九州電塾セミナーレポート

九州電塾08-05

2008.5.17



第13回九州電塾勉強会が17日今回も九州産業大学の講義室をお借りして開催されました。


今回、前回前々回に引き続き鹿野さんを講師にお願いしての第3回デジタルフォト講座BASIC、最後の講義、フォトレタッチです。



まず皆さんフィルムからデジタルに変わって心配な問題、どのぐらいの印刷に耐えられるのか!
今までフィルムの時は35mmからB全ポスターなどを作ったこともありましたが、デジタルカメラになり、受光素子の大きさと画素数の関係は最初に印刷をターゲットにしていると迷う問題です。基本的には150%が基準、これが鹿野さんの答えです、どんな被写体でも最低150%まではOKサインを出していいということです、ではそれ以上はどうか、これには空間周波数が深くかかわってきます、この辺を非常に詳しく解説していただいたので、今回受講された方はよく理解できたのではないでしょうか、もし空間周波数が低ければ400%でも大丈夫ということをプリントを出力して解説していただきました、言うなれば撮像素子にたいして空間周波数を低くできるようにカメラを選択すれば大きな拡大も可能になるということです。







次にトーンカーブの説明です、これはほんとに奥が深く、画像調節において画像のガンマカーブをいじれるということは素晴らしいことであり一歩間違えれば大きく画像情報を損ないとんでもない写真を作り出すことにもなりかねない、非常に繊細な作業だということがよくわかる講義でした。


 なぜPhotoShopelementに簡易的なトーンカーブ機能しかついていないのかがこれでよくわかると思います。昔笠井さんがAdobePhotoShop AtoZ 2で詳しく解説されていたのですが、家に帰ってその本を引っ張り出して読んでみたのですが、鹿野さんの講義を聞いた後だったので、昔以上にわかったというか、昔が読んだけどもっと勉強しとけばと思いました。





次に色相彩度を使用した、色の修正。HSBモードを理解して色環の度数をうまく利用することによって、選択範囲を作成せずに色修正を行う方法です、この方法を使えばいちいちマスクを作るわけではないので、同じ条件で撮影した画像であればアクションを利用したバッチ処理が行えるということです。たとえば一部に蛍光灯などの色かぶりがある画像も時間をかけずに、処理を行えいい結果を出すことが出来ます。そしてこれには色相を動かすだけでなく明度と彩度をうまくバランスすることにより、彩度を下げても色を際立たせることが出来ます、色を鮮やかにするために彩度を上げる方がいらっしゃいますが、これは印刷で表現できない色を増やすだけでモニタではきれいかもしれませんが、分解するとCMYKの色域を飛び越えた表現不可能な画像を作り上がりの悪さにつながってしまいます。
 最初5時の予定でしたが、気がつくと5時半まで、まだまだ鹿野さんが出版されたデジタルフォト講座BASICの内容を全部解説できたわけではないのですが、3ヶ月にわたり鹿野さん本当にありがとうございました。
 でもこれが最後ではなく、また鹿野さんに来ていただいて講義をお願いしようと思っています。その時は鹿野さんよろしくお願いいたします。本当に長い期間ありがとうございました。
文 河口清秀
写真 河口清秀