九州電塾セミナーレポート

九州電塾09-08

8月22日今回も九州産業大学視聴覚教室をお借りして、第27回電塾勉強会を開催しました。
午前中は雨だったのですが午後になると天気になってきて蒸し暑い夏の1日です。

まずは近藤さんがフォトショップのカラー設定の基本をCS3を使用して行いました。基本は簡単で、設定で[プリプレス日本2]を選ぶだけです。これで CS3からは簡単に設定が行えるようになりますので、この設定を基本的に行ってください。もしWEB用等でsRGBにしたい場合は作業後にスクリプトのイメージプロセッサー等を使用して変換してください。大きな色域から、小さな色域への変更は色
の消失はありませんが、小さい色域から大きな色域への変換は色の消失の可能性がありますので、AdobeRGBでの運用を行ってください。今回はフォトショップの話なんですが、その前に近藤さんはLightroomの入力処理から話を始められました。近藤さんは特にコンタクトシート作成の手軽さや処理の手軽さで、Lightroomをメインで使用されておりますのでこの話から始められました。
 その次に現像の書き出し、データを渡す為のディスクのレーベルの作成方法を解説されました。この作成は去年のAPAデジタル入校マニュアルに詳しく書かれていますのでぜひそれを見本に作られてデータを渡す事をされた方が間違いが起こらないので良いと思います。
 フォトショップでの合成の話を近藤さんはされていましたが、合成するときに画像を選択して消去するやり方はやめた方が良いです。あとでやり直しが出来るようにレイヤーマスクを使用して画像を消したり編集してください。そうしないとあとで変更が出来なくなってしまいます。画像を合成する時はレイヤー画像にレイヤーマスクを使用し、マスク処理によって画像合成を行うこれが基本です。
また色修正なども調整レイヤーとレイヤーマスクを使用する事によって変更があった場合も柔軟に対応できます。

 次は高原さんがバンディングを直す方法としてノイズをかける事を話されました。これは塾長も常にいっておられるノイズはデジタル画像における香辛料と思って、軽くスパイスを利かせましょうということです。その場合画像に応じてなのですがだいたい0.4〜0.7ぐらいを目安に考えればいいと思います。またDxO社でフィルム状のノイズをかけるソフト(Dxo FilmPack)が出ています。これはフィルムのノイズをシミュレーションしているので、フォトショプのノイズより写真に近い仕上がりになります。ぜひ試されるといいと思います。
 その次の話は、モアレがあった場合に直すのはフォトショップでは難しいのですが、それを簡単に修正してくれるソフトが存在します。それが CaptureOneです。以前のバージョン3迄はフォトショップのプラグインとしてソフトが別にあったのですがCS3では対応しなくなりました、そのため CaptureOne4からはソフト自体に内蔵された機能として登場しました。これを使用すると偽色は簡単に消すことができます。が、パターンモアレはやはり完全には直してくれません。
 フォトショップではどうするかというと、カラーモアレはLabモードに変換してabチャンネルにガウスぼかしをかける事で直していくことになりますが、パターンモアレは完全には直せません。あとは細かくスタンプツール等で修正するしかありませんが、RGBチャンネルの最もモアレの少ないチャンネルを他のチャンネルにコピーし、色補正をして仕上げる高度な方法が塾長のPhotoshop本に紹介されています。参考にしてください。
 次に高原さんがWindowsについての話をしてくれました。MACではOS自体で色を管理していますがWindowsXPでは全然色管理されていません。VISTAでは色管理はしているんですが、完全には行われていないそうです。
 またMACではカラーシンクパネルでプロファイルのガモットを表示して確認ができますが、Windowsではそのままでは無理なのですが、MicrosoftColorControl Panel Applet for WindowsXPを使用すれば同じように確認やコントロールができるそうです。
 フォトショップは内部でカラー管理をしているのでフォトショップを使用する上では色に対してMACと変わらず運用する事ができるそうです。しかしWEB等でブラウザで色を見る時(クライアントと遠隔地でネット立ち会いなどの場合)はMACとWINでは、かなり色が違って見えてしまいます、この場合WINでもSafariをブラウザで使用すると内部で色管理を行うので、色をブラウザ上で確認する場合はSafariを使用しましょう、エクスプローラーを使用すると違った色が見える場合があるので気をつけましょうということでした。またFirefoxでもそのままでは、色が管理されていませんが、一部ブログラムに手を加える事によって色管理された画像を見る事ができるそうです。
 それからちょっと面白いサイトとしてDxO社のサイトにDxOMarkというページがありここで発売されているデジタルカメラのダイナミックレンジの比較などを確認することができます、ちなみにNo1はNikonD3Xがダイナミックレンジ13.7でした、自分のカメラの情報をちょっと確認するのも面白いと思います。
 このあと同じ教室で茶話会を行い勉強会は終了しました、来月は僕がPhotoshopのハンズオンセミナーの予定にしていましたが、急遽鹿野さんがこられることになりましたので、来月9月は鹿野さんの講義になります、新しいCGモニターを持ってこられたり、いろいろ勉強になる内容盛りだくさんのようです、皆さんぜひおいで下さい。


写真 河口清秀
レポート 河口清秀