第45回九州電塾セミナーレポート

九州電塾11-04


4月23日今回も九州産業大学視聴覚教室をお借りしてセミナーを行いました。
今回は鹿野さんにお願いしました。
まず最初はフレスコジークレ、皆さんはLinkIconフレスコ画をご存知ですか、僕もあまりよくわからないんので、ウィキペディアでみてみると(生乾きの漆喰に顔料で描く技法)とあります。フレスコとは新鮮なという意味があるらしい、それを顔料系プリンターの用紙として製造されたのが、フレスコジークレで漆喰に顔料をプリントすることにより、フレスコ画特有の絵の質感と、100年プリントが完成することになります。
この絵のきれいさ質感は文章で表現してもあまり意味がないので、実際にみていただくしかないのですが、今回来られなかった方は、残念ですが、申し訳ありません。

次のお話は、高精細画像。皆さん高精細画像ってわかりますか、これにはまず現在のデジタルカメラのCCD・C-MOSセンサーの構造を理解しなくてはなりません、今まで何回もこのお話はしているので、今までに受講されている方はもうご存知だと思いますがデジタルカメラのセンサーのほとんどはベイヤー配列というグレースケール用センサーの上にRGGBのカラーフィルターを配置して演算によってそれぞれの1ピクセルのカラー情報をつくっています。もし画像が1ピクセルの大きさや線であれば、演算に狂いが生まれ偽色や、モアレが発生します。そこで撮影するときに1ピクセルずつセンサーをずらしてRGGBの4回露光を加え、1ピクセルにRGBの情報を直に記録することを高精細画像と呼びます。現在はハッセル社とジナー社のカメラシステムが発売されていますが、今回鹿野さんはフレスコジークレとあわせてハッセルブラッドH4DII50MSを購入して使用されているので、その画像をフレスコジークでプリントして、2000万画素のデジタル1眼などと比べてみることができました。
これも実際に見てみないとその解増感や緻密さはお伝えできないのですが、これは本当にすごいです。5000万画素の4ショットですから情報量は、4倍の2億画素に相当します。このぐらいになると鹿野さんもおっしゃっていましたが、レンズの性能が大変重要になってきます。今までは2000万画素できれいと思っていたプリントが4ショットの5000万画素と比較すると、木の枝の1本1本や先についている葉まで立体的に写し込められています。今後は高精細画像撮影はアーカイブやデジタルサイネージなどでも仕事が発生する新しい分野だとおもいます。価格は高いですが、潜在需要は多く存在すると思うのですが、どうでしょうか。

 最後の講義はLightroomです。鹿野さんはNIKONを使用していて、仕事では一昨年までは主にNikonCaptureを使用されてたみたいです。しかしLightroom3になり、気がついてみたらLightroomでの撮影がほとんどになっていたそうです。なぜかというとデータの管理機能が強化され、仕事でのデータ管理・共有などが使用できるからだそうです。現像ソフトはLightroomにしてもCaptureOneにしてもどんなソフトでも一長一短はありますが、こと現像という項目に限っていえば機能的にはあまり変わらなくなってきました、連結撮影もできますし、アオリも修正までできて当たり前です。
Lightroomで何が違うのか、それはコレクション機能や、アルバム機能、ライブラリーフィルターなどデータをソートして管理・運営が簡単に行えることです。僕が家で使用しているのはApertureなんですが、どうしてかというと自分の作品データの管理が簡単でただディスクにためていけば必要に応じてすぐに画像を見つけることができるからです。しかしApertureは仕事に向いていません、それはクライアントごとのアルバムをつくることができないからです。仕事では同業他社の物件もありますし自分がどのような仕事をしているか隠しておきたいものです。アルバムごとにクライアントを設定すれば、過去のデータもすぐに探して比較やデータの確認が行えますし、共有機能を使用すれば複数のチームでデータを共有し撮影のレンズや絞りなどほかのチームの過去の撮影データをみることができるのです。商品撮影で同じようにとることはよく発生しますが、いちいち聞かなくてもすぐに確認でき、レンズは何を使ったのか絞りは、シャッター速度はなど必要な情報が簡単に手に入ります。

鹿野さんはあまりショートカットは使用しなそうですが、Lightroomでは必要最小限なものは覚えておけば、素早く仕事が行え便利なのでぜひ覚えた方がいいといわれていましたが、簡単なショートカットは、Lightroomに限らず、Photoshopでも覚えた方が仕事がはかどります。全部覚える必要はないんです。いつもよく使用するコマンド、ライブラリー・現像の切り替え、トリミングなど自分がよく使うものは覚えておけばさっさとコマンドを切り替えて仕事をこなす。スポンサー立ち会いでする時などかっこいいと思うのですがどうでしょうか。
 僕も今まで仕事ではCaptureOneを使用してきましたが、Lightroomに切り替えた方がいいかなと考えているところです。CameraRawはよく使用するので、それがあればいいと思ってきたのです。確かに現像をみるとCameraRawもLightroomも同じものなのですが仕事ではデータの管理・バックアップが非常に大事になってきます。今度の震災でデータのバックアップの重要性が再認識されました、データをいかに管理運営していくか、現像の機能だけにとらわれずにソフトの選択をしていかないといけないと思います。
 今回も鹿野さんにいろいろ教わり新しい発見ができました、皆さんはいかがだったでしょうか、カメラやソフトがよくなり、あまり詳しく勉強していなくても簡単にきれいにデータがあがってるので昔に比べデジタル撮影は簡単になってきました、プロとアマチュアの違いもなくなってきました、でもまだまだ勉強して、プロとして覚えておくことはたくさんあります。今回のセミナーもそんなことを考えさせられたセミナーでした、鹿野さんありがとうございました。

今回フレスコジークのサンプルを皆さんにお配りする事が出来ました、是非使用後の感想や要望等メーカーへのフィードバックよろしくお願いします。

写真   河口清秀
レポート  河口清秀