れていたのでてこずってます。モデルは最近の電塾に花を添えてくれているライトアップの派遣オペレーターの卵。

写真:電画スタッフ  文: 鹿野 宏