九州電塾セミナーレポート

九州電塾09-11





11月21日土曜日、九州産業大学の講義室をお借りしての今年最後、第30回九州電塾セミナーを行いました。今回は約100名の参加があり、大きい階段教室をお借りしてのセミナーです。

講師は九州電塾初めての女性、fotonの村山輝代さんです。講師村山さんのほかにプロデューサーの篠崎さん、アシストで牛島さんの3名にきていただきました。講義の内容はビューティーです。
写真業界も2000年に入りデジタルが進んできましたが、レタッチ業界も2000年ぐらいからクライアントの認識が変わり始め、予算に最初は入ってなかったものが、最初の見積もりからレタッチの予算が入れられ、進行スケジュールにも組み込まれ始めたみたいです。現在はポスター関係の仕事では大なり小なりレタッチャーが仕事に関わり、作品を仕上げていく事が当たり前になっているそうです。しかしデジタル撮影の本格化で撮影自体も納期予算が削られていますが、レタッチも同じように納期予算が削られていているみたいです。


作業進行で変わってきたのが、昔は素材がきてそれをもとに作業をしていたものが、現在では村山さんたちが撮影現場に立ち会い、ディレクター、カメラマン、クライアントと話しながら作品を制作している事だそうです。いつも思う事ですが、仕事はコミュニケーションが大事という事です。
カメラマンの思いや、ディレクターの思いを汲み取り、作品を仕上げていく為には、実際に撮影現場に立ち会い、全員の思いを共有する事が、共同作業で作品を仕上げていくには,最も重要だと思います。
 それから、今はカメラマンもレタッチを行い、ディレクター、代理店の方、得意先、だれもが簡単に安く画像を修正出来るようになり、何でも出来るという間違った認識がある事だそうです。出来ませんといいましょうといわれていましたが、僕も撮影中に、簡単な修正は得意先やデザイナー、ディレクターの前で行って確認する方で、近頃はスタイリストがこれできますよねとかいってくるようになったので、ちょっと反省しているところです。
予算を減らすためのレタッチではなく、より良いものを作るためのレタッチ、これが作品制作をする上で常に心がけておられることだそうです。
村山さんは実際のデータのレイヤーを見せながら、皆さんに説明していきました。レタッチャーとして,画像を作るのではなく、よりカメラマンの表現を助ける為にレタッチを行うのが私たちの仕事ですといっておられましたが、実データを見ても最初はどこをレタッチしたのか分からない自然な修正をすべての事例において実践されていました。
たとえばある事例では、基画像を見てもよくわからなかったのですが、商品の差し替えは当たり前ですが、髪の毛の処理が細かく行われていました、最初は髪の毛の処理の予定はなかったので予算的にはかなり厳しく、その為の金額ももらえなかったみたいですが、きれいに修正を行われていました。これについてもかなり詳しくブラシの設定方法、そしてブラシの描画方法を変えることによって行う方法を教えていただきました。でも一番難しく根気がいるのがこの髪の毛の処理だそうです。正直したくないとおっしゃっていました。それから肌をきれいにするのもスタンプツールが基本ですが、レイヤーを使用しての後修正ができる操作や、トーンを整えるためのトーンカーブを使用した+−補正の方法、そこで使用するブラシの設定、流量の数値など、細かく解説してもらいました。
その他、事例をいくつか使用し、その実画像とレイヤーをすべて見せていただいてのセミナーが行われました。すべての作業について言えることですが、修正を行っていると気がつかないうちにやり過ぎるということがあります。レイヤー最上部に基画像を置いておき、時々基画像を見てやり過ぎないようにする、これが最も重要です。と話されていました。僕も基画像は常に修正せずにあったのですが、一番下のベースに置いているだけでした、これだと確認するのに、すべてのレイヤーを非表示にするしかなく、今後はこの方法を取り入れていこうと思いました。
そのほかチャンネルミキサーを使用した修正、白いバックで撮影した人物の髪の毛のマスク処理の方法、等々3時間半にわたり内容の濃いセミナーとなりました。

セミナー終了後も皆さん村山さんを囲み、熱心に質問をされていました。村山さん、篠崎さん、牛島さん本当に長い時間ありがとうございました。
セミナー終了後、食事のあと屋台でラーメンです。

写真 河口清秀
レポート 河口清秀