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2012年8月定例勉強会「新商品大会」レポート

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8月4日の電塾定例勉強会へご参加ありがとうございました。暑い中にも関わらず40名もの参加でした。
運営委員の山田久美夫氏からはとても気になるコンパクトカメラ達や、ナナオさんの新型ディスプレイのお話を聞けました。
染瀬さんの「GigaPan」カメラを含めて20万円程度で10億画素のデータを作り上げるもの.これもなかなか有望な技術でした.シグマのDP2メリルや最新レンズ、ぜひ使ってみたいですね!
早速レポートをお楽しみください!

第1部「MacBook Pro Retina」と「SONY RX100」その他

説明、担当 電塾運営委員 山田 久美夫

始まりました〜。第1部は山田久美夫運営委員からの4つの新製品のお話です。
そのお話も、巷で話題の新製品ばかり。
きっと、山田氏のお話を聞くと物欲が抑えきれなくなってしまいます。
ではでは、皆様一緒に物欲に身をまかせ金欠病に感染いたしましょう。

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感染その1 Mac Book Pro Retina ディスプレイ

皆様、ご存知の様に解像度2880×1800ピクセルの高精細なディスプレイ、
なんとピクセル密度が220ppi。
本体の厚さは1.8cm Mac Book Airに匹敵しています。
そして重さは約2Kgなのです。
注意点としてはCD、DVDドライブが内蔵されておらず、外付けになってしまいました。
山田氏がおっしゃいます「15インチの画面にこの解像度、ぼっーと画面を見ていると写真が立体的に見えだします。美しいこの解像感はヤバイですよー!」 。
モニタの色域としてはsRGBの97%をカバーしており、輝度ムラや色ムラに関しても歴代のMacBookの中でも一番であり、持ち歩けるリファレンスモニタになり、性能の良いノートブックとモニタを買ったと思うと20万円前後の価格でありながら、かなりのお徳感が得られるとの事。
処理速度もノートPCとしては第一級で、重いRAWデータでも楽々動く点も魅力。
SSDやメモリーの増設は無理ですが、購入時に500GBのSSDや16GBメモリーにしておけば、さらに安心。通常モデルでも必要十分なのですが。
今のMac Book Proからの買い替えの時はぜひ!お勧めのお言葉。
そうそう、私は今までノートブックの光沢画面の反射を嫌っておりましたが、Retina ディスプレイでは画面の反射は軽減されており、会場で見る限りではあまり気にはなりませんでした。
一度,実機を確認してみてください。きっと心引かれますよ!

感染その2
ナナオがカラーマネージメントモニタ「Color Edgeシリーズ」を一新です!

今回の発表は
・ハイエンド機のCG246 カラーキャリブレーション内蔵
・ミドル機CX240 コレクションセンサー内蔵
・エントリー機のCS230 コレクションセンサー内蔵

Color Edgeシリーズで初めてのコレクションセンサーとは何ぞや!

最上位の「CG246」は従来と同じく測色対応ですが、「CX240」と「CS230」に搭載されたコレクションセンサーとは、キャリブレーションを行うセンサーでは無く、ソフトキャリブレーションで測色した値から、定期的に白色点や輝度を保持する為の自動センサーなのです。また新しい技術の凄そうなセンサーですね。今回は24型のラインナップなのですが、時期は未定ながら27型もラインナップも期待できそうです!

3つの新シリーズの特徴は次の通り。
CGシリーズ:厳密な色管理や運用を必要とするプロカメラマンやプリプレス映像制作のハイエンド機。
CXシリーズ:デザインやデジタルフォトなど正確な色を求めるミディアムクラス機
CSシリーズ:クリエイティブワークを楽しむコンシュマー向けのエントリー機

