デジタルカメラ学習塾 11月のレポート
 
 
■第一部 自己紹介と自己主張の時間
参加者全員
 
 

今月はいつもより大目に時間をとり、一人頭3〜5分は時間があたえられ、1.5時間の自己主張ということになりました。この自己紹介は皆様の最近の出来事などをじかに聞けるのが楽しい。カメラマンってディーゼルが好きなのかしら、都条例のおかげで愛車と別れたという方がいらっしゃっり、ご自分が聞きたい質問をこの場で発言する方々も増えました。

たとえば、データレスキューの有効性に関する質問、色温度の測定法、インキジェットプリンタのインキを変えた時に再キャリブレーションが必要か、などです。その他にもフィルムからdigitalに変わり、撮影料が下がったとか、デジタルは低品質と言われていることに対する不満なども問題提起されていました。全てを電塾で解決できる訳ではないが、反対に自己紹介のなかでその人なりの答えが帰ってくる場合もあり、自己紹介と言いながら、フリーセッションのような様子も帯びてきた。

 
 
■第二部 最新ソフトウエア紹介
ソフトウエアー・Too 営業本部長 椎野桂子さん
 
 

いくつかのPhotoshop向けのプラグインといつまでたってもOSXに対応しないキュムラスに変る画像データベースソフトを紹介。

pixl Smart Scale

画像拡大の際に元画像にある情報をベクトルとして一時保存し、拡大後に適用することで、かなり良好な結果を得ることが出来る高機能画像拡大プラグイン。バイキュービック法などを繰り返しかけるよりもはるかに奇麗に行くようだ。(もっとも全ての画像でうまく行く訳ではなさそうだが)これはひょっとしたら私達カメラマンには必須かも知れない。実は拡大よりも縮小の方が難しいのだが、この理屈を応用すると、けっこう期待できるかもしれない。

MaskPro3

おなじみ[切抜き]専用ツール。半透明の切抜き、マグネットツール、ピンホールを潰すバケツツール、フリンジを落とすツールなどツールは豊富なもよう。使い方を上手くすれば、かなりの効率化を求める事が出来そう。ここ一番の画像はやはり、手で切り抜くにしても大量処理には一本あってもいいかもしれない。

Intellihance Pro4

画像処理とカラー修正を行うソフト。バリエーションをそのままプリントアウト出来る機能を持っている。作業を最後にまとめるので画像劣化は一回で済むと言う利点がある。[トーンカーブ]を使いこなせないのであれば、あってもいいかもしれない。

PhotoFrame2.5

もちろんPhotoshop で出来ることだが、2000点のプリセットから好みの「額縁」を選択し、パラメーターを変えながら適用出来るプラグイン。WEBデザインや卒業アルバムなどの分野で活用されていると言うが、なるほどそれでどこでも同じような物を見かけることになるのだな、と思った。個人的にはあまり好きではないのが、使えば便利な物だろうと思う。

Portfolio6

OSX環境で使用できる唯一のアーカイブソフト。OS9.2以前はキュムラスがほとんど唯一とい行っていいくらいこの市場を独占していた。しかしキュムラスはOSXには対応せず、OSXに移行してしまった人間にとってはおおきな悩みの種だった。大量のデータを保存管理するためのソフトで、出来ることや実際の処理処理スピードなどはキュムラスとさほど変った気がしないが、いくつかのレコードをくし刺し検索できたり、ポートフォリオ エクスプレスというデータアクセスにとても便利なパレットを備えている。惜しむらくはプレビューを生成する際にICCプロファイルを読まないので正しいプレビューを作成を出来ないことだ。いずれ対応してくれることを望みたい。

発表が終わっても質問する方々が多く、椎野さんはなかなか開放してはもらえなかった。左は運営委員の松本氏が参加しているイベントのポスター。氏の写真がFMスクリーンで再現されている。

 
 
■第三部 シリーズ「技術者に学ぶ」第6回
「デジカメ画像の難しさ」--デジカメ開発よもやま話--
ラボ・アルファチャンネル代表 伊藤 哲様
 
 

以前は日本光学に勤めていらしたと言う、伊藤氏は最近のお仕事の様子からお話にはいっていかれた。
digital入力のレビュー記事を書く時に、メモリーを認識出来ない。ハードウエアーテストができない、という問題がさまざまあったそうです。また、新しいOSで、パンサーのカラーマネジメントに関するお話も少しあり、カラーシンクツールのなかにフィルタがあり、マネジメントはそこに集約されているということでした。

さて、氏はMD研究会に所属しており、デジカメ画像を作り手、またそれを利用する製版、印刷側の両方から見た一般論として以下のようなことをお話されました。

フィルムは塩化銀粒子で光を捉え、digitalはCCDフォトダイオードで光を捉える。当たり前のことだが、全ての違いはここに集約する事が出来る、とおっしゃいます。デジタルとアナログの大きな違いはほとんどここに原因が存在する訳です。

