デジタルカメラ学習塾10月のレポート
 
 
■第一部 自己紹介と自己主張の時間
参加者全員
 
 

 本日は盛りだくさんの内容のため、皆早口、控えめ、短めの挨拶でした。なぜなら、後の出し物に期待しているからでしょう。もちろん、久々に大型デジタルカメラをじっくりと見ることが出来るからです。初参加の方や久しぶりの参加が結構目立ったようです。また医療現場の方も参加しておられました。写真は挨拶する早川塾長と山田氏がこっそり持ってきていたパナソニック。

 
 
■第二部
 
 

困った時のお助けソフト「ピンボケ・手ぶれレスキュー」

株式会社リアライズの上林さん本人によるデモ。

山田さんが前回紹介していただいたソフトの開発者による解説が最初のメニューでした。名前は「ピンボケ・手ぶれレスキュー」となっていますが、私達にとってはさまざまなパラメーターを持ったシャープネスソフトと言う気がします。このソフトはシャープネス関係に特化した特徴的なフィルターを4つ揃えています。

ピンボケ補正フィルターである「フォーカスエイド」これには二つのパラメーターを持ち、いざと言う時に多いに役立ってくれそうです。

直線的手ぶれ補正フィルターはぶれた方向に応じた修復をしてくれます。直線、円形、移動量などに対応し、手ぶれの50%は救われるような気がします。ISレンズとミノルタさんの手ぶれ補正CCDなどと組み合わせると、とんでもないことが起こりそう!。でも全部を一気に合わせるとどうなるんだろう??。

手ぶれ軌跡補正フィルター夜景の点光源などに起こった軌跡を補正する画像内の 軌跡をピクセルにより自動解析します。夜空を撮影する方々にとっては持って来いのフィルターでしょう。

アンシャープマスクフィルターにはPhotoshop 以上の細かいパラメーターがあり、これを使いこなすには少々時間がかかるかもしれません。でもそのパラメーターが意味する所が分かれば、結構あっという間のような気がします。

クリアエッジフィルターは輪郭の縁を立てるフィルターで他のフィルターと合わせて効果を高める用途に使えそうです。輪郭を強調はしますが、通常のアンシャープマスクよりは上品な?エッジ強調をすようです。エッジの縁のシャープネス強調フィルターと考えて良いでしょう。印刷以外の目的を持っている時、さまざまな質感を再現するために役立つ昨日だと思います。

トリミング機能に通常では考えられなかった機能が用意されています。ななめにトリミングしたものを回転させて成立させると言う機能です。おまけに切り取られた場所を同じような色彩で保管する機能持つ生かされています。

上の写真はレンズによる画像劣化について解説をする金田氏を撮影した時に見事に手ぶれを起こしたもので、眼鏡の“つる”の部分やマイクの金属部分などに効果がはっきりと確認できます。

汎用RAW現像・出力ソフト「PictureLab」

シンボリックコントロール伊藤さんAdobePhotoshop RAW Camera Pluginに次ぐ汎用RAWデータ解析ソフトが登場しました。数種類のメーカー、あるいはカメラの色調統一が出来る事が最大のメリットですが、 ICC プロファイルを参照しながら出力まで持ち込むことがこのアプリケーションの目玉と言えます。そのプリントアウト機能は、カラーマネジメント機能が強化され、RGB、CMYKをプロファイルによりシュミレーション、あるいはベタ焼きを作成する機能も持っています。使い方によってはプルーフのあり方を変えるかもしれません。
また、最新機種のデジタルカメラに対応するためにプラグイン化による新機種に対する対応の簡便さ、も用意されています
スライドビューアー機能による画像比較はPhase One社のものの特徴ににており、重宝しそうです。ルーペ機能により細かい部分のチェックも可能になっており、また3種類の選択マークをつけられることでセレクト作業の効率化も期待できます。
仮現像(と言う言い方をしているが、実際に現像した訳では無く、シミュレーション)の結果を画像編集ツールにより、部分的とは言え、即座に確認出来るのは素晴らしい機能だと言えるでしょう。
ホワイトバランスはケルビンt値、ミレッド値の二つで調整できます。また、なかなかすぐれ物のモノクロ変換機能も搭載しており、モノクロ派にはこたえられ無いかも知れません。カラーコレクション機能と言うPhotoshop の[色相・彩度]と[特定色域の選択]を掛け合わせたような機能もあり、色転びするような洋服などにはありがたい機能も搭載されている。何といっても特徴的なのは出力コントローラーでしょう。カラーマネージメントの動きをそのまま図式化したような洋式図はカラマネの理解にも役立ちそうです。
その他、バッチ処理はColor Ginius DC ある意味でのAdobePhotoshop RAW Camera Pluginと同じようなホットフォルダ形式になっており、大量処理に対応しています。一言で説明しきれないソフトですが、そのキャプチャー画面を紹介いたします。
発売は未定ですが¥39800前後の値段が予定されているようです。

 
 
■第三部
 
 

