第64回九州電塾セミナーレポート

九州電塾13-03

今回も九州産業大学視聴覚教室をお借りしてのセミナーです。
今回の第1部は九州産業大学写真学科の荒巻先生からHDとSSDの違い注意点などを行いました。最近はSSDの価格が非常に安くなり、MACやPCのノートタイプではSSD採用が増えています。僕も個人的に使用しているMACはすべてSSD、起動も速いし、アプリケーションの立ち上がりもHDに比べ数倍速くなってます。昔のPCを使用されている方もSSDを使用すればすぐに結果が分かるぐらい早くなります。しかし注意点も多く存在しますのでその辺を荒巻先生にわかりやすく解説していただきました。まずHDとSSDの違い、簡単には、HDは容量が大きくスピードが遅く衝撃に弱い、そして電気を食う。一方SSDはその逆で容量は少ない、スピードは速い、動く部分がないので衝撃に弱い、省電力。容量と価格以外は良いことずくめですが、先生によると注意点が、SSDはメモリーなので書き換え限度がある、ファイルが断片化するとスピードが遅くなる、また故障時のデータサルベージが現在は不可能、等もしもの為のバックアップは常に心がける必要がありそうです。そこで近頃登場して、良く耳にするのがハイブリッドHDDです。読み込み・書き込みのキャッシュとしてSSDを使用しデータはHDに貯めるというものです。またMacがオプションで選択できる、Fusion DriveはハイブリッドHDDより容量の多いSSDを一つのドライブとして利用する技術で、大容量、高速、比較的安い、という利点があるそうです。
ではスピードは、これはAppleのホームページのデータですが






ただしパーテーションは作成できないので、パーテーションでいつも区切られる方は注意してください。まとめとして



このようになるのでしょうか、MacMiniなどはFusion Driveの選択でかなり早くなりそうですが、どうでしょうか。
最後がそのスピードに関することですが、荒巻先生は、実際ご自分のMacBookProをSSDに換装されたのですが、今回故障してしまい実機を比べることは出来ませんでした。換装したときのデータと動画でその差を見せていただきましたが、ランダム書き込み読み込みでは10倍以上の差、OS起動は3倍強の差が出ていました。これを体験するともう後には戻れません。一方換装したときにはTrim機能をONにする方が良いそうなので、注意してくださいとのことでした。TrimするにはTrim Enablerというユーティリティがありますので、それを使用すれば簡単に行えます。
まとめとして、
旧機種のパソコンであってもHDDをSSDに交換することで、パソコン全体のレスポンスを向上させることが可能。
ただし、本体の接続インターフェイスが古い機種ではSSD本来のスピードを発揮できないので、交換計画を行う際チェックする事。
パソコン本体とSSDの“相性”があるので、SSD購入前には調べておくこと。
換装は簡単ではありますが、ドライブとの相性等もありますので良くネットで情報を集めて判断してくださいということでした。あくまでも換装は自己責任で。
第2部は私が今話題(?)のCamRangerのことと、橘野さんが同じようにWiFiでコントロールできるCanon6Dの使用感をCamRangerと比べてみました。
CamRanger、皆さんはご存知ですか、今デジタルカメラにはコンシューマからレンズ交換カメラそしてハイエンドまでWiFiモジュールを組み込んだ機種が発売されるようになりました。今月もPhaseOneから8000万画素IQ280が、WiFiを組み込んだカメラが発表になり、ロケやスタジオ内でもPCを使わずにタブレットやスマートフォーンで画像の確認コントロールまでできるようになってきました。しかし今までのデジタル1眼レフのNikonD800やCanon5DMarkIIIなど今一番使われているカメラでは、無線での使い方ができません。ロケや野外でテザーをしたいときは、ノートPCを持っていき有線の必要がありました。そんな中登場したのがCamRangerです。小さなポケットルーターぐらいの大きさの箱の中にバッテリーとWiFiモジュールが入っていて。NIkon・Canonのカメラ(ライブビューができるカメラ以降)を設定を変えることなく、撮影データをWiFi無線で転送してくれます。そして転送だけならEye-Fiなどの無線SDを利用すれば可能ですが、CamRangerの場合シャッター・絞り・ISO感度・ホワイトバランスなどなどカメラが電子的にコントロールできることはすべてコントロールできます。例えばNikonD800ではマニュアルや絞り優先・シャッター優先などのモードコントロール。Canon5DMarkIIIなどはモードをダイヤルで変更するためにできませんがその他はすべて可能です。もちろんシャッターを切ることも、動画の撮影をしながらのピント合わせまで行えます。この辺は6Dでも行えますが、CamRangerはマニュアルフォーカスの細かい調整や、ピントを前後移動させて複数毎撮影させること、TimeLapsの設定、HDRの階段露光。HDRでは1絞りの露光変化を11枚まで行えます。普通は3枚までしかとれませんが10絞り分の範囲で何枚でも設定が可能です。例えば1/3刻みであれば、39枚の露光も可能です。一回タブレットやスマートホーンに登録しておけば後はUSB端子でつなぐだけ、それでデータを見ることや、撮影のコントロールが可能です。画像は転送するのではなくとりあえずメモリーカードの中を参照することになるので、メモリーカードは入れておく必要があります。そして確認してタブレットに転送が必要であれば随時転送します。もしすべて転送が必要であればオートセーブも可能です。もう一つの使い方として、今はβ版ですがMACのソフトも用意されていますのでスタジオ内においても無線接続でのテザー撮影が可能になります。しかしこの辺はCANON6Dの方がEOS Utilityを使用して転送できるので今後のCanonの新製品にはぜひWiFiモジュールを内蔵してもらいたいところです。しかしNIKONを使用されている方は、CamRanger以外に方法はないのでなかなかよくできたハードだと思います。まだ日本での正式な発売はなく、ネットでアメリカからの個人輸入になりますので、その辺は何かあっても保証はややこしくなりますので自己責任での購入をお考えください。金額は$299.99輸送費は1個注文で$40ぐらいです。FedExで4日で届きました。後関税も¥1,000ぐらいかかります。6Dを購入されている方は6Dの方がいいと思いますが、Nikonを使用されている方や5DMarkIII・5DMarkIIなどを使用されている方は、カメラのWiFi化が可能になります。何度も言いますが自己責任で。
最後にプラザオーキッドの的場さんから新製品の紹介がありました。今回は現物がなくパンフレットがほとんどでしたが、TimeLaps用のレールや動画用の比較的低価格の商品などの情報を皆さんに披露していただきました。


レポート 写真 河口清秀