九州電塾セミナーレポート

九州電塾08-07

2008.7.19

山笠が終わった博多は、梅雨もあけ、夏真っ盛り。
暑い中、今回は九州造形短期大学の講義室をお借りして、電塾定例勉強会を行いました。
今回はEPSONから星野さん、トッパングラフィックコミュニケーションズの小島さんに、ファインプリントについてとフォトブックを自作してみようという講義です。
去年9月に茂手木さんにきていただいたとき、お二人にゲストとしてきていただいたのですが、その時飛び入りでNIKON D3を抱えて鹿野さんがこられたり、印刷がイドブックの紹介をしたりと大変で、せっかくEPSONのPM5800をお借りしていたのですが、プリントを1枚も出力出来ず、今回はそのリベンジです。




まず6月の電塾のときに出席されたお二人からお借りしたデータをもとに、小島さん星野さんが思い思いにプリントしたものと、それぞれ作者のお二人がプリントしたものを比較して現像や後処理による表現の違いや、ペーパーによる表現の違いなど皆さんと一緒に視ていきました。
小島さんは一枚は和紙によるプリントで、桜の写真を柔らかい雰囲気に見事に表現し、吉野ヶ里の夕暮れ時の写真は、B&Wでペーパーはハーネミューレのバライタ紙を使用し深い黒と豊かなグラデーションの空の変化を表現されていました。
星野さんは桜の写真は大胆にトリミングを行い桜の花びらを浮き立たせる表現を行い、吉野ヶ里の写真ではカラーで夕焼けを色のグラデーションで鮮やかに際立てさせてみせていただきました。
紙を選ぶ事による表現には皆さん非常に驚かれていました、また今回写真を御持ちいただいたお二人も、こんなに表現の解釈がいろいろできて満足されていました。
そして参加者全員に小島さんセレクトのPCM竹尾サンプル用紙6種類をプレゼントしていただきました、作品プリントとは紙を選べる事にある、皆さんいろいろ試して自分の写真にあった紙を選び作品制作を楽しんでください。
次に小島さんがファインプリントを楽しむためにプリンターの持っている表現を最大限生かす為のプリントの仕方とCMSを行いプルーフプリントを行うときの設定の講義に入りました。
作品プリントは自己完結型の方法でよく、自分がOKであればそれでいいという事です。プリンタ設定はプリンターに任せる設定になりEPSONの持つ最大限の色を使用する事になります。




一方、プルーフプリントは他者との連携・統一が大事であり、CMSを最大限に利用し、後行程の印刷でも出る色を表現する事が目的だという事です、そして印刷は最後は印刷屋にまかす。
そしていつもこの話なくしてはデジタルカメラでの話ができない、ハードの環境を構築しようという事、基本はD50で部屋とモニターの環境を同じにしてモニタで見たものがそのままプリントされプリントを視るときにも同じ色と明るさで視る。この事は毎回講義の度に出る話ですが、これがちゃんとしていないと、すべての講義が成り立たないからです。
次に星野さんがEPSON Imaging WorkShopの説明をしていただきました、プリントをする事に特化したソフトで1枚にテストプリントを細かく比較してプリントする事やレイアウトを自由に作ってプリントする事ができます、昔暗室で濃度を階段露光してテストプリントしたような事を簡単に行えるソフトでRAWからの直接プリントも行えたりする編集も行える機能を持っています、でも使用出来る機種が限られています、今後は使用出来る機種を増やし、MACでのスピードがWINに比べて遅い事の改善を行うという事でした。
その次にフォトブックを自分で制作しようというお話です。
これは今、写真集が作れるサービスがいろいろありますが、自分で自分のマイブックを作ろうというものです。
今回星野さんが自分の手で作った力作を沢山持ってきていただきました、すごくよくできているんですが、すべて片面プリントを使用した、両面テープでの制作だという事で、皆さんすごく興味をもって聞き入ったおられました。
この本のいいところは見開きがきれいに見える、自由にレイアウトが変更出来る、そしてカッターと両面テープとプリンターがあればできるところです、今回時間が押してしまい、実演の時間が短かったので次回リベンジをお願いしての今回の講義の終了になりました、最後に小島・星野さんからのプレゼント抽選会を行いプリンタ用紙やポートフォリオケースなど皆さんにお渡しして、ぎりぎり5時半に終了しました。
今回はPM5800での出力も少しですができましたし、いつものカラマネの難しい話を少し忘れ、楽しくプリントをして、写真を楽しみましょうということでした。いま写真は撮るけどプリントはしないという方だ多くなってきているんですが、やはり写真の楽しみはプリントすることだなと再認識される内容だったと思います。
星野さん小島さん時間が押してしまいばたばたして申し訳ありませんでした、またリベンジよろしくお願いいたします。
文 河口清秀
写真 河口清秀