たとえば解像度に対するレスポンス。銀塩は粘り強いが徐々に落ちる。そしてdigitalであるCCDは、ある一定の所でいきなり落ちる。その訳はdigitalの場合、当然並んだ受光素子よりも小さな点は記録できないという物理的な問題であり、銀塩は粒子に大小があり、その所為で、より細かい情報を記録できることもあると言う事になります。

最新デジカメは間違いなくその弱点を克服し、性能向上しているのはまちがいありません。

そのフォーマットに使われているEXJFはデジカメ間のファイル互換規格にのっとていると言うのです。どんなアプリケーションでも開けるように、わざとありふれたフォーマットを採用し、Jpeg,TIFFの規格に逆らわないように作られているということでした。つまりEXJFはJpeg,TIFFのを包括するということを改めて知りました。DCF=EXJFと考えてもいいのですが、DCFの基本は色空間をsRGBに規程し、サムネイルサイズは160×120としています。最新のEXjF2.3は印刷用色空間(AdobiRGB)をサポートしてくるようです。

また逆に、RAWは共通のフォーマットではなありません。カメラ(メーカー)固有のスタイルで全てのCCDに捉えられた情報を[劣化なし]で残すが、専用ソフトでないと開くことが出来ません。その代わりメーカーはベストのチューニングができるわけです。また、そのRAWファイルを汎用として展開できるAdobePhotoshop RAW Camera Pluginは仕上りとして標準値をめざします。ここが二つのソフト大きな違いと言うことです。

このようなフォーマットのお話もあまり私達は聴く機会がありませんでしたので、なかなか興味深い物があります。

もう一つのお話の骨子として、デジタルカメラを作る側も、使う側も気を付けなくてはならない画像に対する注意点として、以下のいくつかの項目を上げていた。

ゴースト
偽色
ノイズ
フレア
圧縮ひずみ
輪郭強調
スミア
色飽和
色ずれ(レンズ性能)
ホワイトバランスずれ

これらはデジタルカメラを運用する際に十分注意しなくてはいけない、画像劣化の原因です。また、意外に気がつかないこととして、デジカメの圧縮はファイル容量優先だと言うことも初めて知りました。つまり、撮影可能枚数という物を明確にするためには、たとえば通常の画像はPhotoshop にたとえた場合で圧縮8で圧縮したとしても、高解像感を要求する画像の場合、それでは目標の容量にならないため、さらに圧縮5程度の圧縮を掛ける場合があると言うのです。そのためカメラから直接Jpegで書き出した場合容量は同じでも圧縮率が背景の細かさなどで、大きく変化することがあるそうです。

ノイズリダクションの効かせ具合に関しても伊藤氏から一言お話があり、物理的なローパスフィルタとともに多く用いられ、点状のノイズに効くというメディアンフィルタ−に関しても解説された。3×3を読み込み、暗さの順に検索し、中間値を採用すし、RGB各面に対して動作する。このようなノイズリダクション機能はは両刃の剣であると言う氏の見解でした。効かせすぎれば、質感を失い、効かせなければ、ノイズが残る。この“あんばい”という物がなかなかの問題なのだそうです。

AD変換、その前後、という所もお聞きしたかったのですが、本日は残念ながら、このあたりで御開となりました。聞くほうにとっては時間が短いことこの上ない事ではあります。実際に開発していた方の信念のような物にも触れることが出来た重いがします。

第三部の最後に飛び入りで山田氏、最新デジカメ情報を発信

クオリアの撮影でドイツにいってきたらしい山田氏が飛び入りで参加された。なんでもD2Hはめちゃめちゃいいらしい。細かい作りはともかく、AF、精度、シャッター、バッテリーは死ぬほどもち、千枚撮ってもまだ半分を残してしていたと言う。
シグマのSD10などは解像度、長時間露光、感度など、いずれをとっても上昇し、以前とは見違えるようによくなったと言います。

 
 
第四部:懇親会
 
 

さてさて、いつの間にか私も知らないうちに、第四部に昇格してしまった懇親会はいつもより大目のメンバーが参加していました。自己紹介の時に質問した答えを、ここで得ようとしている片方もいて、いつになくにぎやかしい懇親会だったように思います。

今年の勉強会はほとんどのスケジュールを消化し、残すは12月の大勉強会のみとなりました。デジタルカメラの普及促進、という大テーマはすでに遂行され、デジタル画像の普及促進も今年は大きく前進しているようです。さて、来年は何がテーマになっていくのでしょうか??

写真:電画スタッフ  文: 鹿野 宏