信頼のデータ管理、レイドHDの紹介

ヤノ電器さんは電塾に参加以来ずっと自社製品の紹介を後回しにしていただいていたのですが、今回ついに自社製品、もっとも得意とするRAIDされたFireWireハードディスクのご紹介です。
最初はFireWireとUSB2.0の実測値の比較から始まり、現時点ではスピードに関してはFireWire800がベストと言うことです。ハードディスクの欠点、永久保存などの検証を経て、作業中のデータの安全な保存、保存に関して最適なシステムの紹介となります。それはF-RAIDと呼ばれる商品群で、RAID5とRAID1の二つのシステムになります。ちなみに
RAID5の信頼性と高速性を兼ねるモデルにFR5-400A ¥278000 FR5-240A ¥17800
RAID1の信頼性に特化したモデル(ミラーリングしており2台のハードディスクに全く同じデータを書き込むタイプ)はFR1-120A ¥99800とちょっと前の1/3の値段で発売されたと言う訳です。似たようなスペックのものは多くありますが、信頼性では結構断トツではないでしょうか?。
私としてはNAS(ネットワークに直接接続できるサーバー。つまり簡単に言うとサーバーをつかさどるコンピュータとハードディスクが一体化されたようなもの)の750GタイプでNR-4750Zsと言う機種の方が気になりました。750GBの容量で実勢価格は¥478000だと言う。サーバマシンをわざわざ買い足すことを考えれば安い物のような気がします。もっともアップル社のXサーバーと競合するような気がします。

コストパフォーマンス最高のレイドHDサーバー N RAID

ニューテック 森田、伊藤両氏から説明がありました。東海理化販売株式会社から販売されていますが、私が使用しているヤノ電器さんのTrustyは実はニューテックさんのOEMだったと言う事を初めて知りました。と言うことはかなり信頼できると思うのです。 小じゃれたネットワーク直付サーバーと言う触れ込みで、不要部分を極力そぎ落とし、機能もミラーリングに特化したNASです。
NASディスクを使いデータの共有化、安全性のアップを図り、簡単なウィザード形式のセットアップツールで簡単4ステップ程度で共有ディスクをネットワーク上に設置できると言うことです。しかもディスクが故障した場合はユーザーが手軽に交換できる仕様です。共有ディレクトリのセキュリティ設定も簡単ですが、ファイルネームの縛りは少々ある模様です。しかし、これで¥148000と言うことは正直言って驚きです。

今もっとも実用的な液晶モニタの紹介

株式会社ナナオは三名の方々がプレゼンテーションをしてくださいました。
液晶モニターの利点とこれまでの弱点、それを克服するための方法論(特にDual-Domain ISPと言う広視野角かつ低色度変異を達成した液晶パネルの意義を強調されてました)いくつか上げて解説し、それらを達成した液晶ディスプレイがColorEdgeシリーズと言うことになるよです。
また、液晶はバックライトの輝度値が半分になったら寿命といわれ、それは通常30000時間。MAXで使ってつけっぱなしで3年半。一日12時間つけて7年と言う計算になります。下手なCRTよりもずっと長持ちですね。またデジタル出力のDVIはDA変換時に発生する“画像の差”からは逃げられるとも。
最後に液晶モニタの選び方をお話されていましたが全てに当てはまるのがColorEdgeシリーズであるのはもちろんです。ただ、ついでのように紹介されてましたが、FlexScanL567と言う機種は7万円をちょっときる値段の割にDual-Domain ISPを使用し、sRGB色域を再現し、液晶にしては色温度、ガンマ値を変更でき、しかもDVI接続が出来ると言うのです。ColorEdgeシリーズからハードキャリブレーションの機能を省いただけのディスプレイと言えるでしょう。これはかなりの買い物だと思うのですが、いかがでしょう?私もロケ用に購入することを決めました。

モニタ関係のソフトの開発をされている日高さんからそのハードキャリブレーションのソフトのバージョンアップ版の紹介が最後にありました。新機能として過去20件のデータを保存し、参照できること、目でチューニングし直し、個人の好みに合わせる機能を追加下と言うことですが、気になったのは今後i1ディスプレイでもキャリブレーション可能になると言うアナウンスでした。

 
 
■第四部
 
 

 さて、大詰めの最新デジタルカメラデモのトップバッターはLeaf Valeo22¥3880000です。

その5356×4056pixlの巨大な画像の転送スピードは早く、通常の撮影であれば、文句のないスピードです。また、カメラ下にアダプターのように取り付けるモバイルに的したポータブルセットの充実もかなりのもので、定評のあるアプリケーションも健在です。撮影セットを手直しする早川塾長のカットもご一緒に

Phase One H25は銀一特価¥3655000。

実機が間に合わなかったため、ソフトウエアーのみの紹介となりましたが、定評のあるキャプチャーoneはバージョンが上がり、ますます使いやすくなったようです。

imacon iXpress96は比較的お安めの289万円です。

オフプラグドでも、マシン直結でも、またワンショットもマルチショットも撮影出来る1600万画素のデジタルカメラ。ベルトにつける形式のハードディスクとバッテリーのセット(左の写真の右下)は結構使いやすそうです。またワンショットのみのIxpress 96も90万円程度で上位のマルチショットタイプにアップグレード可能です。

トリを務めたのがSinar Back54¥4980000。値段の差なんでしょうか?

すでに発売されて久しいモデルですが、現時点でも最高峰でしょう。Sinar CaptureShopにはカラーアルケミストという指定したグレイを強制的にバランスする機能が追加されています。メガビジョン社のソフトに付いていたものと同じような機能ですが、そのバランスが可変であることがなかなか憎いと思います。デフォルトではonですが、効きは弱めに設定されているようです。

 
 
本日の感想
 
 

久しぶりにハイエンドのハイエンドタルカメラを見ると最近35mmタイプしか使用していない私は何だか取り残されているような気がしました。やっぱりマルチショット機が欲しいかもしれません。ちなみにペンタックスさんとミノルタさんがひっそりと自社の新製品を持ってきておいででした。ディマージュA1の手ぶれ補正が気になっていましたのでちょっと拝借してテストしました。

10分の1秒で撮影しましたが、結構見事なものです。やはり私はこのクラスが好きなのかもしれません。

写真:電画スタッフ  文: 鹿野 宏