第40回九州電塾セミナーレポート

九州電塾10-10

10月16日
40回目の九州電塾を今回は福岡に戻りいつものように、九州産業大学芸術学部の教室をお借りして行いました。
今回の電塾は、本部運営委員で照明のスペシャリスト、玉内さんの講義です。
まずライティングとは、今写真はデジタルになり画像編集で後でとか、何とかなるとかそんなことが普通になってきています。
だからこそ、画像編集に頼らないライティングを身につけることが大事です。
ではライティングとは何なのか、写真はコミュニケーションの手段です、そして写真は今機械(コンピュータ)を通して表現されます。
ですから写真はマシンリーダブル(情報はマシンが取り扱える形式になっていること)のデータである必要があります。
ということは、8bitの束縛や、プロファイルなどをよく理解しデータを作らなくてはいけません。
その中で写真は被写体を輝かせることが必要です。
被写体が輝くライティングを考えることが重要になるわけです。
被写体を理解し、被写体のことをよく知る専門家がいい写真を撮るカメラマンということです。
また今のカメラはJPGが非常に良くなり、下手にPhotoshopでいじるよりもカメラ内蔵コンピュータにまかした方がいい画像があがるといわれていました。
僕もこのホームページのスナップデータはPowerShotS90のJPGデータを使用するようになりました。今までは一眼をRAWで撮影し、現像していましたが、今はJPGのデータで十分です。
ただ作品で自分らしさを出す場合は、RAWで自分なりの表現が必要だと思います。
JPGは皆同じような仕上がりになるからです。
次がライティングの実演です。
その前にストロボの正しい使い方。
ストロボは高圧電流が流れます。プラグの抜き差しは、必ず電源を切ってから行いましょう、またモデリングランプで使われているハロゲンは振動ですぐに切れます。動かすときはモデリングを切ってから動かすこと、手が届くスタンドは一番太い下の段からのばしていき、手の届かないスタンドは下からのばし手が届く限度では、上をのばしていく。
僕たちアナログで育った人間には当たり前でも、基本は大事です。
まずライトには直接当てるベアバルブライト、ディフューザをかける、アンブレラでバウンス(アンブレラライト)、バンクで面光源(バンクライト)などがあります。日本ではアンブレラが主流ですが、アメリカではバンク、ヨーロッパではディフューザライティングが主流だそうです。
アンブレラやバンクなどの光源の場合一般的に、直径の同じ距離もしくは1.5倍程度の距離はなれるのが一番美しい光になるそうです。
ライティングでは室内の場合、ライトと被写体の距離が離れるほどにコントラストは柔らかくなります(室内にバウンスした光が回ってくるため)。
野外等バウンス光がない環境では、離れれば離れるほどコントラストはあがる、これを理解しておけばいろいろな応用ができることを実演で魅していただきました。
次がライトパターンの実演です。
トップライト、フィルライト、ブロードライト、ループライト、レンブラントライト、バタフライライトなど今までは見よう見まねで行っていたことが解説付きで実演され手、皆さんよく理解できたのではないでしょうか。
最後に僕のリクエストでクリップオンライティングの解説と実演を見せていただきました。
これは今までNIKONではストロボ搭載機種にはストロボコマンダー機能が搭載されています。CANONからも7D.60Dでやっと搭載されました、ハイエンドの機種ではCanonではST-E2、NIKONではSU-800でカメラから離したクリップオンストロボをカメラ側でコントロールできます。
アメリカでは盛んに行われていて、玉内さんからはCanonの本(LinkIconMasterring Canon EOS Flash Photography)やNIKONの実演DVD(Nikon School A Hands-on Guide to Creative Lighting)などいろいろなものを見せていただきましたが、なかなか奥深いものがありそうです。
いま車で駐車ができなかったり、費用や人件費などで、少人数で電車やバスでの移動が東京では多くなっているそうですが、九州でも同じでもっと軽く少ない機材で身軽に出張撮影を行うことが非常に重要になってきています。
後クリップオンストロボに着けるアクセサリーや、フラッグフレームなど紹介していただきました。
時間をだいぶ押したのですが、それでもまだ足りないのでそれは次回ということで今回の九州電塾は終わりました。




写真   河口清秀
レポート  河口清秀