今回発表のCG.CXシリーズはAdobe RGBの色域の97%をカバー、CSシリーズはsRGBをカバー。
またCG.CXシリーズはわずか7分で輝度、色度、階調を以来の1/4の時間で安定させるとの事。
実機を体験した山田氏は「やっぱりカメラマンはCGシリーズだね。黒の締まりが断然良いですよ」とニコニコ顔でおっしゃいます。
そうそう、今回のColor Edgeシリーズからはヨドバシカメラ、ビックカメラ、ツクモの3系列で販売する様です。ポイントがきっと付いちゃう訳ですね。
ちなみに実売価格はCG246で¥159.800-前後、CX240は¥94.800-前後
CS230は未定との事。
以前はColor Edgeシリーズの最高のAdobe RGBの色域モニタが60万円位の時も有りましたね。それに比べたらお安くなりましたね。

感染その3出ました!ついにでました。キヤノン初のミラーレス一眼。

でも、発売は9月の中旬です。

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その名も「EOS M」 キャッチフレーズは「HelloミラーレスEOS」
EOS KissX6iをベースに作られたミラーレス版で新マウント採用し小型軽量化を実現して子供や女性にも優しいカメラなのです。
小型軽量化を図りながらもベース機のEOS KissX6iと同等な画質を再現でき、
センサーはAPS-Cサイズの1800万画素、ピント合わせの早い像面位相差AFと高精度のコントラストAFに対応しています。
小型軽量そして高画質、相反するものを実現させた機種なのです。
とっても面白いのがマウントアダプターの「EF-EOS M」
このアダプターを「EOS M」に装着すると、ほとんどの既存のEFレンズが使えてしまうのです。長玉に付けると結構笑えますね。

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そして、ちょっと厄介なのが4色あるボディーカラーを選ぶとき、レンズキットによりボディーカラーが決まってしまうのです。
ホワイトやレッドのボディーカラーがお好みの時は、一番お高い「EOS M ダブルレンズキット」しか選択の余地がないのです。
実売価格は税別でボディーのみで¥69.800-前後
一番お高いEOS M ダブルレンズキットで¥109.800-前後
になっております。
そうそうダブルレンズキットには「EF-EOS M」のアダプターまで同梱しているのです。

この「EOS M」、かなりコンパクトだし、アダプター経由でEFレンズも装着できるし、画質は「Kiss X6i」と同レベルなので、EOSのサブボディーとしてもなかなか魅力的。
最後発のキヤノンがブランド力でどこまで販売台数を延ばすか楽しみですね!

感染その4 ソニー発表の新製品はDSC-RX100

1インチのセンサーを積んだ約2090万画素のカメラなのです。
レンズはなんと!カールツァイス「バリオ・ゾナーT*」レンズを搭載。
焦点距離は35mm換算で28mm〜100mm
開放絞りはワイド側F1.8  テレ側F4.9
レンズ交換式のカメラでは無いのでお間違え無く!

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手に持った感じはとても小さく感じられ、手の平の上に乗ってしまうサイズなのです。しかし要注意!カメラを持った時に滑りやすく「OH MY GOD!!」
と叫びそうになってしまいます。
それを阻止すべく他社製品のラバーグリップを装着するのがオススメなのですが、「だったら最初から同梱してね」と思うのは私だけでしょうか?
頼もしい所ではUSB充電ができアンドロイド系のスマートフォンと口が一緒なのです。
これで、かさばる充電器とはおさらばなのです。
山田氏の検証結果では解像感や色再現性、そして高感度に対してもなかなか良い結果がでていると嬉しそうにお話ししておられました。
解像感はAPS一眼レフに匹敵するとか。
プロジェクターに映し出される写真は1インチのセンサーとF1.8絞りの効果でピントが浅くクセのないぼけが、まるでフルサイズセンサーの美しさに匹敵するかの様です。「DSC-RX100なかなか凄い奴ではないか!」と心の中で呟いていると、追い打ちをかける様に山田氏はおっしゃいます。
「これサブ機や常時携帯機に断然いいですよ!しかも、この性能でリーズナブル!」
またもや、この熱の入ったお言葉に金欠病が重症化してしまいます。

今回の4つの新製品いかがですか?
私はしっかり感染してしまいました。
もはや金欠病間違い無し。金欠病完全治癒を目指し一身不乱に労働しなければなりません!
皆様も山田氏の甘いお話にお気をつけ下さい!!

