■これまでの履歴■

<第4回定例セミナー> 2007.8.25ー26

 
8月25日
鹿野 宏 氏(電塾本部運営委員)による
『Adobe Photoshop Lightroom徹底解説』
『Adobe Photoshop徹底チューニング』
『Adobe Photoshop CS3解説』
   
 
レポート  阿部 和史

東北の各県で電塾を!のかけ声の下東北電塾第4回は岩手での開催となった。内容は基本といったことで鹿野講師からはアドビライトルームフォトショップが快適に扱える方法などアドビCS3でのカメラマンに有益な新機能などが話された。

フォトショップはもはやスチールカメラマンのツールとしては使わない多くの機能を持つまでとなった。
CS3においては動画をメインとしたものとなって実際カメラマンが使わない機能が多い。そこでかねてから要望があったスチールカメラマンが行なう最低限の機能を持ちさらに補正しすぎないというテクニックのノウハウを持った現像と現像時の色補正をメインとしたのがこのフォトショップライトルームである。
素早く使うための第一歩としてヘルプから開くことができるショートカット一覧を参考にこれを覚えることで作業を素早く処理できるようになる。
またライトルームのおおきな特徴の一つとしてライブラリー機能の充実があるフォルダーを階層を保ったまま読み込んでくれる機能や各種の振り分けツールが充実していて、写真の管理にこれらを多用すれば、写真の出し入れが簡単になる。
ライブラリーソフトとしてもライトルームは優れているといえる。

仕事の中でフォトショップメインで仕事をされている方は、ぜひ試してほしいことの一つにハードディスクのプラッターの外側の部分をフォトショップの使用領域としてパーテーションを切って設定、専用使用することで、スピードとともにハードディスクへのアクセス数が多い、フォトショップのハードディスクへの負担も軽減でき、一石二鳥である。

CS3で新たに設けられた機能の一つに、画像の自動合成があるが、これはかなりのスグレモノで、多枚数の手持ちで写した写真の自動合成のを実際検証してみたがほぼわからないくらいの合成ができあがった。

会場ではデモンストレーションが行なわれ随所で感嘆の声も出た。参加した人たちは各自、自分の知らなかった部分など多くのおみやげを持って帰った。

鹿野講師、丸一日にわたる講義お疲れ様でした。
 

 

 



8月26日
郡司秀明氏(電塾本部運営委員)による
『キャリブレーションの重要性とプロファイル』
『ワークフローの構築とプロファイル』
   
レポート  岩根大輔

26日(日曜日)は予定されていた庄司氏が急病の為、電塾本部運営委員でもある郡司秀明氏に講壇に立って頂きました。

多忙の中急遽駆けつけて頂いた郡司氏の講義は「キャリブレーションの重要性とプロファイルの重要性」と題され、それは氏の自己紹介から中国は大連での近況を語るところからスタートしました。
中国において「機械は一流だが紙が・・・、CGやアニメの制作における人件費はとても安いが創造性という点においては・・・?」など色彩表現、特に印刷においての異文化エピソードを交えてのお話は印象深いものでした。

『色彩の基礎(数値管理)への第一歩』というお話では、色の相関関係を地図や地球儀に例えてxy色度図は色のメルカトル図法。(CIE xyZ表色系 xy色度図)正距方位図法はLab均等色空間。
地球儀はPCやMacのディスプレー等で見る3D風に再現された色空間。
等々、色度図と言うとぼんやりとしか思いつかない私の頭でも分かりやすくイメージ出来るよう解説して頂きました。
なかでも『CIE xyZ表色系』は只の物理的、数値的な計測の範中を超えた、人間がハートで感じる色彩の感覚までも換算して具現化された表であるというお話には遂にここまで来たかという思いになりました。
また、Labカラーを語られる上で「現工業製品のほぼ全てはLabカラーで表現される」と言われる氏の偏角情報バロメーターについて、高級ブランド品が何故、高級に見えるのかというお話は広告カメラマンとしてはとても興味深く、郡司氏の言われる『高価に見える関数』は早速、私の業界用語辞典に載せつつ明日からお客様相手に使わせて頂こうと思いました。

最後に会場からの液晶モニターについての質問には国内外のメーカーを紹介された上で、厚さ数十ミリのディスプレーの中には様々なアイディアの上に成り立つ技術が凝縮され、それらは開発される風土や文化によっても違いがある事を熱弁されました。

日々世に出されて行く新しい技術やルールに対して自分自身が誤った解釈のまま無駄な時間を過ごさない為にも勉強は欠かせないと改めて思う二日間でした。  

お忙しい中、講義をしてくださりありがとうございました。
 

 

写真 藤山武