第46回九州電塾セミナーレポート

九州電塾11-05

5月21日第46回電塾セミナー、今回も九州産業大学の講義室をお借りしての電塾ですが、今日はスタジオをお借りしてのセミナーになりました。セミナー内容は優しい電塾、基礎をもう一度です。
自分に合ったカメラを選ぶ上でまずデジタルカメラをわかっていないといけません、そこで最初は販売のプロ、オーキッドの的場さんにデジタルカメラの事を話してもらいました。
フィルムの時は画素数の意味をあまり意識していませんでした、なぜかというと35mm・6x6・4x5どんなサイズのフィルムを使用しても同じ乳剤であれば銀粒子の大きさは同じです。
つまり拡大率が大きい場合、緻密な絵がいる場合はラージフォーマットを使う、この考え方で非常にすっきりしていました。
デジタルになるとフォーマットの大きさが変わっても画素数は同じであったり逆に小さいフォーマットの方が画素数が大きかったりします。
画素数が大きいほうがいいのかというと一概にそうとも言えません、このあたりの説明を具体的に的場さんがイラストを使いながら説明してくれました、そしてセンサーの方式によっても写りや鮮鋭度が変わってきます。
一般的なCMOSセンサーは実際のセンサーが回路の制約によって面積が小さくなるので集光レンズをセンサーの上に必要とします。またベイヤー配列で起こる偽色やモアレの発生を抑える為に絵をぼかすフィルター・ローパスフィルターを使用します。これはローパスつまり低周波成分は通し高周波成分は通さないといったフィルターでセンサーの集積度を超えた高周波成分はカットする、簡単に言うとぼかすという事です。
どのぐらいの画素数があればいいのか、これは一概には言えませんが大きすぎると撮影や処理にも時間がかかりますし、保存にも多くのストレージを必要とします。
A4程度の画像を考えると1000万画素あればいいのではないでしょうか。あとフォーマットの大きさでピントのあう範囲が変わってきます。これも大きければいいのではなく自分がとる被写体の内容によって変わってきます。すべてにピントが合うのがよければ小さなフォーマットの方が向いていますし、なるべく被写体をぼかしたいのであれば大きなフォーマットが向いています。このあたりの説明を的場さんにしていただきました。







次にライティングについて近藤さんが彫塑を使用して実際スタジオでライトを使い講義を行いました。今回照明にLEDの照明と蛍光灯のバンクを使用して行いました。レンブラントライト
レンブラントライトを基本に実際撮影して一つ一つ見ていきました。
レンブラントライトとは人物の顔、鼻筋にたいして45度の位置から光を当てると顔半分が明るくなり逆の顔半分の頬の辺りに三角形のハイライトが出来るこれが基本のレンブラントライトというそうです。
人物の顔の向きによって色々な表情を見せてくれます。顔の向きによりブロードレンブラント・ショートレンブラント等色々な表情が表れます。また45度の位置を上下左右に動かす事によりプロフィールループ・スプリット・バタフライの様なライティングに変化していきます。デジタルとフィルムでのライトの違いは、近藤さんはもう無いといっておられました、逆にフィルムの時には不可能だったような事が後処理を含めて考える事により、デジタルで可能になった、後は自分のスキルを磨いて自分の好きな光を作って自分の写真を制作する事が大事だと言われていました。


スプリット












次が佐口さん、デジタルの撮影についての講義です。まずCaptureOneを使用しての連結撮影の一連で気をつける事や注意点を話していただきました、今回来られた方は皆さんLightroomをメインに使用されていて、Photoshopはほとんど使わないそうです。実際仕事においても、合成などの作業がでないのであればPhotoshopの出番は少なくなったのが現状のようです。今の現像ソフトはどれも本当に進化が早く現像の過程だけで奇麗な画像を得られるようになりました。CaptureOneの次にLightroom3で加わったテザー撮影を中心に話をしていただいたのですが、時間が押してきて、ちょっと中途半端になってしまったかもしれませんが基本的な話はしていただけたのではないかと思います。
 最後に私がCameraRawでの現像をしようと思ったのですが時間がとれませんでしたので、Jpeg・RAWデータの違いと、CameraRawでJPEGを開く方法を皆さんに紹介しました、これはブリッジでJPEG画像を選択して⌘RでCameraRawでJPEG画像を開く事が出来るようになります。これの方が画像劣化が最小限に抑えられまた操作も簡単なのでお進めです。しかしLightroomやその他今の現像ソフトのほとんどはJPEG画像の編集もサポートしていますので、それをもっておられる方は必要ないかもしれませんが。ほかにWi-Fiを使用した無線によるカメラからのiPad・iPhoneへの画像転送の便利さも見ていただきました。LEDペンライト使用これはEye-Fiカードを使用して画像を送るのですが、5月からiPhone・iPad用APPが提供され、Wi-Fi環境がなくてもPtoPで画像が送れるようになりました。iPhoneでは大きくは確認できませんがiPadを使用すれば9インチの画面で画像が見られ拡大・編集等も行えるので使い方によれば面白い事が出来ると思うのですが。それと最後にLEDのペンライトを使用して机ぐらいの面積だあれば奇麗なライティングが行える事を実際に近藤さんが使用された彫塑を撮影して見ていただきました、デジタルになり少しの工夫で色々な事が可能になりました、また試しての結果がすぐに見れるのもデジタルでの大きな進歩です。色々な事にチャレンジして自分が思った事感じた事を写真で表現する。その為にはデジタルは便利な道具だと思います。楽しく写真を撮りましょう。

写真   河口清秀
レポート  河口清秀