レポート: 北 英樹

第2部「超高解像度のパノラマ写真を撮影するGigaPan」のご紹介

説明、担当 電塾運営委員 染瀬 直人

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米航空宇宙局NASAとGoogle社、カーネーギーメロン大学が共同で開発し、GigaPan Sytems社から発売されているロボット雲台GigaPan Epicシリーズ。
(公式サイト http://gigapan.com/)
 当初、火星探査の目的でつくられたこのシステムを利用すれば、1GBピクセル=10億画素を越える超高解像度のパノラマ写真を撮影することも可能です。
そして、このようなギガピクセルパノラマなら、全体像と拡大した際の細部のディテールを共存させることができるのです。
一例として、これはロンドンのオリンピック・スタジアムのオープニングの模様が撮影された4.27ギガピクセルのパノラマです。
http://gigapan.com/gigapans/106487
スタジアムの全体像からズームしていくと競技する選手の姿、そのユニフォームのゼッケン。ウオーミングアップの様子、観客の表情、取材陣のカメラ、電光掲示板の文字などが鮮明に読み取れます。
GigaPan自体は2008年から商用化が始まっており、その後リモデルされながら現在のラインナップとなりました。
最近では日本国内でも取り扱う代理店があらわれ、iPadに対応するアプリもリリースされたことなどを受け、今回電塾勉強会で取り上げることになりました。

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ギガピクセルパノラマは数百枚から数千枚ものデジタル写真を、望遠レンズで撮影していきます。それをソフト上でステッチする訳ですが、撮影時の精度が非常に重要です。
そのためには、自動雲台(ロボット雲台)が必要になります。 自動雲台にはGigaPan以外にもPANOGEARや、Papywizard、Claussなどが存在します。
GigaPanの特徴としては、撮影に使用する雲台からステッチ、オーサリング、公式サイトへのアップロードまで、一貫したワークフローがシステム化されていることにあります。
また、雲台のラインナップもGigaPan Epic、GigaPan Epic100、GigaPan Epic Proと三種類有り、搭載出来るカメラもコンシューマー機からデジタル一眼まで非常に豊富に対応しています。

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GigaPan Epic $229

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GigaPan Epic100 $449

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GigaPan Epic Pro $895

GigaPanには雲台を購入するとGigaPan Stichというステッチソフトが同梱されています。最近になって、色調補正まで可能になったStich Efxも有料でリリースされました。 ステッチされた画像は、ソフト上でシームレスにGigaPanの公式サイトへとアップ出来ます。 それは世界中から投稿された超高解像度パノラマのショーケースです。 ここではスナップショットで注目させたいクローズアップ箇所のサムネイルをつくったり、Google Earthにパノラマを配置することが可能です。 それにしても、なぜこのような巨大なパノラマ画像の読み込みや、ズーム操作がスムーズに行えるのでしょうか?

その鍵は、マルチレゾリューションにあります。
zoomifyのようにタイル化した画像を、低解像度でプレビューしながら、分割して読み込み、解像度をアップしていく。Google Earthや360°パノラマVRに使われている技術です。
もしGigaPan Stichでうまく繋がらない時は、Autopano Giga、PTGuiなどの上級ソフトでステッチ、Photoshopで修正することも出来ます。
こちらはGigaPan EPIC PROで撮影、Autopano Gigaでステッチ、Panotour Proでオーサリングしたnippon.comというサイトに発表した白川郷のパノラマです。
http://www.nippon.com/ja/images/k00007/
ギガピクセルパノラマの使われる用途としては、遺跡等のアーカイブ、ランドスケープ、建築、アート、自然、災害の記録などがあり、芸術的要素と情報を両立させることができるデジタル写真ならではの表現として注目されています。

