九州電塾セミナーレポート

九州電塾08-10

2008.9.20

すっかり秋らしくなってきたと思ったら、近頃は暑い日が続きお天気も快晴となった土曜日、10月18日、今回も産業大学の講義室をお借りしての,定例勉強会を行いました。
 今回は講師を電塾九州支部長の佐口さんとAPA九州支部長の近藤さん、両支部長にお願いしての講義です。
まず佐口さんがのコントラスト調整テクニックを実際の画像を使い説明していただきました、これは撮影時に露出の異なる2枚の画像を用意して、明るい画像の明暗差をマスクとして利用し、ハイライトとシャドウのコントラストを調整しようというものです。もちろん撮影時に行わなくてもRAWデータから露出の異なる画像を現像してもできますが、シャドウノイズやハイライトの持ってる力を出そうとするなら撮影のときに露出をばらした方がいいのはいうまでもありません、しかし被写体が動いていたり、カメラが固定されていないなどの場合などはRAWから作らなくてはなりません,でもCS3から加わったレイヤーの自動整列を使用すれば、ある程度救われるようになってきました。実際の方法は僕がここで説明するよりを見ていただいた方が詳しく乗っていますので、リンクを張っておきます。僕も仕事のときに、室内の施行例で照明や窓が移り込む場合などに使用していますが、この方法は時間もかかりませんし部分的な調整(前回の時説明したソフトライト描画テクニック)もできますので,皆さんぜひ試してみてください。佐口さんの講義のときには紹介しませんでしたが、株式会社ジャングルからというソフトの日本語版が今月発売されています、このソフトはコントラスト調整の為に複数毎の画像から作成出来たりRAWデータから直接調整出来たりするソフトで、専用版ならではの細かい調整などもできますが、価格¥20.000弱します(Zorg会員価格¥9.800での販売もあり)ので皆さん興味がある方は,Demo版をダウンロードして試してください。
引き続きこれら一連の作業に関連してアクションの作り方の講義を行っていただきました。今回おこしいただいた受講生のみんなさんはあまりアクションを使用されていないみたいですが、定型の作業がある場合、今回は2枚の画像の明るい背景画像からマスクを作成し暗い画像のレイヤーマスクと使用するという一連の作業は自動で行った方が早いし間違いも起きません、このような作業はアクションを作っておいてバッチ処理させる方が簡単です、時間の節約にもつながり、仕事が早く終わります。このアクションはPhotoshopの自動機能ですが、Macには(Winも一緒だと思いますが)OS自体に自動処理の機能がソフトとして備わっています、AutoMatorです。これはアップルスクリプトして昔からあった機能なのですが、それを簡単に出来るようにしたソフトがAutoMatorです、佐口さんはこの機能を使用して一つの画像からリサイズしてJPEGに書き出すという一連を皆さんに紹介していただきました、こういう機能はPhotoshopを使用しなくてもMacのソフトのプレビューでできてしまうんです、Adobeのサイトでは、AutoMatorのPhotoshop用スクリプトも用意されていますので簡単な定型作業は工夫次第で、早く確実にコンピュータにやってもらえます、皆さん少しでも早く仕事を終えて、もっと豊かな生活をしましょう。
 次に近藤さんがLightroom2のご自分が行われている作業を撮影から現像・プリントまでの流れでお話する事にしてPM5800も持ってこられたのですが、今回も時間の関係で一枚もプリント出来ませんでした、残念です。
まず撮影したデータの整理、選別。選別した画像に対しての調整、一つの調整画像の調整項目を複数の画像に対して同期、この繰り返しで作業は流れていきます、そして今回加わった段階フィルタ、補正ブラシ、そして大事なライブラリフィルタとスマートコレクションこれによってカメラマンが撮影後に行う一連の作業が格段に早くなって、ちゃんと撮影さえしておけば、もうPhotoshopの出番はありません。本当にお金がとれて細かくする場合のみPhotoshopの出番があるのではないでしょうか。今回のこの機能に関してはちょうど土曜日よりコマーシャルフォトに付録としてついていたがPDFとして公開されていますのでこちらもご覧ください。実際の作業の中でコンタクトシートを出すのも,PhotoshopのコンタクトシートよりもLightroomでJPGファイルを書き出したあとにLightroomで書き出す方が早くていいと近藤さんはおっしゃっていました、
皆さんの質問の中でカタログがよくわからないという意見もありましたが、まさにこのカタログがコマーシャルカメラマンには絶対に便利な機能だと思うのでその辺を僕が追加で説明をさせていただきました。クライアントごとにカタログを作成しておけば昔撮影したデータもスマートコレクションを使用しすぐに確認出来、レンズの使用履歴や絞りまでも確認が素早く行えます。またデータの管理についての質問もありましたがこれは読み込みのときに読み込みオプションとして元画像を残したままカタログを作る、コピーで作る、複製で作るなどの選択ができ,使用方法、コンピュータの種類(ポータブルか設置型か)によって使い分けて保存をしておく方法を説明しました。またファイルの管理方法として、MacOS10.5から登場したスマート検索機能を使用し、カメラのメタデータでの、ファイル管理の方法等の説明を行いました。
講義中には話さなかったのですが、今回PhaseOne社から待望のが登場しました、Canonの一眼レフでのテザー機能、肌色を使用してのスキントーン機能、オーバーレイ機能などなど。また僕は家ではApertuerを使用していますが、Apertureにはパイプランスという肌色を壊さず彩度をコントロール出来る機能やスマートアルバム機能、ボールドという簡単なバックアップ機能があります、今回も講義後の質問でこの辺の説明を行いましたが、皆さんこれらのソフトはDemo版として使用制限なく1ヶ月間使用出来るお試し版があります。皆さんすぐに買うのではなくご自分の環境にあったソフトは何なのかをじっくり検討して、自分の性格にあった、自分の仕事の流れにあったソフトを使うのがストレスもなくいい仕事が行える近道だと思います、メーカーのいってる事を鵜呑みにせず自分にあったソフトをぜひ見つけてください。
 来月は永嶋さんにお願いしています。今回はPhotoshopCS4の事や先月いってこられたフォトキナの事等、貴重な情報が沢山聞けると思います。



文 河口清秀
写真 河口清秀