第37回九州電塾セミナーレポート

九州電塾10-07



7月17日
山笠が終わり、土砂降りの雨も止み、梅雨が明けた博多の街、今日は久しぶりの晴天です。
今回も九州産業大学芸術学部のスタジオをお借りして、九州電塾のセミナーを行いました。
テーマは、中判デジタルバックの検証、機種はPentax645D PhaseP40+ LeafAputusII7 MamiyaM18 M22 ZD の6機種がそろいました。
今年Pentaxが645Dを発売し、中判デジタルが身近な存在になってきました、そこで価格はかなり違いますが、Phase,Leaf,Mamiyaを皆さんが手に取って実際見ていただけるように企画しました。
Pentax以外の機種はすべてMamiya645ADFのボディーを使用しました。これは今日17日発表されたMamiyaイメージングのLinkIconプレスリリースにあるように、Phase,Leaf,Mamiyaが手を組んだ事により
MamiyaのボディにPhase,Leafのデジタルバックが付き、ソフトはすべてCaputureOneが使えるシステムが提供されるようになったからです。今回のM18やM22はPhaseのデジタルバックのOEMの様ですが、今後はLeafのOEMであるDM22,DM28,DM33も登場するようです(公式な日本での展開の発表はまだありません)。
今回スタジオでのセミナーでしたので、席を用意せず好きなように機種を触ってカメラの感触を見ていただけるように行いました。
さて実際に手に取ってみた感想は!
すべての中判に言える事ですが、ファインダーが見やすい、シャッターを切った感触が、35mmとは違うフィーリングを出してくれます。
デジタル以前は仕事に応じて4x5 6x7 6x6 6x4,5 35mmというようにフォーマットを使い分けていましたが、デジタルに移行しほとんどの皆さんが仕事をデジタル1眼で行っているのが現状ではないでしょうか。
今回は久しぶりに皆さん中判カメラを手にして、眼が生き生きしていたのが印象的でした。
以前にも中判デジタルと35mm1眼レフのセンサーの違いはお話してきましたが、もう一度おさらいしましょう。
まずほとんど全部といてもいいと思うのですが、中判はCCDで35mmはCMOSセンサーを使用しています。昔はCCDが良いとされてきましたが、今は技術が進み高感度特性が向上し、量産化の面でもCMOSが35mmでは主流になってきています。ではなぜ中判デジタルはCCDなのか、それはCCDがフレームトランスファ型であるという事が大きいと思います。
フレームトランスファは画素あたりの開口率が大きく、ローパスフィルターやマイクロレンズを使用しなくても良い為に、非常にシャープなレンズの性能をフルに生かせる撮影ができるからではないでしょうか。一方CMOSセンサーは転送回路の為にどうしてもローパスフィルター(これはベイヤー型配列が大きく影響している)やマイクロレンズが必要になってきます(裏面照射型CMOSの登場など技術開発が進んでいる)。
またCMOSは35mmではこれ以上の高画質・高画素化は困難とされていますが、中判デジタルでは開口率が大きいのでさらなる高画素も期待できます(昔はビックショットといって6x6フルサイズのデジタルバックも存在しました、ちなみに1000万画素でした)。
撮影では、九州産業大学写真映像学科の財津侑里さんにモデルをお願いしました(彼女はLinkIconエムイーフォトギャラリーという自主運営ギャラリーを仲間と行うなど凄くがんばってる学生です)。
彼女をスタジオで撮影したり外に連れ出したり皆さん積極的に撮影を行い、その感触や、操作性など実際に体験しておられました、今回はデータを持ち帰る事もできたので、事務所に持ち帰り実際にご自分の仕事にあった機種を考える上では、非常に為になるセミナー担ったのではないでしょうか。
機種ごとの評価は今回ここには載せようと思いません。それは仕事によって評価が違うと考えるからです。
スタジオでの使用が多い方、外での仕事がメインの方、またモデル・料理・インテリアがメインでも変わってきます。
ただシャープな画像が得られる事はどの機種にも言える事でした。
追記情報として、RAW現像は基本的には専用ソフトがメーカーでありますが、LightRoomまたはCameraRAWでもすべて現像が行えました、またPentax645DはEye-Fiを使用したワイヤレス転送が可能でした(JPGでの転送でSモードが、使える限界の様でした)。



写真   河口清秀
レポート  河口清秀