第38回九州電塾セミナーレポート

九州電塾10-08



8月21日
本日は九州産業大学の画像処理室をお借りして九州電塾のセミナーを行ないました。

今回のテーマは7月のセミナーで撮影した各社のデジタルバックデータの検証、デジタルサイネージについて、みんなで解決お困りネタ集合の3部構成で進めていきました。


 まず始めに各社デジタルバックの仕様の説明があり検証に入っていきました、デジタルバックの検証ではフェーズワン、リーフ、マミヤ、Pentax645Dの6台に加えEOS5DMKⅡの計7台の画像データを見比べていきました。(機材の詳細は7月のレポートにあります、先月の撮影ではレンズ等の制約がありましたのでテストが十分とは言えませんが、、)
現像は、各データをAdobe Lightroom 3とCapture One5.0.2でそれぞれ処理をして比較しました。
 M22と5DMK2の比較ではほぼ同じような解像度を持った機種ですが、M22の方が明らかに解像感が高いといった結果が出ました。M18との比較でもバックタイプの方が解像感が高く、センサーサイズやレンズの性能差であるとの事でした。
次に4000万画素クラスのバック比較になり人物撮影では同じモデル・ライティングでの撮影なのですが、肌の質感の表現、コントラストや、立体感が各社でかなり違ってくることがわかりました。
 風景写真の比較では現像ソフトまで話が言及していき、バックタイプのRAWデータの現像では専用ソフトでの処理が望ましい、ということになりました。同じRAWデータの現像でも汎用ソフトと専用ソフトでは処理結果が全く違い、専用ソフトでの処理結果の方が良好である事が紹介され、また、現像設定を調整していないにもかかわらず、モアレや偽色の処理がソフトによって違うことも紹介されました。
 CCDとCMOSセンサーの差は?ということでフェーズワンとリーフでの比較検証がありました、私見としてはフェーズワンはシャープでカリッとした感じでリーフはしっとりといった感じでしょうか、もちろん今回は調整なしのストレート現像だったため、ある程度の差は出たのですが実際には現像時に調整を追い込んでいけば見分けがつかなくなるのでは? といった感じでした。
 撮影時の機材選択の話では35mmフルサイズの性能もここ数年でかなり上がってきてはいますが、解像力やデータの余力を考えるとバックタイプの方が安心感はあるということでした、みなさんの意見だと画像データの使用目的に合わせて適時適所で機材を選ぶということでした。
今回は各データを髪の部分を100パーセントで同率で切り抜き、トーンカーブでシャドーを大きく上げた比較サンプルも作りましたのでご覧下さい。



 次に高原さんよりデジタルサイネージの現状ということで話がありました、福岡都市圏でも公共施設を始め商店街などのローカルな場所でもかなりの数のサイネージが展開されているということで、カメラマンの仕事の範囲を広げることが出来る可能性があるとのことでした。また、デジタルサイネージでは表示解像度はフルハイビジョンパネルでも200万画素程度なのですが、元素材の品質はクオリティーが高い方が良いとのこと、デジタルカメラとデジタルサイネージでのアスペクト比が異なるとので、撮影の際は注意が必要との事でした。

 最後の佐口さんのハンズオン+質問コーナーでは
画像の一部分だけ色を変える方法の紹介がありました、色の置き換えツール等を使用して描画色と背景色を適切に選択することによって比較的簡単に色違いのバリエーションを作ることが出来るという紹介がありました。商品撮影の際に色違いの実物がなかった場合では有効な方法ですね。
また、効率的な人物の切り抜きの方法として抽出ツールの説明がありました、ここでは境界線を選択する際にできるだけ細かいラインで描くことで切り抜きの精度を上げることが出来るとの事で実際に人物写真を使用して高原さんが実践されてありました。
高原さんは以前にも講師をお願いした事がありましたが、今回は助っ人での参加でした、ありがとうございました。



写真   荒巻大樹 佐口正章
レポート  荒巻大樹     
セミナー協力 高原利文