レポート: 染瀬直人 写真 : 鹿野宏

第3部 SIGMA 「DP2 Merrill」と最新レンズ

説明、担当 電塾運営委員 増田 雄彦 株式会社シグマ 桑山 輝明 様

20120812.jpgSIGMA DPシリーズが出るたびに、以前のDPシリーズの価格をヤフオクなどで確認してしまうクセが治りません。というのも、一度は手にしたいカメラシリーズの一つだから…。ただそれも、最新のスペックを知ってしまえば、過去の製品には手が出せません。
SD1 Merrillとまったく同じ4600万画素FoveonX3センサーを搭載。つまりこの3層式センサーが気になるわけですよ〜、ってのは他の方も同じはず!そして専用レンズへのこだわり…レンズ交換式のカメラには無い一体型ゆえのアドバンテージが、このカメラのもう一つの魅力なのではと。
常々、このコンパクトなボディの中によくぞこのセンサーを搭載したと電塾でも話題になりますが、その凄さを知るには、やはり手に入れてその「目がよろこぶ、美しい世界」とやらを、普段使っている自分のモニターで感じる必要があるのだろう。

20120813.jpgこのカメラを使用し、先月「ガレリア銀座」で写真展「根岸」を開催した増田さんが、開催中に展示したパネルをお持ちになり、興奮した面持ちでMerrillの素晴らしさを話してくれました。

これでは、全くレポートではなく、私の夏休みの感想文以下になってしまうが「手に入れなければ」きっとDPシリーズのレポートはたやすくないだろう。

ちなみに、Merrillの意味を桑山さんに聞いてみた。
>>センサーを開発し特許を取ったエンジニア、故ディック・メリルから冠したもの。技術者でありながらも、才能あふれた写真家だったそうです。

次いで紹介したのは、3年越しでNew Releaseした18-250 F3.5-6.5 DC MACRO OS HSM。重量が630gから470gになったその軽さは個人的には感じなかったが、手にして思ったのは、非常にコンパクトになった事。アルミニュームと同等の熱収縮率を持った新複合材TSCにより、高倍率ズームでありがちな延ばした時の「カクカク」するような動きがかなり減り、部品のスリム化による軽量化がはかられている。軽量化を考えるのであれば、バヨネットマウントをプラスチックにでも変えれば良いものだが「そこはシグマ」どのレンズにも真鍮製のマウントにこだわる。こだわる所はこだわり、決して金額だって安い訳ではない。日本人らしい考えと言われそうだが、安くない辺りが妥協しない設計者の思い入れを感じてしまう。
ズーム全域で最短距離撮影35mm、本格的なマクロ以外は個人的にはストレスは無いかな。4段分の手ぶれ補正に関しては、マクロの場合だと1段分ぐらいまで落ちるとの事ですのでご注意を!
それから見せたくないはずのディストーションデータなども含めて、シグマは全レンズホームページで公開しています(フィッシュアイに関しては一部データ除く)この18-250mm、18mm側も、チャート見る限りでは悪くないですよ~。
また、フレア・ゴーズトに関しては設計スタッフを今までの約3倍に増やし、レンズコーティングだけに頼らない、設計の段階から鏡筒の作り方を細かく計算し、従来製品よりもより発生しにくくしているようです。

マクロのラインナップが5本ある内の、今度の180mm(APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSM)は180mmで等倍を目指した。過去にも180mmは出荷されていた。しかしながら、その当時の技術では等倍にすると、設計上巨大なレンズになってしまう為、断念せざる終えなかった。そこで昨年末に発売された、等倍でF2.8で望遠を実現したレンズが150mmなのだ。当然というか、各社180mmは出しているので、今回この商品の発売になった。この電塾運営委員でも、180mmが発売されるのを知ってかそうでなかったかは知らないが、先日150mmを買って後悔していない事を願いたい(決して、150mmが悪いという事ではないからね)。Canonユーザーにはご存知の蛍石、それと同等のFLDガラスを贅沢に3枚使用、しかも前の方にね!
APS-Cで使いたい方向けに、フードとレンズの間に、フードアダプターなるものを付属させたが、撮影ブツによっては、これぶつかったりしないのか?!笑

冒頭、桑山さんは今年亡くなられた創業者の話をされておりましたが、シグマは設立51年目。桑山さんのお人柄もそうですが、この会社は信頼できる“メードインジャパン”を感じます。とても正直で真面目で写真を楽しむ人たちの心をくすぐる製品をこれからも楽しみにしています!

レポート: 菊池 斉 写真 : 鹿野 宏

今月の一枚

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懇親会のお料理です!