第53回九州電塾セミナーレポート

九州電塾12-01

1月21日今年初めての電塾です。福岡は、今日久しぶりの晴天で、暖かく気持ちのいい1日です。
教室はいつものように九州産業大学の講義室をお借りして行いました。




最初は私河口が、撮影で普段よく使用するiPad・iPhone用便利ツールを紹介していきました。
 iPad・iPhoneなどのデバイスではまず2種類のソフトに分けられます、撮影で便利な機能を付加するツールと、画像を処理するツールです。まず撮影時に使用するツールから、デジタルカメラでは自然の風景を撮る時にHDRを使う機会が増えてきました、でも多くのカメラはAEBでブランケッティング露光の撮影をするのに3枚が一般的です。でもHDR用にはできれば7枚やまたそれ以上の露出で撮影をおこないたいと思います。その場合3枚撮影して、カメラを操作し又3枚とセッティングを変更しなくてはなりません、それを1度のシャーターで最高20枚の連続露光を可能にしてくれるのがDSLR.Botです。もちろんiPhoneではシャッターを切れませんので赤外線発信器を取り付けてそれを利用します。赤外線発信器を作るのは難しいことではなく、100mA,5Vの赤外線発光ダイオード2個とステレオピンジャック・3線のコードだけです。赤外線発光ダイオードは1個20円ぐらいです。残念ながら福岡で探したのですがなかったのでネットで購入しました。赤外線発信器ができればこれをイヤフォンジャックにさしてカメラの赤外線受講部に向けるだけです。サポートしているカメラもCanon・Nikon・Pentax・Sonyなどで、ブランケッティング露光だけでなく通常のレリーズ、最長1年のインターバル・24時間の長時間露光、Canonだけの機能になりますが、動画のレリーズとしても機能します。ブランケッティング露光の場合少し問題もありまして、バルブモードを使用する為に最高シャッタースピードが1/3秒しか切れないところです。そこは去年から発売された可変NDフィルターを使用すれば日中でも可能になりますが、夕方や夜間などではすごく便利に使用できます。
 次に紹介したのがカメラをライブビューを見ながらWiFiでレリーズできるDSLRemoteです。対応しているカメラはCanon・Nikonのほとんどの一眼レフに対応しています。CanonはOS10.7になってEOS Utilityが現在対応していないので、PCでのモニタリングができなくて困っている方もいると思うのですが、これがあればケーブルに邪魔されることなく ライブ画像をiPadの大きな画面で確認しながら撮影できます。もちろんiPhoneでも可能です。ただカメラにはWiFiは内蔵されていないので、カメラとPCをUSBケーブルでつなぎPCとiPad・IPhoneを無線LANでつなぎます。設定は簡単でシャッタースピードのコントロール、絞り・ISO感度などもコントロールできます。俯瞰撮影のときなどすごく便利に使用できます。(MacOS10.7でEOS Utilityが最新バージョンでは使用できませんが、古いVer2.8.1で使用できるそうです。産大の荒巻先生に教えていただきました、ただし自己責任でお願いします。)
 次はiOSデバイスによる画像処理です。Appストアーでは凄く沢山のソフトが存在します。この中で僕が1番と思うのが、Snapseedです。これはNikonCapturteやVivezaなどでおなじみのNikソフトウエアーが開発したソフトで、現在ではAndroid用もMac用も用意されていて簡単にトリミング・回転・部分的な色補正・コントラスト・輝度修正などが行え、その他にもピントコントロール・ビンテージ処理やフレーム等々ほとんどの機能がこれ1本で可能になってます。これがあれば出張でロケハンの資料なども奇麗に処理を行い転送できますので、PCを出張に持っていかなくても助かってます。そして次に紹介したのがEye-Fiカードを使用した、カメラからの撮影データ転送です。カメラにEye-Fiカードを入れておけば無線で撮影データを転送できますので、ロケハンや資料撮影では撮影して、iPadでセレクトSnapseedで処理をしてメールで飛ばしたり、会議の席でiPad上で画像を確認しながらの打ち合わせが、すぐに行えます。今まではプリントをしたりして時間的にも物理的にも無駄が多かったのですが、今ではスピーディーに無駄なくおこなえるようになりました。
 最後に野外のロケハンで便利な太陽の動きを確認できるソフトSun Seekerです。これはグーグルマップと連動して現在地や地図上のどこでも海外でも、数ヶ月先の日の出・日の入りの時間と位置、その角度も教えてくれます。これでロケでのシュミレーションをしておけば簡単な撮影ではロケハンに行かなくても太陽の位置はつかめますし、ロケハンの場合もどの時簡に行けば自分の考えた日の光になるかもわかるので無駄なくロケハンが行えます。iPhoneやAndroid携帯をお持ちの方は多いと思いますが、iPadなどの大きい画面は作業する上で全然違う作業環境を与えてくれます。もうすぐiPad3が登場すと思いますが、それと一緒に画像処理のソフト、Adobe Photoshop Tochが登場します。Androidでは既に販売されていますが、このソフトではレイヤーの処理もできてまさにストレージデバイス用のPhotoshopがiOSでもできるようになります。これによりクライアントと打ち合わせ時に簡単にシュミレーションを行いそのレーヤーをクラウドで連携して事務所に帰って本処理という流れが可能になります。僕は凄く楽しみにしているんですが皆さんはいかがですか、そろそろもう一つの表現媒体として、iPadを考えても良いのかもしれません、これで新しい仕事が生まれるかもしれないからです。
 それともう一つ最後にLightroom4の動画編集の実際、ブラシツールや段階ツールでのホワイトバランスのコントロールや、基本編集の変更点・トーンカーブのRGB個別補正などお話を行いました、いよいよLightroomがアップデートするということはPhotoshopもバージョンアップということになると思います。来月登場の新しいカメラ達とともにわくわくする2012年になれば良いのですが。


次は近藤さんが去年12月に行われた電塾全国大会のことを皆さんにおはなししていただきました、100名近い方が参加されてたくさんのセッションが行われ実りの多い講義が行われたということでした、中でも鹿野さんの講義はここまで撮影テクニックを披露しても良いのかというほど、撮影で実際に役立つ情報が皆さんに披露されて、実りの多い講義になったみたいです。その他にも山田さんの新しいサイトの紹介や、玉内さんの初級講座、石川さんによるC300の説明、永嶋さんによるPhotoshop奥深い講義など、その他の講義もできれば僕も参加して聞きたかったのですが凄く残念です。
 最後にみなさんと椅子をもちより膝を突き合わせての座談会を行い意見を交換して今回の講義を終わりました。
来月は九州電塾の講義はAPAで橘野さんが行うセミナーとの連動でおこいますので、産業大学の講義室をお借りしての講義は行いません、次は3月に今年度最後の講義になります。
レポート 河口清秀